「繁忙期の引越し業者は料金が高い割にはサービスが悪い!」という印象を持ったことはありませんか?
こんにちは。繁忙期には、とにかく引越しの経験者をチームに配属してほしい、と毎日願っていた、元引越し業者スタッフの管理人です。
繁忙期では引越し業者への依頼件数が増えるため、サービスの品質は著しく低下します。
このため、高品質のサービスを受けるためには、繁忙期を避ける必要があります。
引越しの繁忙期(ピーク)は、3月、4月、ゴールデンウィーク(5月の連休)、8月、9月が該当します。このうち、最も忙しい時期が、3月後半です。
また、土曜日・日曜日・祝日・祭日などの休日や、大安の日などは、時期に関係なく依頼が増える傾向があります。このような休日・大安の日もまた、広い意味では繁忙期といえます。
長年、引越し業者のスタッフとして何度も繁忙期を経験してきた管理人としては、繁忙期の引越しは絶対に避けるべきと考えます。
このページでは、このような事情を説明しつつ、引越し業者から高品質なサービスを、しかも安く受けるための引越しの日程について解説してきます。
引越しの繁忙期・ピークっていつなの?
そもそも、引越しの繁忙期・ピークがいつなのか?そこから見てみましょう。
2月後半・3月・4月 | 卒業・入月・入社など、新生活がスタートする時期。1年で最も引越しの件数が多い時期。 |
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8月 | 夏休み中は家族の引越しが多い。特に、新築の建物への近場の引越しが多い。 |
9月末 | 転勤族による下半期の新生活のスタートに合わせた引越しが多い。第2の繁忙期。 |
休日 (土日、連休、祝祭日) |
仕事が休みの人が多いため引越しが集中する。年間を通して比較的件数が多い。 |
大安 | 縁起を担ぐお客さまによる引越しの件数が多い。しかも、料金・費用は下がらない。 |
【理由1】3月・4月の繁忙期・ピークは最も引越しサービスの品質が落ちるから
3月・4月はお客さまにとって「最悪」の時期
ご存知のとおり、3月・4月は、引越し業者への依頼件数が1年で最も増える時期です。
同時に、引越しの料金が最も高くなる時期でもあります。
それだけでもお客さまにとってはよくないことですが、実は、3月・4月は、サービスの品質が最も低下する時期でもあります。
つまり、3月・4月は、「料金が最も高い割に、サービスの品質が最も悪い」という、お客さまにとっては最悪の時期といえます。
なお、3月・4月(繁忙期・ピーク)の引越しについては、次のページも合わせてご覧ください。
繁忙期・ピークは引越し業者のスタッフのレベルが最も低下する時期だから
引越し業者のスタッフがほぼ全員「素人」
では、なぜ3月・4月はサービスの質が低下するのでしょうか。
それは、ひとことで言えば、チームのメンバーのほとんどが「素人」だからです。
3月・4月は、チーム内のうち、実際に引越しの作業の「経験のある」(「経験豊富」というレベルではありません)スタッフが多くても2人、最悪の場合は1人程度となります。
しかも、新築一戸建(=事故が許されない建物)への引越しでもない限り、まず正社員がチームに配属されることはありません。
そのうえ、他のスタッフは、未経験者のアルバイトや派遣社員です。
3月・4月の繁忙期・ピークは「引越しの経験者1人+その他未経験者」が当たり前
このように、3月・4月の繁忙期では、「経験者1人+その他大勢の素人」のチーム編成が当然のようにあります。
これでは、引越しサービスの品質など、期待しようがありません。
ちなみに、管理人は、「管理人以外は全員派遣社員」というチームで何回も引越しをしたことがあります。
以下のページは、その時の体験談です。
4月の引越しは絶対に避けるべき
4月の平日の引越しは高校生・大学生のアルバイトが働けない
特に4月は、3月以上に品質が低下する時期です。
4月は、3月に比べると依頼件数自体はやや少なくなる傾向はあります(それでも1年の中ではかなり忙しい時期です)。
そこにきて、4月は、高校や大学の授業が始まります。
このため、平日は、経験豊富な高校生・大学生のアルバイトスタッフが働くことができません。
そのぶん、一般の社会人のスタッフにしわ寄せがきます。
4月は年間で最も引越し業者のサービスの品質が下がる
3月の繁忙期に経験を積んだ高校生・大学生のアルバイトは、実はスタッフとしては非常に貴重な存在です。
引越し業者や現場の社員・スタッフからも、かなり重宝されます。
4月は、このような高校生・大学生のアルバイトが抜けてしまい、未経験の社会人アルバイトや派遣社員がチームの中心メンバーとなります。
当然ながら、4月は3月以上に引越しのサービスの品質が悪い、つまり1年で最もサービスの品質が悪い時期といえます。
4月は引越し業者のスタッフの疲れがピークに達する時期
スタッフは2月後半から「休み無し」で働いている
また、4月は、スタッフの疲れが最も溜まる時期でもあります。
引越しの繁忙期・ピークは3月の前半(業者によっては2月後半)からすでに始まります。
この頃から、引越し業者のスタッフ、特に正社員や契約社員など、ある程度責任がある立場のスタッフは、まさに休日返上で連日働き続けます。
ただでさえ引っ越しの作業自体が体力的に非常に厳しいうえ、連日早朝から深夜まで(場合によっては日付が変わる頃まで)作業は続きます。
そのうえ休日なしで働かされるわけですから、スタッフに疲れが溜まらないわけがありません。
この点からも、4月は、1年中で最も引越し業者のサービスの品質が低下します。
実は引越し業者の疲れが取れる6月が引越しのオススメ時期
ちなみに、引越し業者のスタッフが休みを取れるのは、早くても4月の半ば頃(それも1日程度)。
遅ければ5月の連休・ゴールデンウィークが終わってからです。
つまり、5月の連休が終わってから(そのうえ、ある程度の長期休暇が終わるころ=6月ごろ)でないと、スタッフの疲労は回復しません。
このため、4月の引越しはなるべく避けるべきです。引越し業者から高品質なサービスを受けたいなら、6月以降に引越しするべきです。
ちなみに、実は、6月は梅雨のリスクを除ければ、引越しのベストシーズンです。
どうしても3月・4月の繁忙期・ピークに引越しをしなければならない、というわけではないのであれば、6月の引越しはオススメです。
- 3月・4月は引越し件数が多いため、経験豊富なスタッフが分散する。
- 3月・4月は「経験者1人+その他未経験者のアルバイト・派遣社員」が【当たり前】。
- 4月は経験豊富な大学生・高校生のアルバイトが出勤できない=品質が1年で一番低い時期。
- 4月は引越し業者のスタッフの疲れもピークになる=品質が1年で一番低い時期。
【理由2】8月・9月の繁忙期は4月・3月に次いで引越しサービスの品質が落ちるから
実は「第二の繁忙期・ピーク」の8月・9月
8月は夏休みで引越しが増える
8月・9月は、3月・4月の繁忙期・ピークに次いで、引越し業者への依頼件数が増えます。
というのも、8月は、夏休みを利用して引越しを済ませるお客さまが増えるからです。
管理人の経験では、新築の引越しが多いような印象があります。
なお、8月の引越しにつきましては、次のページも合わせてご覧ください。
9月は転勤族の引越しで激コミ
また、9月は、半期末ということで、企業での人事異動が活発となり、転勤が増えます。
特に、下半期のスタートである10月までに引越しを済ませようとします。となると、9月末に引越しの件数が集中します。
このため、9月末は、1年のうち3月・4月の繁忙期に次いで忙しい時期となります。
このような事情から、8月・9月は4月・3月の繁忙期・ピークに次いで品質が低下する時期です。
具体的には、8月・9月のうち、特に夏休み期間中や9月末の土日などでは、引越し件数が多くなります。
このため、4月・3月の繁忙期・ピーク同様、チーム内のスタッフに未経験者が増え、サービスの品質が低下しがちです。
なお、9月末の引越しにつきましては、次のページも合わせてご覧ください。
お盆・9月の平日の引越しを狙う
お盆の時期は帰省などにより意外と引越し件数は少ない
もっとも、お盆の期間中は、帰省などにより、意外に引越し件数自体は少なくなり、忙しくなくなることもあります。
このため、特に予定がないのであれば、あえてお盆の期間中に引越しをするといいでしょう。
そうすると、比較的メンバーが充実したチームに作業を担当してもらうことができるかもしれません。
ただし、正社員や契約社員、特に経験豊富な大学生のアルバイトなども帰省していることもあるため、サービスの品質には当たり外れが大きいともいえます。
高品質なサービスの引越しなら9月の平日を狙う
なお、この時期に比較的高品質なサービスが期待できる日程は、9月の平日です。この時期は、以下のような好条件が重なります。
- 8月にある程度新築の引越しが終わっているため、件数自体は減少傾向にあるから。
- 社会人の夏休みが終わり、平日の引越しが少ないから。
- 転勤のための引越しも、引き継ぎなどの関係で、平日はそれほど多くないから。
- 一般的な大学はまだ夏休みであるため、8月に経験を積んだ大学生のアルバイトが作業を担当するから。
9月の平日は経験豊富な大学生のアルバイトが大活躍
このうち、最も重要なポイントは4点目です。
夏場の過酷な暑さを乗り切った大学生のアルバイトは、現場のスタッフやリーダーにしてみれば、非常に頼もしい戦力です。
管理人の個人的な経験でも、9月の平日は、そこそこ依頼件数はあっても、意外にチームのメンバーが充実していてあまり苦労したことはありません。
このため、大学生が多く生活している地域での引越しの場合は、9月の平日は狙い目です。
- 夏休みは家族(特に新築)の引越しが多い。
- 9月末は転勤族の引越しが多い=第2の繁忙期・ピーク。
- お盆・9月の平日は意外と件数が少ない。
- 特に9月の平日は経験豊富な大学生アルバイのスタッフがいるため、意外にオススメ。
【理由3】休日(土曜日、日曜日、祝日、祭日、連休中)の引越しは平日よりサービスの品質が落ちるから
休日は引越し業者のチーム全体のレベルが下がる
土曜日、日曜日、祝日、祭日、連休中、年末は、引越し業者への依頼件数が多くなる日です。
この傾向は、ごく一部の例外(6月・1月・2月)を除いて、1年中続きます。
このように依頼件数が多い日もまた、繁忙期と同じように、各現場に能力が高いスタッフが分散します。
このため、サービスの品質が低下しがちになります。
もちろん、依頼件数が多いということは、それだけ料金も高くなります。
意外に無視できない交通状態が与える引越しへの影響
また、休日は、移動ルートによっては、交通渋滞なども発生します。
遅刻により作業開始時間が遅れたり、移動に時間がかかって作業終了時間が大幅に遅れたりすることもあります。
さらに、いわゆる「サンデードライバー」による交通事故のリスクもあります。
交通事故が発生した場合、作業が大幅に遅れるどころか、最悪の場合、その日のうちに引越しが終わらないこともあり得ます。
このため、特に長距離の移動を伴う引越しには注意が必要です。
休日の引越しはなるべく避けるべきだが時期によっては検討する
以上の点から、土曜日、日曜日、祝日、祭日、連休中、年末の引越しはサービスの品質が低下しがちですから、避けるべきです。
特に、ゴールデンウィーク(5月の連休)の引越しは、すでに述べたようにスタッフの疲れがピークに達している時期でもあり、その点からのお勧めできません。
ただし、土曜日、日曜日、祝日、祭日、連休中、年末は、高校・大学が休みであるため、高校生・大学生のアルバイトが作業に参加できます。
しっかりと経験を積んだ高校生・大学生のアルバイトが参加した場合は、むしろ平日よりもサービスの品質が高くなることもあります。
この点から、比較的件数が多くはない(それでも平日に比べると多いですが)、1月、2月(特に前半)、6月、10月、11月の休日の引越しは、むしろ狙ってみてもいいのではないでしょうか。
ちなみに、管理人オススメの引越しの時期=閑散期については、詳しくは次のページをご覧ください。
- 休日は引越しの件数が多いため、経験豊富な引越し業者のスタッフが分散する。
- 休日は交通渋滞やサンデードライバーによる事故が起こりやすい。
【理由4】大安の引越しは高いわりにサービスの品質が悪いから
単に「件数が多い」だけではない大安の特徴
縁起を担いて大安に引越しをするお客さまが多い
大安の日は縁起の良い日、吉日とされています。このため、昔からの慣習により、引越しの件数が増える傾向があります。
この点からも、大安の日もまた引越しの繁忙期といえます。
当然、引越し業者としては、大安の日もなるべく多くの依頼を受けようとします。
結果として、他の依頼件数が多い日と同じように、能力が高いスタッフを各現場に分散させます。
このような事情により、大安の日は、サービスの品質が低下しがちになります。
縁起を担ぐ=お金に余裕があるお客さまが多い=安くならない
また、大安の引越しの依頼には、他の繁忙期・ピーク、忙しい日とはことなる大きな特徴があります。
それは、縁起をかつぐため、少々料金が高額であっても依頼するお客さまが多いという点です。
具体的には、事業所・法人・会社経営者・高齢者・富裕層等などです。
この点からも、引越しの料金・費用・値段が高くなる傾向があります。
逆にいえば、上記のお客さまに該当しない方にとっては、価格交渉が非常にしにくい日でもあります。
引越し業者は「優良顧客」へのサービスを優先する
大安のお客さま=「リピーターかつ優良顧客」の候補
これらの大安の日に引越しを依頼するお客さまのうち、事業所・法人・会社経営者・富裕層等は、引越し業者にとっては、次回以降も依頼してくれる可能性があります(高齢者は別でしょうが)。
いわゆる「リピーター」の候補です。
また、料金よりも「縁起」を優先するという意味では、ある意味では「金払い」のいいお客さまでもあるわけです。
つまり、大安の日に引越しをしようとするお客さまは、いわゆる「優良顧客」といえます。
引越し業者は「リーピーターかつ優良顧客」の候補にはエースを投入する
当然ながら、引越し業者としては、このようなリピーターかつ優良顧客の候補を優遇します。
引越しの現場では、能力(単なる作業の能力だけでなく、接客態度なども含みます)が高いスタッフ=正社員のエースが担当します。
このため、このような優良顧客の現場以外の現場では、人手不足となり、サービスの品質が低下しがちになります。
そういう意味では、ご自分がこのような「優良顧客」に該当しない場合は、大安に引越しをするべきではありません。
- 大安は引越し件数が多く、経験豊富な引越し業者のスタッフが分散する。
- 大安は引越しの料金・費用よりも縁起を担ぐことを優先するお客さまが多いため、料金・費用が下がらない。
- 大安に引越しをするお客さまは優良顧客・リピーターになる可能性が高いため、引越し業者が「エース」を投入する。
- 「優良顧客・リピーター」以外の引越しの現場では、経験豊富なスタッフが来ない。
【Q&A式】まとめ
いかがでしたか?最後にもう一度、なぜ繁忙期・ピークに引越しを避けるべきなのか、確認しておきましょう。
そもそも、引越しの繁忙期・ピークって、いつなの? | 一番混む時期は、2月後半・3月・4月です。この他、5月の連休や、8月(特に学校が夏休み中)、9月末、年末、休日(土日、祝祭日、連休)、大安が繁忙期・ピークと言っていいでしょう。 |
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どうして3月・4月の繁忙期・ピークは避けるべきなの? |
以下のような事情があるからです。
特に、4月の引越しは、1年を通じて最もサービスの品質が低いので、絶対に避けるべきです。 |
どうして8月・9月の引越しは避けるべきなの? | 8月は、家族の引越しの件数が多く、特に新築の建物への引越しが多いため、経験豊富なスタッフが分散してしまいます。このため、どうしても引越し業者のサービスの品質が落ちてしまいます。
また、9月末は、転勤族の引越しが多くなり、3月・4月に次いで引越し業者が忙しくなる、第2の繁忙期・ピークです。当然、この時期も、経験豊富なスタッフが分散するため、サービスの品質は落ちてしまいます。 |
どうして休日の引越しを避けるべきなの? | 休日は、平日に比べて引越しの件数が多いため、経験豊富なスタッフが分散し、引越し業者のサービスの質が下がるからです。 |
どうして大安の引越しは避けるべきなの? | 大安は、他の繁忙期・ピークと同じように、引越しの件数が集中しますので、経験豊富なスタッフが分散し、引越し業者のサービスの質が下がります。
しかも、縁起を担ぐお客さまが多いため、少しくらい引越しの料金・費用が高くても、大安に引越しをしようとします。結果として、料金・費用は安くなりません。 そのうえ、引越し業者は、事業所・法人・富裕層など、優良顧客でリピーターになりそうなお客さまに、優先して経験豊富なスタッフを配属するため、そうでないお客さまの引越し現場には、経験が浅いスタッフが配属されがちです。 |
最後に断言しますが、管理人は絶対に繁忙期・ピーク、休日には引越し業者は利用したくありません。
やはり、実際に現場で働いた経験上、経験が浅い(というか無い)スタッフを現場で使わざるを得ない状況であるかをよく知っているからです。
想像してみてください。全員制服を着てはいるものの、その中身は「経験者が1人だけ、他は引越し作業が初めてのスタッフ(または派遣社員)」というチームに大切な荷物を預けられるでしょうか?
「そんな大げさな」と思われるかもしれませんが、少なくとも3月・4月の繁忙期では、これが「当たり前」のレベルのチーム編成です。このような内実を知れば知るほど、繁忙期の引越しはしたくありません。
いろいろと述べてきましたが、結局は、繁忙期・ピーク・休日等の「お客さまからの依頼が混みあう日」は、引越し業者のサービスの低下は避けられません。
このため、時期をずらすか、同じ混みあう日でも時間帯を調整することで、高品質なサービスを狙うべきです。
なお、どうしても3月・4月に引越しをしなければならない、という事情がおありでしたら、時期をずらす以外のノウハウを駆使して、なんとか引越しを安くしてください。
以下のページに、そういったノウハウをまとめていますので、ご参考になさってください。