「本の梱包って、面倒くさいなあ…。引越し業者の人って、力ありそうだし、本棚をそのまま運べないの?」と、不満に思ってませんか?
こんにちは。さすがに本が入った本棚をそのまま運んだ経験はない、元引越し業者スタッフの管理人です。
最初に断言しておきますが、本棚を本が入った状態で、そのまま運ぶことは、絶対にできません。
本棚をそのまま運んだ場合、おそらく、すぐに本棚がバラバラになってしまいます。
それほど、本は重いものです。ですから、本棚は、必ず中身を空にしてから運びます。
また、本棚には、たくさんの棚板がついています。この棚板は、引越し業者のスタッフがやってくれます。
ものによっては、木製・ガラス製の扉がついていることがあります。
中には、スライド式の棚がついているような複雑な構造のものもあります。これも、引越し業者のスタッフが対処してくれます。
サイズが大きい物や特殊なものは、本体、天板、底板に分離します。
引越しでは本棚は必ず本を取り出す
本棚はそのまま中身入りでは運べない
引越しで本棚を動かす場合は、必ず本を出して、中身を空にします。
本は、非常に重い荷物です。中身入りのそのままの状態では、本棚は、運ぶどころか動かすこともできません。
おそらく、無理やり動かそうとすると、よくて本棚が歪んでしまい、最悪の場合はバラバラになってしまうでしょう。
ですから、面倒だとは思いますが、本は本棚から出して、すべてダンボールに梱包してください。
参照:引越しでの本の梱包・荷造りのしかた―小型のダンボールに持てる分だけ詰める
また、本以外のもの(CD・DVD・ブルーレイディスク・ゲームソフト)など、意外と重たくなります。
ですから、これらの荷物も出してしまって、ダンボールに梱包して、本棚は空にしてください。
参照:引越しでのブルーレイディスク・DVD等の梱包・荷造りのしかた―小型のダンボールに持てる分だけ詰める
本棚は分解しなくていい
本棚は、分解しなくてもかまいません。引越し業者では、そのまま運んでくれます。
もちろん、分解しても差し支えありません。
ただ、本棚を分解したところで、それほどトラックのスペースが活用できるほどにはなりません。
かえって分解と組立ての手間がかかりますし、ものによっては、再度組み立てることができなくなることもあります。
また、分解・組立てをしてしまうと、耐久力が落ちてしまう可能性があります。
本棚は、重い本を入れておく棚ですから、耐久力が落ちると、地震などでバラバラになる可能性があります。
棚板の対処は引越し業者のスタッフにまかせる
棚板がはずせるタイプの本棚の場合、中身の本を出した後の棚板は、そのままにしておいてください。
本棚を運ぶためには棚板を固定しなければなりません。
この作業は、「棚止め」という特殊な作業です。これは、引越し業者のスタッフがやってくれます。
わざわざ棚板を外してダンボールに梱包したり、棚板を紐などで縛ったりする必要はありません。
かえって棚板を紐で縛った場合、スリキズがついてしまうことがあります。
ですから、そのままにして、すべて引越し業者にまかせてください。
ただ、引越し業者によっては、こうした対処をしてくれない可能性もあります。
不安な場合は、あらかじめ営業員に確認しておきましょう。
古い本棚は引越し業者の梱包で角の塗装が剥げることも
経験の浅い引越し業者のスタッフがやりがちな事故
本を取出してしまえば、本棚自体は、(よほど高級なものでない限り)非常に軽い家具です。ですから、あまり事故はおこりません。
ただし、古い本棚は、経時劣化で、角の塗装が剥げかかっていることがあります。
このような本棚は、梱包材で覆う際に、角に負担がかかってしまって、塗装が剥げてしまうことがあります。
たいていの引越し業者は、塗装が剥げないように配慮して梱包をしてくれます。
ただ、経験の浅いスタッフは、こうした配慮をしない(というより知らない、または教わらない)ことがあります。
ですから、念のため、気をつけてください。
古くない本棚でも要注意
古くない本棚であっても、湿気や塗装のしかたによっては、意外に塗装がはげてしまうことがあります。
特に、湿気のこもりやすい部屋の角などに、壁との隙間がなく、ぴったりと置いていた本棚は注意が必要です。
こうした状況では、本棚は、水分を吸ってしまって、塗装が剥げやすくなることがあります。
本棚は背が高く、天井との距離も近いため、通気性が悪く、上の部分に湿気がこもりやすい傾向があります。
このため、特に湿気の多い部屋に置いていた場合は、比較的新しい本棚であっても、角の塗装に注意してください。
スライド式の本棚は紐・ロープの擦り傷に注意
スライド式の棚は固定しないと事故の元
本棚の中には、スライド式の棚がついているものがあります。比較的高級なタイプの本棚によくある構造です。
このような本棚のスライド式の棚は、そのままにしておくと、移動中に動いてしまって、事故が発生することがあります。
特に、ガラスの扉がついているものについては、ガラスが割れる可能性もあります。
このため、運搬中に動かないように、スライド式の棚を固定する必要があります。
「棚を紐・ロープで固定する」は間違った方法
この際、引越し業者のスタッフは、中古のダンボールを丁度いいサイズに加工して、スライド式の棚の本体の隙間にはめ込みます。
こうすることで、棚が固定されて、事故は起こらなくなります。
ただ、引越し業者によっては、紐で固定することがあります。これは、特に経験が浅い引越し業者のスタッフがやりがちなミスです。
このような固定の方法では、紐が棚(特に角)に当たって、スリキズがつくことがあります。
キツく縛るとあっさりキズがつく
もともと動きやすいスライドを、紐やロープでは簡単に固定できません。
無理にキツく縛ってしまうと、ますますキズがつきやすくなってしまいます。
特に高級な本棚の場合は、表面が繊細な塗装になっていて、意外と簡単にスリキズがついてしまいます。
ですから、紐でスライド式の本棚を固定している場合は、特にスリキズに注意してください。
背の高い本棚はマンションの引越しでは入らないことも
本棚はマンションの至るところで通らない
本棚は、実は一般家庭の荷物の中では、最も建物に入りにくい荷物のひとつです。
というのも、一般的な本棚は、背が非常に高く、幅が広いものもあります。また、ほとんどの本棚は、分解できない構造となっています。
こうした特徴のある本棚は、ドアの入り口の部分で曲がらないことがあります。
特に、マンションに搬入する場合、大型の本棚は、マンションの設計によっては、エレベーター、玄関、廊下、ドアの入り口にひっかかって、通らないことがあります。
本棚を窓から入れる場合は非常に時間がかかる
このような場合、本棚は、窓から搬入することになります。
この際、マンションの通路から搬入する場合は、窓を開けて搬入します。
ところが、マンションの通路側の窓は、防犯のために鉄柵がついています。これを外す作業は、非常に面倒で時間がかかります。
場合によっては、引越し業者から別料金を請求される可能性もあります。
また、当然ながら、通路側ではなく外側から搬入する場合は、1階以外は窓吊り作業となります。
この場合は、低層階でなければ搬入はできません。
まとめ
管理人も、いろいろと引越し業者で経験をしてきましたが、さすがに中身入りで本棚を動かしたことすらありませんし、ましてや運んだことはありません。
最初に、そのような要望があるらしい、という話を聞いて、(冗談だろ?)と思ったものです。
…が、どうも一般のお客さまの中には、本気で運べるものと思っている方もいらっしゃるようです。
繰り返しになりますが、本棚は、中身入りでは絶対に運べません。
大変だとは思いますが、おとなしく、本や荷物を全部出して、ダンボールに梱包してください。