「引越し業者のダンボールってサービスだから無料っていうけど、あれ本当?」と思ったことありませんか?

こんにちは。ダンボールの料金が書かれていない見積書を見るたびに、不思議に思っていた、元引越し業者スタッフの管理人です。

引越し業者の営業員は、よく「ダンボールはサービスですから無料ですよ」というセールストークを使います。

…が、ダンボールが無料なわけはありません。

引越し業者だって、ダンボールをメーカーに注文しているわけですから、当然その分の費用は発生しています。

これが引越しの料金に含まれないわけはありません。

ですから、ダンボールは「無料」なのではなく、「料金に含まれるけども、その内訳・詳細を明らかにしていない」が正しいです。

このダンボールですが、業者にもよりますが、意外に高くつきます。

ということは、引越しの料金を安く抑えるためには、引越し業者のダンボール、特に新品のものを使わないことが非常に重要です。

しかし、当然ながら、まったくダンボールを使わないで引越しはできません。では、どうやって安くダンボールを用意するのか。

答えは、「引越し業者の中古のダンボールを使う」または「自分で用意する」です。それぞれ、ポイントを見ていきまっしょう。

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引越しのダンボールは引越し業者の中古ダンボールがベスト

ダンボールを運ぶ引越し業者男性スタッフ

「スタッフが扱い慣れている」がポイント

ダンボールは、引越しの荷物の梱包材として非常に重要なものです。

ダンボールは、単に荷物を保護し、運びやすくするだけではなく、トラックに積み込みやすくします。

このため、サイズが統一されていることと、なにより、それなりの強度がなければなりません。

引越し業者のダンボールはこの点がよく考えられていて、ちょうどいいサイズ・強度のダンボールが2~4種類程度(業者によって種類はことなります)あります。

そして、忘れられがちな点ですが、引越し業者のスタッフが扱いやすいかどうか、という点が重要です。

普段扱い慣れているダンボールは作業がはかどりますが、そうでないダンボールは、作業がはかどらないばかりか、場合によっては事故の原因ともなります。

以上の点から、本来であれば、引越し業者の新品のダンボールを勧められるままに使う、というのが、少なくとも現場のスタッフとしては理想といえます。

「ダンボールはサービス=無料」なわけはない

ところが、引越し業者の新品のダンボールは、料金もかかります。

よく引越し業者の営業員が「新品のダンボールはサービスですから無料です」というセールストークをしています。

では、そのダンボールは、空から降って来きんでしょうか?それとも、引越し業者の敷地に勝手に生えてくるんでしょうか?

当たり前ですが、そうではありません。ダンボールのメーカーに発注して作ってもらっています。

もちろん、これも無料ではなく、引越し業者がお金を払っています。

ということは、「新品のダンボールはサービスですから無料です」というのは正確ではなく、料金の中に含まれています。

つまり、一見して「サービス=無料」ということにして親切にしているように見せかけて、単に料金の内訳を不透明にしているに過ぎません。

タダ同然の中古ダンボールを使わせてもらう

このように、新品のダンボールは本来は値段がついているものですから、新品のダンボールを使わないと、その分の料金は安くなるはずです。

そこで、「料金は安く、でも強度もサイズもちょうど良いダンボール」として、引越し業者の中古のダンボールがお勧めです。

引越し業者は、経費削減とサービスの一環として、お客さまが引越しの際に使い終わったダンボールをわざわざ回収しています。

このダンボールは、常に引越し業者の倉庫にストックされています。引越し業者に頼めば、たいていは無料でもらうことができます。

中古だと強度に不安があるかもしれませんが、管理人の経験では、1回や2回使った程度では、ほとんど強度には問題はありません(よほど重い荷物が梱包されていれば別ですが)。

ですから、この点はあまり心配はありません。

自前のダンボールはサイズを揃える

ダンボール

ホームセンターや通販を活用して用意する

引越し業者に中古のダンボールのストックがなかった、あるいは、中古のダンボールの提供を断られた場合、次善の対応として、自前でダンボールを用意する、という方法もあります。

従来どおり、ホームセンター等で買ってくる方法もありますが、最近では、インターネットの通販を活用する、という方法もあります。

管理人としては、やはり現物を見て買うべきだと思いますので、ホームセンターでの購入をお勧めします。

ただし、ダンボールは意外に重く、家まで持ち帰るのが大変でしょうから、この場合は通販の利用も考えてください。

事故防止のために必ずダンボールのサイズを揃える

自前でダンボールを揃える場合は、なるべく強度が強いものを用意するのは当然ですが、そのうえで、必ずサイズを統一するよう注意してください。

ダンボールのサイズが統一されていないと、引越し業者のスタッフが運んでいる際にバランスが崩れることがあります。このため、サイズが不揃いのダンボールは、落下事故の原因となります。

また、なによりも、トラックへの積み込みに時間がかかってしまいます。

かといって、1種類だけのサイズだと、いろいろと不便です。ですから、サイズの種類は、大小2種類か大中小3種類がいいでしょう。

管理人の個人的な感覚では、大小2種類で十分だと思います。

このようにダンボールのサイズを統一することで、引越し業者のドライバーによるトラックの荷台への積み込み作業の時間が大幅に短縮されます。

スーパー等のダンボールの注意点

みかん箱

意外に強度が弱いスーパーのダンボール

最近、食料品を販売しているスーパー等では、レジ袋を提供しなくなった代わりに、ダンボールを無償で配布していることがあります。

このようなダンボールは、強度の点で問題がある可能性があります。特に日用雑貨品のダンボールは、中身が軽いため、あまり強度が強くありません。

また、意外かもしれませんが、飲料のダンボールも、強度よりも開封のしやすさを優先しているものもあります。このようなダンボールも、強度に問題があります。

このように強度が弱いダンボールでは、トラックの荷台で積み上げた場合に、潰れてしまうことがあります。

このような点から、日用雑貨品や一部の飲料のダンボールは、引越しの梱包材としてはおすすめできません。

狙い目は果物のダンボール

他方、果物のダンボールは、かなり頑丈に造られていて、サイズも手頃です。

果物は水分が多くために重く、また、ダンボール自体が潰れて中身に少しでもキズがつくと商品になりません。ですから、ダンボールは厚く、かなり頑丈です。。

特にみかんのダンボールやリンゴのダンボールは、サイズも統一されていて、強度もしっかりしているため、引越しの梱包におすすめです。

ただし、店の管理状態によっては、食品のダンボールは汚れていることもあります。

ですから、実際にダンボールを選ぶ際には、店の掃除の状態なども参考にしつつ、よく確認してください。

気になる場合は、新品のダンボールを使うようにしましょう。

自前のダンボールは結局は高くつくことも…

困る引越し業者男性スタッフ

トラックのドライバーに嫌われる「自前のダンボール」

自前で用意するダンボールは、強度と作業効率(トラックへの積み込み)の点で、引越し業者のダンボールよりも劣ります。

特に、引越し業者のドライバーは、自社のダンボールの積み込みに慣れているため、非常に早くトラックへの積み込みができます。

ところが、他のダンボールの場合はそうはいきません。特に、サイズが統一されていないダンボールの積み込みは、パズルのようなものですので、(不可能ではないものの)非常に時間がかかります。

管理人も、トラックのドライバーとして、不揃いのダンボールの積み込みを何度もしてきました。

これはこれで作業としては面白いのですが、いつまでも荷台での積み込みに時間がかかってしまい、よくリーダーに怒られたものでした。

このような事情があるため、自社以外のダンボールを露骨に嫌うドライバーもいます。

事故が起こった場合は補償対象外となることも

また、自前のダンボールが潰れた場合は、補償対象外となる可能性があります。

というのも、ほとんどの引越し業者がお客さまとの契約内容として使用している「標準引越運送約款」の第23条では、次のように規定されています。

標準引越運送約款第23条(免責)
当店は、次の事由による荷物の滅失、き損又は遅延の損害については、損害賠償の責任を負いません。
(途中(1)~(7)省略)
(8)荷送人又は荷受人等の故意又は過失
出典:国土交通省「標準引越運送約款」

つまり、自前のダンボールの使用(特に強度不足のダンボール)が、お客さまの「故意又は過失」と判断される可能性があります。

このように、自前のダンボールは、事故の原因や、積み込みに時間がかかる原因となります。場合によっては、事故がおこった際に補償対象外となることも考えられます。

このため、最終的には、引越し業者の新品のダンボールよりも高くつくこともあります。

まとめ

何年も引越しの作業をしてきた管理人としては、ダンボールは、引越し業者の中古のもので十分だと考えています。

新品に比べても強度はほとんどかわらないですし、「他の誰かが使っていた」ことが気になる方でない限り、中古でも問題なく引越しはできます。

もちろん、トイレ用品や靴が梱包された中古のダンボールは使いたくはありません。

…が、通常、引越し業者は、このような使われ方をしたダンボールを中古のダンボールとしてお客さまに提供はしていませんので、安心です。

むしろ、管理人個人としては、新品のダンボールを使うという選択はあり得ません。

なお、通常、引越し業者は中古のダンボールはを大量にストックしていますが、2月中旬ごろに、瞬間的になくなることがあります。

これは、繁忙期を前に、中古のダンボールの「需要」が高まるからです。

このような場合は、中古のダンボールを諦めざるを得ませんので、素直に新品のダンボールを使いましょう。