「いつも朝から引越し業者に来てもらっているけど、毎回ちょっとしたトラブルや気になることがあるのはどうして?」と思ったことはありませんか?

こんにちは。朝から始まる引越しでは、どんな立場でも緊張していた、元引越し業者スタッフの管理人です。

実は、引越しのサービスは、時間帯によって品質が大きく左右されます。特に、朝から始まるサービスは、最も品質が低いサービスのひとつです。

これに対して、午後便・フリー便・宵積みは、意外と品質が高い傾向があります。

しかも、これらのサービスは、基本的に引越し業者の都合で時間帯を指定できますので、朝便に比べると料金が安いです。

このため、午後便・フリー便・宵積みなどを活用することで、高品質・低価格でのサービスを受けられます。

「とりあえず早く終わらせたいから」という理由で引越し業者に朝便を頼んだけども、結局作業が終わったのは夕方だった、という経験はありませんか?

「思ったよりも時間がかかった」という程度ならまだしも、アルバイト・派遣社員のスタッフに大事な荷物や部屋の壁・床にキズをつけられることもあります。

このような事故があると、その後の補償交渉がたいへんです。

「急がば回れ」という言葉がありますが、引越しのサービスでは、「朝便よりも午後便・フリー便・宵積み」のほうが、結果的に高品質で早いサービスが受けられます。

いままで、朝便であまり品質のいいサービスを受けられなかったという方は、朝便ではなく、時間帯をずらした午後便・フリー便・宵積みを利用してみてください。

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朝に引越しを始める朝便はなるべく避ける

夜明け

朝便は一日の中で最も利用者が多い

朝便(業者によって呼び方は違います)とは、文字通り、朝に作業を始める引越しのことをいいます。

具体的には、朝に引越し元(旧居・積地)で荷物の搬出作業を始め、夜までに引越し先(新居・卸地)での搬入作業を終えるものをいいます。

また、朝に荷物を搬出し、長距離の移動の後に、翌日の朝に搬入するものも意味します。

お客さまとしては、なるべく早く引越しを終わらせるため、朝便を希望されることが多いです。

つまり、朝便は、最も需要が多いく、お客さまからの依頼件数も多くなりがちです。

朝は最もスタッフの層が薄い=チーム全体のレベルが低い時間帯

引越し業者には、チームリーダーが務まる能力・経験を持ったスタッフは、限られた数しかいません。

通常、引越し業者は、その日に働けるチームリーダーの数だけ朝便の依頼を受注します。

例えば、その日に10人のチームリーダーがシフトに入ることができる場合、とりあえず10件まで朝便の依頼を受注してしまいます(もちろん、動かせるトラックの数にもよります)。

つまり、朝便では、チームリーダーができる能力・経験を持ったスタッフは、チーム内に1人(荷物が多い現場でせいぜい2人)しかいないことが多いということです。

これは他のスタッフにも同じことがいえます。例えば、経験豊富なアルバイトも数が限られていますので、各現場に均等に配属されます。

このため、依頼件数が多い時期の朝便では、見積りの際に提示された頭数を合わせるためだけのスタッフ(未経験のアルバイトや派遣社員)が配属されていることがあります。

以上のように、朝の時間帯は、能力・経験があるスタッフの層が最も薄い=チーム全体のスタッフのレベルが最も低い時間帯ということです。

この点から、朝便は、荷物が多い場合、新築の引越しの場合など、やむを得ない事情がない限り、利用するべきではありません。

午後便・フリー便を意図的に狙う

午後一時

午後便・フリー便は主に午後に引越し作業を開始するサービス

午後便とは、午後に引越しの作業を始めるサービスのことです。

フリー便(業者によって呼び方は違います)は、引越し業者の任意の時間帯に作業を開始する引越しのことです。

このため、利用者としては、時間を指定できないというデメリットがあります。

午後便もそうですが、フリー便は、通常は、朝便を終わらせた引越し業者のチームが2件目に引き受けます。

ですから、ごく稀な例外を除いて、引越し業者が任意で決めた「午後の」時間に作業が始まります。

午後便・フリー便ともに、午後に作業が始まりますので、当然、作業が終わる時間そのものは遅くなります。

これは、引越し業者にとっては、自由にスタッフや時間を割り振ることができるメリットにもなります。

このため、比較的料金が安い、という特徴もあります。

なお、午後便・フリー便は、その日のうちに作業を終えることを想定しています。

基本的には荷物がそれほど多くないお客さましか利用できません。

このような事情から、午後便・フリー便は、その日の朝便に比べて、件数が少ないという特徴もあります。

午後便・フリー便はスタッフのレベルが高くなる

すでに述べたとおり、午後便・フリー便ともに、朝便を終えたチームが担当します。

そのチームが同じメンバーでそのまま担当することもありますが、多くの場合、複数のチームが合流して担当します。

ということは、最低でもチームリーダークラスのスタッフが2人以上いることになります。

すると、朝便に比べると、スタッフの能力・経験がかなり底上げされます。

場合によっては、スタッフ全体の数も、見積もりの際の数よりも多くなることがあります。

この点からも、午後便・フリー便はお得なサービスといえます。

他の現場からの応援も期待できる

また、午後便・フリー便では、状況によっては、後から他のチームのスタッフが応援に駆けつけることがあります。

これにより、当初想定していたよりもスタッフの人数が増えることがあります。

引越し業者の都合で人数が増えるわけですから、追加で料金が発生することもありません。

このため、通常の料金で多くのスタッフに作業してもらうことができます。

このように、午後便・フリー便は、うまく「ハマれば」、能力・経験のレベルが高い複数のスタッフ、場合によっては応援により多くのスタッフに作業を担当してもらえます。

こういった場合は、(どのスタッフも早く帰りたいという気持ちもあって)阿吽の呼吸で作業が進み、それこそ「あっという間に」、しかも無事故で作業が終わることがあります。

これらの点から、高品質で短時間の引越しを狙う場合は、午後便・フリー便の活用を検討してみてください。

引越し業者さえよければ遅い時間帯での作業開始を依頼する

午後四時

実は作業開始時間が遅ければ遅いほど短時間で終わる

引越し業者の管理職や店長としては、遅い時間帯の引越しは、早く終わらせる必要があります。

遅い時間帯での作業は、スタッフに残業代を支払う必要があります。このため、給料=人件費の負担が大きくなるからです。

このような事情から、引越し業者は、応援スタッフを投入してまで、遅い時間帯の作業をなるべく終わらせようとします。

ということは、利用者としては、逆に遅い時間帯を狙って引越しをすることで、短時間で済ますことができる、ということです。

もちろん、この方法は、荷物が少ない場合にしかできませんし、なによりも引越し業者の都合によっては断られる可能性もあります。

このため、事前に営業員の方とよく話し合ったうえで、検討してください。

意外に高品質なサービス

実際に早く引越しを終わらせようとすると、どうしても作業が雑になります。

結果として、遅い時間帯の引越しは、事故の発生率も高くなる傾向があります。

このため、遅い時間帯での引越しでは、作業に慣れたベテランのスタッフが担当することが多いです。

場合によっては、正社員などのチームリーダークラスのスタッフが複数担当することもあります。

他方、経験が浅いスタッフや未経験のアルバイト、派遣社員などは、このような早い作業にはついていけません。

それどころか、作業の流れを滞らせて、足手まといになるくらいです。

このため、引越し業者は、遅い時間帯の引越しには、基本的には未経験のアルバイトや派遣社員は参加させません。

これらの点から、遅い時間隊の引越しは、高品質なサービスが期待できます。

宵積みはリーダークラスがぞろぞろ

宵闇

宵(夕方から夜にかけて)に積み込む「宵積み」のメリット

一般の方々にはあまり見慣れない言葉でしょうが、引越しには、「宵積み(よいづみ)」というプランがあります。

宵積みとは、宵(夕方から夜にかけて)の時間帯に荷物(約70%~100%)を搬出してトラックに積み込み、翌日の朝から荷物を搬入する、という引越しのことをいいます。

すでに述べたように、遅い時間帯の引越しでは、基本的には未経験のアルバイトや派遣社員は作業を担当しません。

多くは、正社員、契約社員、経験を積んだアルバイトなどが担当します。

このようにベテランのスタッフが作業の中心となるため、作業自体は高品質なサービスが期待できます。

続々とスタッフが駆けつける一日の総仕上げの「宵積み」

宵積みのプランは、作業開始時間が夕方から夜となるため、通常は一日の最後の引越しとなります。

また、すでに述べたように、引越し業者としては、遅い時間帯の作業はなるべく早く終わらせようとします。

このため、宵積みの作業では、その日の作業を終えたベテランのスタッフが続々と応援に駆けつけることがあります。結果として、かなり荷物が多い場合であっても、驚くほど早く作業を終わらせてくれることがあります。

作業をしている側としても、チームリーダークラスのスタッフが一斉に動き回る様はまさに圧巻のひとことで、あっという間に作業が終わります。

ただ、宵積みは、基本的にはある程度荷物がない場合でないと、引越し業者は引き受けてくれません。また業者によっては、宵積みを完全に断っている場合もあります。

このような事情にも配慮しつつ、利用ができる引越し業者の場合は、積極的に利用してみるといいでしょう。

まとめ

やむを得ず、繁忙期・ピーク、休日などに引越しをせざるを得ない場合、管理人は、朝便は使いたくありません。

荷物の量にもよって、次のような対応を考えます。

  • 単身の場合:午後便・フリー便を利用する
  • 荷物の量が少ない家族2~3人世帯の場合:午後便・フリー便を利用する
  • 荷物の量が多い家族2人以上の世帯の場合:宵積みを利用する

もちろん、これは引越し業者の営業員との相談によりますが、基本的に朝便は利用せず、午後便・フリー便・宵積みを利用して、複数のベテランスタッフや応援に期待します。

「どうも朝便は時間がかかって使いたくない」という場合は、この際思い切って、午後便・フリー便・宵積みを検討してみてはどうでしょうか。