「秋の引越しって、あまりイメージが湧かないけど、どんな感じなの…?」こんな疑問、ありませんか?
こんにちは。9月後半の平日が憂鬱でたまらなかった、元引越し業者スタッフの管理人です。
引越しの経験が少ない方には、秋の引越しはピンとこないのではないでしょうか。
秋は、特に9月末=半期末に、転勤による引越しの件数が多くなります。
しかも、大手企業では、引越しの料金・費用を会社の経費で負担しますので、お客さまによるシビアな価格交渉があまりありません。
このため、この時期は料金が高くなりがちです。
また、お天気はさほど問題となりませんが、台風には注意を要します。
なお、10月中旬以降は、引越しの件数が少なく、そのぶん料金・費用・値段が安くなり、お天気も安定します。
ですから、10月は、管理人が最もおすすめする引越しのベストシーズンのひとつです。
半期末(9月末)は引越しの第2の繁忙期
9月末は転勤による引越しが多い
9月末から10月初旬にかけては、いわゆる「半期末」や「決算月」です。
多くの日本の企業では、この9月末に転勤の辞令が発令され、10月から転勤先での勤務が命じられます。
つまり、「10月1日には転勤先に引越していないといけない」という、「必要に迫られた」引越しが増えます。
このため、転勤するお客さまからのご依頼の件数が増加します(もちろん、最も転勤が多いのは3月末です)。
特に、9月の最終の土日は、繁忙期に次いで、お客さまからのご依頼の件数が多い時期のひとつといえます。
ご依頼の件数が多いということは、能力が高い引越し業者のスタッフも分散することになります。
結果として、引越しのサービスの質もかなり低下します。
引越しの料金は会社持ち=値段は下がりにくい
転勤による引越しは、料金・費用が会社負担となることが多いです。特に、大手企業では、その傾向が強いです。
実際に転勤されるお客さまとしてみれば、ご自身で料金・費用を負担しませんので、特に料金・費用を安くする必要はありません。
会社としても、業務にとって「必要な」引越しであるため、引越し業者に対して強く値下げを要求することができません。
また、引越しの件数も多いため、代わりの引越し業者の手配も難しく、「乗り換え」をチラつかせて交渉することも難しいです。
このため、プライベートでの引越しに比べて、価格交渉がされません。
ということは、料金の相場が高くなる傾向があります。
逆に、転勤ではなく、プライベートで引越しするお客さまの場合は、引越し業者との価格交渉が難航する可能性があります。
9月後半・10月上旬の平日は特に引越し業者のサービスの品質が下がる
9月の後半は、平日であっても、引越しの件数がかなり増えます。ですから、経験豊富なスタッフが不足してしまいます。
結果として、それこそ「頭数を合わせるため」の引越し未経験のアルバイト・派遣社員の数が増えます。
当然、引越し業者のチーム全体のサービスレベルはかなり下がります。
それでも、土日であれば、ある程度経験豊富な高校生や副業の社会人のアルバイトが働いてくれます。
ですから、土日の引越しサービスは、そこそこの品質が期待できます。
ところが、平日となると、こういった高校生や社会人のアルバイトは、授業や本業のために、引越し業者では働いてくれません。
せいぜい、まだ夏休み中の大学生のアルバイトが働いてくれるくらいです。
このような事情があるため、9月後半の平日は、引越し業者のチームのなかで、「チームリーダーだけが経験者、他は全員未経験者」というのが普通になります。
10月になると、数少ない経験を積んだ大学生アルバイトですら、講義が始まるため、働いてくれなくなります。
ですから、10月の上旬の平日は、4月の平日と同じように、年間を通じて最もサービスの質が低下する時期
秋の引越しはお天気は最も安定する
お天気が原因の事故は起こりにくい
秋は、その年にもよりますが、一般的にはお天気が安定しています。
特に10月は、気温も下がり、天気も晴れることが多いため、引越しの時期としては、ベストシーズンといえます。
有名なエピソードですが、1回目の東京オリンピックの開催された10月10日は、年間でも最も晴れる日だからこそ、開催式に選ばれた、という説があるくらいです。
実際には、10月は、14日が最も晴れやすい日のようです。
なお、台風が直撃する場合や、秋雨前線が活発になる時期の引越しには、注意が必要です。
9月の引越しはスタッフの汗による汚れに注意する
なお、9月は残暑が続くことが多いです。
地方にもよりますが、温暖化によって、最高気温が30度を越える日が普通にあります。
このような気温が高い日は、作業を開始してものの数分もたたないうちに、引越し業者のスタッフは、滝のような汗を流し始めます。
ですから、夏と同じように、汗に対する対策が必要となります。
具体的には、家具に汗がついた場合に拭き取るための布巾やタオルの準備、桐ダンスや桐箱の厳重な梱包などです。
地方によってはスタッフの熱中症に警戒する
9月・10月の引越しでは、北海道や東北地方を除いて、引越し業者のスタッフの熱中症がまだまだリスクあります。
7月・8月の引越しを乗り切った引越し業者のスタッフのことですから、熱中症の心配はないのでは?と思われるかもしれません。
でも、それはあくまで「7月・8月の引越しを乗り切った経験がある」スタッフの場合です。
9月から引越しの仕事を始めたアルバイトや、派遣社員などは、残暑の厳しいなかで、荷物を持って走り回る経験が初めてかもしれません。
こういうスタッフは、体が暑さに慣れていないうえに、水分補給によって温度をコントロールする方法も知らないことが多いです。
その結果、思った以上に熱中症にかかりやすいことがあります。
特に、古い団地やアパートなど、外での階段作業がある引越しの場合は、慣れていないスタッフだと、あっという間にへたり込んでしまうことがあります。
もちろん、これはお客さまには何の責任もないことです。
ただ、現実にスタッフが熱中症にかかってしまうと、引越しができなくなる可能性もあります。
ですから、飲み物を差し入れるなど、なるべく引越しがスムーズに進むように工夫してみてください。
秋の引越しは台風のリスクを考えておく
台風への対応を引越し業者の営業員に確認する
その年の気候の状態にもよりますが、秋は、台風のシーズンでもあります。
この時期に引越し業者を利用される場合は、見積もりの段階で、営業員に台風があった場合の対応についてよく聞いておいてください。
特に、台風が原因の場合の日程の延期・キャンセルのキャンセル料など、料金については、トラブルの原因となります。
この点については、必ず確認しておいてください。
台風の発生には注意を払う
また、引越し当日までは、常に天気予報をチェックしてください。
特に、台風が発生したときは、引越し業者とすぐに対応の打ち合わせをおこなってください。
雨や風が強い中で引越しをすると、事故の発生率が非常に高くなりますので、場合によっては延期することも検討してください。
ただし、台風が来たからといって、引越しを延期したとしても、引越し業者には何のメリットもありません。
ですから、ほとんどの引越し業者は、台風が来ても、引越しを強行したがります。
管理人の記憶でも、台風に限らず、天気が原因で引越しを延期した、ということを体験したことがありません。
このため、仮に台風が来ても引越しをする場合、雨や風で荷物が破損・故障したらしっかりと補償するように、見積もりの段階で営業員に釘を刺してください。
10月中旬以降は引越しのベストシーズン
9月・10月上旬の引越しは絶対に避ける
秋の引越しは、なるべく10月中旬以降を狙うべきです。
すでに述べたとおり、9月は件数が多く、残暑の影響もありますので、条件はあまりよくありません。
気候のことも考慮すると、ある意味では、繁忙期以上におすすめできない時期です。
10月の上旬も、依然として引越しの件数は多めです。
また、平日は、大学生アルバイトも講義が始まり、引越し業者にアルバイトには来なくなります。
このように、9月と10月上旬の時期の引越しは、絶対に避けるべきです。
10月中旬以降は安い・高品質・天気が良いの三拍子が揃う
一方、10月は、天気は晴れやすく、気温も涼しくなりますので、気候の点では最も引越しに適している時期です(台風がある場合を除きます)。
また、特に10月の中旬以降は、転勤による需要も一段落して、引越し業者への依頼件数も落ち着いてきます。
このため、料金も比較的安く、スタッフによるサービスの品質も期待できます。
そういう意味では、10月(特に中旬以降)は、1年のうちでも、引越しのベストシーズンといえます。
まとめ
「引越しの繁忙期といえば3月・4月」という印象をお持ちの方が大半だと思います。
実は、管理人も、実際に引越し業者で働くまでは、9月末が「第二の繁忙期」だということを、まったく知りませんでした。
9月の繁忙期は、年間を通じて「2番目に忙しい」という「くせ者」です。
多くの引越し業者は、年間を通じて最も忙しい3月・4月の引越しに照準を合わせて、事業計画を立て、実行しています。
逆に、9月の繁忙期の対策は、疎かになりがちです。
このため、9月(と10月上旬)の繁忙期は、管理人としては絶対にオススメできません。
他方、10月も中旬を過ぎると、転勤がなくなり、状況は一変します。
お天気はよく、荷物の多い転勤族の引越しが一巡し、チームにも経験者が多い、という状態で引越しができるため、管理人も、珍しく気分良く仕事ができる時期です。
この時期(10月中旬~12月上旬)は、管理人がオススメする引越しのベストシーズンのひとつです(この他は、1月~2月中旬、天気が気にならなければ6月)。
特に時期にこだわりがない、あるいは自由に時期を決められるのであれば、この時期の引越しはオススです。