「チームリーダーはちゃんとあいさつしてくれるけどの、他のスタッフはロクにあいさつもしてくれない。どうなんってんの、この引越し業者?」という経験、ありませんか?
こんにちは。引越し業者のチームリーダーとしては、他のスタッフがちゃんとあいさつしてくれるかどうか、何気に緊張する、元引越し業者スタッフの管理人です。
引越し業者もサービス業者ですから、引越しの現場に到着すると、お客さまにスタッフ全員があいさつします
あいさつしてくれない引越し業者は論外ですが、残念ながらそのような会社もあります。
あいさつは、ごく短い間に手短におこなわれますが、あいさつのしかたで、サービスレベルを推測できます。
このため、残念ながらあいさつのしかたが酷いようだと、事故のリスクを想定せざるを得ません。
特に、次のような点を確認しておいてください。
引越し業者のチーム内のコミュニケーションはあいさつに現れる
あいさつの良し悪しで社員教育のレベルがわかる
たいていの引越し業者は、スタッフ全員に、お客さまに対して、あいさつをするように指導しています。
また、少なくとも、チームリーダーに対して、他のスタッフにもあいさつさせるように指導しています。
問題は、その社員教育や指導が、徹底されているかどうかです。
「あいさつをすること」自体は、会社の評判に関わりますが、現場のチームリーダーやスッタフには、特にメリットや動機づけはありません。
ですから、引越しの現場に到着してあいさつをするかどうかは、完全にそのチームリーダーやスタッフに対する社員教育(と家庭教育)によります。
あいさつがない=社員教育ができていない=サービスのレベルが低い
そういう意味では、スタッフ全体のあいさつがない場合は、社員教育が行き届いていない可能性があります。
下手したら、「あいさつをする」という基本的なことすら、社員教育で指導自体をされていない可能性もあります。
当然、こうした社員教育をしっかり受けていない場合は、他の社員教育も行き届いているかどうか、怪しくなります。
こういう場合は、引越しの作業の品質が低いことも想定しなければなりません。
あいさつでコミュニケーションが取れているかどうかが分かる
また、引越し業者のスタッフ全員からあいさつがあるかどうかは、チームの中でコミュニケーションが取れているかどうかの目安となります。
しっかりと全員であいさつするチームの場合は、チームリーダーとスタッフとのコミュニケーションが取れているといえます。
逆に、スタッフ全員のあいさつがない場合は、次のいずれかの可能性があります。
- スタッフが新人のアルバイトや派遣社員である。
- チームリーダーとスタッフの仲が悪い。
- チームリーダーに人望がない。
いずれにせよ、このような場合は、チーム内でコミュニケーションが取れていない可能性が非常に高いです。
このようなチームは、たいていスタッフ間の連携が悪く、作業が雑で遅い傾向があり、最悪の場合は事故が発生します。
ですから、チーム内のコミュニケーションが取れていないような場合は、事故に警戒しなければなりません。
引越し業者のスタッフが見積書の人数どおりかチェックする
スタッフが足りない場合はその時その場で引越し業者と値引き交渉
あいさつの際には、引越し業者のスタッフが、見積書どおりの人数かどうかを確認してください。
引越し業者によっては、スタッフが足りないにもかかわらず、何も申し出ないまま、シレッと作業を始めることがあります。
このような場合は、支店や営業所に問い合わせて、スタッフを補充してもらうか、足りない分の料金の値引きをしてもらってください。
スタッフが足りない場合は、引越し業者は値引きをしなければならないようになっています。ですから、遠慮なく値引きを要求してください。
遠慮なく値引きを請求してください(標準引越運送約款第19条第3項、同第4項第1号)。
第19条(運賃等の収受)
(第1項および第2項省略)
3 前項各号について、当店は見積書に記載した内容に準拠して記載します。ただし、見積りを行った後に当該内容に変更が生じた場合は、当該変更に応じて所要の修正を行います。
4 前項ただし書の場合において、変更が生じた結果、実際に要する運賃等の合計額が見積書に記載した運賃等の合計額と異なることとなった場合の修正については、次の各号に基づき行います。
(1)実際に要する運賃等の合計額が見積書に記載した運賃等(以下「見積運賃等」という。)の合計額より少ない場合 実際に要する運賃等の合計額及びその内容に修正します。
(2)実際に要する運賃等の合計額が見積運賃等の合計額を超える場合 荷送人の責任による事由により見積運賃等の算出の基礎に変化が生じたときに限り、実際に要する運賃等の合計額及びその内容に修正します。
(第5項省略)
出典:国土交通省「標準引越運送約款」
重要な点は、引越し業者のスタッフの人数不足を確認した場合は、「その時その場で」交渉することです。
引越しが終わった後だと、「確かに人数は足りなかったかもしれませんが、ちゃんと終わったじゃないですか」と引越し業者に押し切られる可能性があります。
「下請け会社」のドライバーに注意
引越し業者が下請けのトラックを使っている場合、特に人数のチェックは重要です。
具体的には、そのドライバーが見積書どおりのスタッフとしてカウントされているかどうかがポイントです。
そのドライバーが、見積書に書いているスタッフの人数としてにカウントされている場合は、当然、スタッフとして働いてもらうべきです。
ところが、下請け会社のドライバーの中には、スタッフとしてカウントされているにもかかわらず、実際は、トラックの荷台でしか作業をしない場合があります。
ひどい場合は、トラックでの作業がない時に、建物の室内で作業をせずに、運転席で休んでいることさえあります。
参照:トラックの荷台での事故に注意―業務委託先・下請け先の社員
「下請け会社」ドライバーへのクレームは引越し業者の支店・営業所に
このように、下請け会社のドライバーは、トラックから離れず、室内作業をしないことがあります。
この働きでも、ひとり分の人件費(=引越しの料金・費用)は発生します。お客さまにとっては、堪ったものではありません。
ですから、下請け会社のドライバーにも、もっと働いてもらうか、働かないぶんの引越しの料金・費用を値引きをしてもらうように交渉してください。
なお、こういう要求は、現場のチームリーダーではなく、引越し業者の支店・営業所に直接してください。
ほとんどの場合、現場のチームリーダーには、下請け会社のドライバーをどうこうする権限はありません。
特に引越し業者のチームリーダーを把握しておく
引越し業者のチームリーダーは荷物を預ける責任者
引越し業者のチームリーダーは、その現場の責任者です。
現場でのスタッフの指揮はもちろんのこと、家具や大型家電製品の運搬など、難しい作業を担当します。
つまり、自分自身も作業をしながら、スタッフの指揮もする、いわゆる「プレイングマネージャー」です。
引越しの作業が無事終わるかどうかは、チームリーダー(サブリーダーがいる場合はサブリーダーも)の能力にかかっています。
チームリーダーさえしっかりしていれば、どの引越し業者であっても、引越しは無事に終わります。
逆に、チームリーダーがしっかりしていないと、たとえ大手引越し専門業者であっても、事故は起こります。
このように、チームリーダーは、お客さまの荷物をすべて預ける責任者です。
チームリーダーは引越しの現場でのお客さまとの窓口
引越し業者のチームリーダーは、現場で直接お客さまとのやりとりする窓口でもあります。
引越しの現場で何かあった場合は、基本的には、チームリーダーとやりとりをすることになります。
逆に、チームリーダー以外のスタッフは、現場の状況どころか、引越しのことがまるでわかっていないことが「当たり前」です。
そうしたスタッフとやりとりしても、まったく要領を得ないことになります。
それどころか、チームリーダーまでの「伝言ゲーム」で、お客さまの意図が伝わらない、あるいは間違って伝わることにもなりかねません。
こうした事情があるため、何かあった場合は、まずチームリーダーを探すことになります。
ですから、あいさつの際は、特にチームリーダーをよく把握して、コミュニケーションを取っておいてください。
極端に若い引越し業者のチームリーダーに注意
なお、繁忙期では、極端に年齢が若い(高校生・大学生など)チームリーダーが、現場を担当することがあります。
このような若いチームリーダーは、経験が浅いことが多いため、現場の作業や指揮に不慣れで、時間がかかることがあります。
若いチームリーダーは、繁忙期の単身の引越しや、荷物が少ない引越しなど、比較的簡単な現場を担当します。
こうした引越しの現場で、若手のチームリーダーが担当した場合、時間がかかる可能性も考えておいてください。
引越し業者にもご近所へあいさつしてもらう
引越し作業開始前の挨拶がご近所トラブルを防ぐ
お客さまとのあいさつが終わったら、引越し業者が、ご近所へのあいさつをしているかどうかを確認してください。
マンションやアパートでの引越しの場合、引越しの作業によって、かなりの騒音が発生します。
特に、外階段で荷物を運ぶ場合は、引越し作業の開始早々に、引越し業者のスタッフがダンボールを持って、階段を駆け下りていきます。
これは、事前にあいさつを受けていないと、相当のストレスになるくらい、大きな騒音になります。
こうした大きな騒音は、クレームの原因となることがあります。
大手引越し業者は「営業」も兼ねてあいさつをする
このようなクレームの予防のため、大手引越し業者では、両隣や階段付近の部屋の住人に、引越し作業開始前にあいさつをします。
このあいさつの際には、ティッシュ箱などの粗品や割引券などを持参して、ちゃっかり営業をしているくらいです。
ただ、これも引越し業者の方針や社員教育によりますので、こうした配慮をしていない引越し業者もあります。
引越し業者があいさつをしないようであれば、お客さまが同行してでも、引越し業者にも、ご近所にあいさつしてもらってください。
1階が店舗の場合の引越しは必ず店舗にあいさつしてもらう
なお、マンションやアパートの場合、1階が事業者の店舗になっていることがあります。
建物の構造上、この店舗の前に、引越し業者がトラックを駐車しなければならないこともあるでしょう。
こういう、店舗の目の前に駐車する場合は、無断駐車は、営業妨害になってしまう可能性もあります。
ですから、必ず引越し業者にはあいさつをしてもらって、駐車の許可を取ってもらってください。
引越しでのご近所・店舗からのクレームは意外とある
「立つ鳥あとを濁さず」という言葉がありますが、引越し元(旧居・積地)でのご近所へのあいさつは、まさにこの言葉がピッタリです。
「どうせこれから出ていくんだし、あいさつくらい、別にいいんじゃない?」と軽く考えがちですが、バカにしたものでもありません。
すでに述べたとおり、とにかく階段作業は、想像以上に大きな騒音となります。
管理人の経験でも、実際にトラブルになったことが何度かありました(かといって、静かに作業できないのが悩ましいところですが…)。
また、1階の店舗からのクレームは、意外とあるものです。
ですから、これから出ていくとはいえ、引越し元(旧居・積地)でのご近所・店舗へのあいさつは、きっちりしておくべきです。
まとめ
たかが引越し作業開始前のあいさつとはいえ、意外と多くのことがわかるものですから、あなどれません。
記事のなかでは細かいポイントにいろいろと言及してきましたが、とにかく引越し業者のチームの「雰囲気」を把握することが大事です。
「なんかこのチーム雰囲気がよくないなぁ」とか、「このチームのスタッフ、顔が暗くない?」というように、雰囲気が悪いチームは、要注意です。
そうしたチームは、実際の作業でもパフォーマンスが上がらず、予想以上に時間がかかったり、事故を起こしたりします。
また、「まさか見積書の人数よりも少ないなんてことはないでしょう?」と思っているかもしれません。
残念ながら、管理人の経験では、チームの人数が足りないのは、意外とある話です。
特に、繁忙期に、初めて現場に入るアルバイトなどが「バックレる」「穴を開ける」のは、よくある話です。
そもそも、この人手不足のなか(2017年11月現在)で、いわゆる「ブラック企業」の代表みたいな引越し業者に、人が集まるわけがありません。
寝坊して営業所・支店からトラックで出発する時間に間に合わない、というのもあります。
このため、(もしかしたら、スタッフの人数が足りないかも?)という「警戒心」を忘れないようにしてください。