「前回引越しした時は、引越し業者のチームが遅れてきて、思ったより時間がかかっちゃった…。今回またそんなことがあったら、値引きしてもらいたいけどイケるかな?」と思ってませんか?
こんにちは。寝坊した先輩のせいで遅刻し、とばっちりで、一緒にお客さまからお叱りを受けたことが何度かある、元引越し業者スタッフの管理人です。
引越し業者は、必ずしも予定時間どおりに来るとは限りません。
引越し業者のスタッフ・ドライバーの責任にせよ、不可抗力にせよ、なんらかの原因で遅刻する場合があります。
引越し業者が遅刻した場合は、その後のスケジュールに大きな影響を与えます。
このため、遅刻はあるものと想定し、余裕をもたせたスケジュールを組んでおくことが重要です。
引越し業者のチームも遅刻することはある
「フリー便」以外は時間の指定ができる
引越しプラン・パックでは、ほとんどのプラン・パック(午前便または午後便)は、時間の指定ができます。
時間指定ができないのは、いわゆる「フリー便」の場合だけです。フリー便では、引越し業者のほうが時間の指定ができます
もちろん、突然引越し業者のチームが来るのではなく、あらかじめ引越し業者から連絡があります。
時間指定のプラン・パックでは、当然、指定時間に引越し業者が来てくれるはずです。
しかし、残念なことに、さまざまな事情により、引越し業者のチームが遅刻してくる場合もあります。
日常的な渋滞は遅刻の原因にはならない
引越し業者のチームの遅刻の原因は、大半が、交通事情や天候(特に大雪)による渋滞や事故です。
もちろん、引越し業者のトラックのドライバーは、地元の交通事情に精通しています。
ですから、日常的な渋滞については、想定したうえで運転します。
最近では、大手の引越し業者を中心に、カーナビが普及していますし、GoogleMapなどのサービスによって、渋滞回避がしやすくなっています。
朝便の遅刻は滅多にない
そういう意味では、ある程度想定できる渋滞、遅刻することは、実は滅多にありません。
特に、朝の道路事情は、引越し業者のドライバーが毎日利用している=一番良く知っている、支店・営業所から現場までの道路事情です。
このため、朝便は、比較的遅刻のリスクは低いといえます。
むしろ、管理人個人の経験では、チームリーダーやドライバーの寝坊によるリスクのほうが高いと思います。
午後便・フリー便は引越し業者が慣れない道路を使うため遅刻のリスクが高い
こうした朝便で利用する道路とはちがって、午後便やフリー便で利用する道路の場合は、引越し業者のドライバーも、慣れていない場合が多いです。
というのも、午後便やフリー便は、通常は、どこかの現場で、1件目の引越しを終わらせた引越し業者のチームが担当します。
つまり、支店・営業所から出発する朝便の場合とはちがって、どこかの引越しの現場から出発することになります。
となると、普段使い慣れていない道路を使うことになりますので、引越し業者のドライバーも、渋滞などの道路事情を把握してません。
こうした事情により、午後便やフリー便は、遅刻のリスクが高いといえます。
突発的な交通事情による遅刻は避けられない
また、突発的な交通事情、特に交通事故や天候による遅刻の場合は、避けようがありません。
引越し業者のドライバーも(トラック乗りたての場合は別ですが)プロですから、自分で事故を起こすことは滅多にありません。
管理人も、そこそこ長い間運転してきましたが、車両事故・人身事故ともに、自分で引き起こしたことはありませんし、巻き込まれたこともありません。
ただ、第三者同士の事故による交通渋滞については、どうしようもありません。
同じく、天候、特に雪国でない都市部での降雪やゲリラ豪雨などによる交通渋滞も、避けようがありません。
連休(行楽シーズン)・お盆・年末年始は特に注意
また、通常の土日は比較的渋滞しにくいですが、連休中や行楽シーズンには、一日中道路が渋滞することがあります。
特に、お盆や年末年始の帰省ラッシュやUターンラッシュの時期は、一年中で最も道路が渋滞する時期です。
このため、この時期は、特に遅刻のリスクを想定し、余裕をもったスケジュール管理が重要になります。
特に、1日で他の都道府県への引越す場合など、中距離・長距離の移動が伴う場合は、渋滞が原因で時間が大幅にかかってしまうことがあります。
引越し業者の多少の遅刻はやむを得ない
突発的な渋滞は引越し業者も対処のしようがない
引越し業者としても、なるべく遅刻をしないように、できるだけ対処はしています。
ある意味では、最も遅刻の原因となる、スタッフの遅刻には、かなり気を使っています。
ただ、天候や突発的な事故による渋滞は、避けようがありません。
引越し業者がトラックは、車体が大きいため、ほとんどの移動では幹線道路を走ります。
幹線道路では、事故のリスクが高く、渋滞の発生率も上がります。また、トラックでは、抜け道も使うことができません。
このため、交通事情による渋滞については、引越し業者としても、対処のしようがありません。
多少の遅刻はスタッフの「がんばり」でカバーしてくれる
こうした天候や突発的な事故による渋滞があった場合、5~30分程度の遅刻があります。
5~30分程度の遅刻であれば、作業の早さや能率を上げる、つまりスタッフが「がんばる」ことで、十分に挽回できます。
また、場合によっては、休憩をせずに作業することで、予定どおりの終了時間に間に合わせます。
もちろん、「休憩なし」で作業する場合は、事故の発生や夏場は熱中症のリスクがあります。
ですから、特に急ぐ事情がないのであれば、むしろ、引越し業者のスタッフには、しっかり休憩を取ってもらうべきです。
なお、30分を越えるような遅刻になると、予定どおりの終了時間に間に合わなくなる可能性があります。
この場合は、後のスケジュールの変更(特に公共交通機関の利用の場合)も検討しなければならなくなります。
引越し業者から連絡があったら到着見込み時間を聞いておく
ある程度遅れた時点で引越し業者と連絡を取る
引越し業者やチームリーダーによりますが、たいていは、5分以上遅刻しそうになった時点で、チームリーダーかサブリーダーが携帯電話で連絡してくれます。
ただし、チームリーダーがトラックのドライバーを兼務している場合は、運転中に携帯電話が使えないため、連絡がない場合があります。
また、単に引越し業者のチームリーダーが連絡を取りたがらないために、連絡がない場合もあります。
いずれにしても、到着予定時間がある程度過ぎても引越し業者のチームが来ない場合は、支店・営業所に問い合わせてください。
また、引越し業者のチームリーダーや支店・営業所と連絡が取れた場合は、到着見込み時間を聞いておいてください。
あまりにも遅くなる場合は交通機関の予約の見直しを検討する
この際、あまりにも到着見込み時間が遅くなる場合は、荷物の搬出作業の後のスケジュールも、検討しなければなりません。
特に問題なのが、電車・新幹線の指定席や飛行機などの公共交通機関のチケットを予約している場合です。
この場合、引越し業者の遅刻によって、チケットの時間に間に合わなくなる可能性があります。
このため、到着見込み時間が大幅に遅れるようであれば、電車・新幹線や飛行機の予約の変更も検討するべきです。
引越し業者との値引き・補償交渉は難しい
単に引越し業者が「遅刻した」だけでは値引き・補償の対象外
引越し業者のチームの到着が、あまりにも遅くなるような場合は、値引き交渉や補償交渉を検討してください。
ただ、値引きや補償は、よっぽどひどい遅刻でもない限り、現実的にはかなり難しいです。
まず、値引きや補償は、直接財産上の損害が生じないと応じてもらえません。
しかも、その上限は運賃等の合計額の範囲内です(標準引越運送約款第第26条第2項第1号)。
第26条(損害賠償の額)
(第1項省略)
2 当店は、遅延により生じた損害については、次の各号の規定により賠償します。
(1)見積書に記載した受取日時に荷物の受取をしなかったとき 受取遅延により直接生じた財産上の損害を運賃等の合計額の範囲内で賠償します。
(第2号以下省略)
出典:国土交通省「標準引越運送約款」
引越し業者がお客さまに約束していることは、あくまで「荷物を運ぶこと」です。
特別な約束(いわゆる「特約」)をしていない限り、「時間どおりに運ぶ」ことまでは約束していません。
このため、単に「遅刻した」だけでは、値引き・補償の対象外となる可能性が高いです。
現実的な損害(というより費用)が発生している場合は補償対象
実際に補償対象となるような遅刻は、お客さまに実害(=実費)が発生している場合です。
例えば、あまりにも到着が遅くなったため、1日で引越しが終わらず、ホテルに1泊せざるを得なくなった場合などです。
この場合は、宿泊費や、事前に手配していた航空券のキャンセル料などが補償対象となる可能性があります。
もっとも、繁忙期などで、引越し業者がギリギリの態勢でトラックやスッタフを回している状況で、トラックの事故や故障でも起こらない限り、こうした事態は滅多にありません。
ほとんどの場合は「応援」による時間短縮で解決する
なお、遅刻があった場合、引越し業者によっては、応援のスタッフを増員することがあります。こうすることで、作業が早く終わります。
もっとも、これは、単にお客さまからのクレームを避けるためや、残業代をあまり払いたくないなど、引越し業者の都合によるものではあります。
ただ、理由はともかく、時間どおりに引越しを終わらせようとすること自体は、確かです。
こうした応援によって引越しが早く終るのであれば、お客さまにとっては、好都合です。
場合によってはお客さまの側から応援を要請する
引越し作業の遅れが想定される場合は、通常は、現場のチームリーダーの判断で、支店に応援の要請をするものです。
ただ、チームリーダーからの支店への応援要請が遅れる、または応援要請ができない場合もあります。
これには、次のような理由があります。
- 現場の対応でそこまで気が回らないから
- 「支店の担当者に怒られるかもしれない」と考えるから
- 単に「カッコ悪い」と思っているから
このため、あまりに引越しの作業が遅くなるようであれば、お客さまの側から、引越し業者の支店や営業所の担当者に連絡して、応援の要請をしてみてください。
まとめ
管理人の勤務先では、よく寝坊する先輩がいました。
その先輩は、寝坊するたびに、お客さまに対して、「実はトラックのタイヤがパンクしまして…」と言い訳をしていました。
そばで見ていて(このトラックは1年で何回パンクしてんだよ…)と思ったものです。
管理人の個人的な経験では、遅刻が原因でお客さまに迷惑がかかることは、滅多にありませんでした。
ただ、公共交通機関の予約については、本当に注意が必要だと思います。
ですから、長距離の引越しで、引越し元(旧居・積地)での積込み作業の後、その日のうちに引越し先に移動する場合は、特に余裕をもたせたスケジュールにしてください。
スケジュールに余裕を持たせるのは、遅刻に対する備えのためだけではありません。
引越し作業そのものも、想定以上に遅くなる可能性があります。
そういう意味でも、ギリギリのスケジュールにはせず、余裕をもたせたスケジュールにしてください。