引越し業者のチームリーダーは、作業現場における最高責任者です。
チームリーダは、チームの中でも、最も経験と能力があるスタッフが務めます。
通常は、現場の難易度や荷物の量に応じて、正社員、契約社員、ベテランのアルバイトのいずれかが務めます。
引越しが無事に終わるかどうかは、リーダーの能力にかかっています。
引越しはチームリーダー次第
引越し業者のスタッフは、主にリーダーの指示に従って動きます。というよりも、指示がないと動けません。
スタッフ独自の判断で動くこともないわけではありませんが、独自の判断ができるスタッフは、たいていは別の現場でチームリーダーを務めます。
このため、閑散期でもない限り、ほとんどのスタッフは、指示がないと動きません。
このような事情から、チームリーダーが的確にスタッフに指示を下すことができるかどうかによって、引越しが無事終わるかどうか、また、早く終わるかどうかが決まります。
特に、繁忙期では、チームリーダー以外のスタッフは、経験の浅いアルバイト・派遣社員であることがほとんどです。
このような「素人同然」のチームをチームリーダーが上手く使いこなせるかどうかが、無事引越しが終わるかどうかの重要なポイントとなります。
このように、チームリーダーは引越しの現場についてよく知っていて、逆に他のスタッフは何も知らない、という状況はよくある話です。
ですから、何かあった場合は、お客さまとしては、まずチームリーダーに聞くことになります。
逆にいえば、チームリーダー以外のスタッフに話を聞いても、要領を得ない回答があるか、場合によっては間違った反応がある可能性すらあります。
チームリーダーの主な役割はトラックでの作業
引越し業者のチームリーダーの役割は、主にトラックへの荷物の積み込みと荷降ろしです。
荷物の搬出作業では、続々と荷物がトラックに運ばれてくるため、トラックでの積み込みが早くないと、作業が滞ってしまいます。
また、しっかりと積み込みをしないと、荷物が崩れたり家具が倒れたりして、荷物が破損することがあります。
荷物の搬入作業では、全体の作業の流れに配慮しながら、どの荷物を降ろしていくかを考えなければなりません。
このように、トラックへの積み込みと荷降ろしの作業は、引越しの作業の中でも、最も面倒で経験と能力を必要とする仕事です。
このため、現場の最高責任者であり、チームの中でも最も経験と能力があるチームリーダーが務めます。
なお、引越し業者によっては、サブリーダーがトラックへの積み込みと荷降ろしの作業をするところがあります。
チームリーダーは、状況によっては、室内作業も担当します。
特に、サブリーダーがいないチーム(すでに述べたリーダー以外はアルバイト・派遣社員のような状態)では、トラックの作業と室内作業の両方を兼務することになります。
このような場合、チームリーダーがトラックの荷台で荷物の整理や積込みをしているときに、チームリーダーの指示が行き届かず、他のスタッフが手持ち無沙汰でマゴマゴしていることもあります。
お客さまとしては、手を動かしていないスタッフにイラッとするかもしれませんが、下手にスタッフ独自の判断で動くと、事故の原因となることもあります。
ですから、多少時間がかかるかもしれませんが、このような状態となった場合は、チームリーダーが室内作業に戻るまで、しばらく待つべきです。
作業はすべてできて当たり前
チームリーダーは、すべての引越しの作業ができます。逆にいうと、すべての仕事ができないスタッフは、リーダーをさせてもらえません。
引越し業者では、すべての仕事を覚えたと思われるスタッフだけをチームリーダーとして現場に配属します。
これは、現場で想定外の事態が起こっても、その現場のスタッフだけで解決できるようにするためです。
よくありがちな想定外の事態としては、、階段を通ると思われていた家具が階段を通らなかった場合です。
このような場合は、急遽、窓吊り作業(しかもロープ1本での窓吊り、いわゆる「手吊り」)をしなければならなくなります。
引越し業者は、このような緊急事態でも、手持ちの資材で無事に作業を終えなければなりません。
この際、チームリーダーは、窓吊りのための家具・ロープの準備から、実際の吊り上げ・吊り下げまで、すべてをこなせなければなりません。
このため、作業の知識・経験・体力のすべてを兼ね備えていないスタッフには、チームリーダーは務まりません。
一人暮らし・単身や11月~2月前半の引越しには注意
荷物の少ない引越しは、新米チームリーダーが担当することがります。
特に一人暮らし・単身の引越しは、荷物が少ないため、引越し業者では、いわば新米チームリーダーのデビュー戦として位置づけています。
それだけ段取りが悪かったり、場合によってはトラブルや事故が発生したりする可能性もあります。
なお、11月~2月前半くらいまでは、繁忙期ではなくても、チームリーダーの能力に気をつけてください。
というのも、この時期は、この後の繁忙期に備えて、現場で正社員や契約社員によるチームリーダーの育成がおこなわれることがあります。
このため、「見習いチームリーダー」がチームを取り仕切ることがあります。