「ウチには結構大きな婚礼家具があるんだけど、引越し業者って、あれを人力で運ぶんでしょ?キズとかつかないかなあ…」と心配になっていませんか?

こんにちは。婚礼家具三点セット(洋服ダンス・和ダンス・整理ダンス)を目にするたびに緊張していた、元引越し業者スタッフの管理人です。

引越しでは、家具・冷蔵庫に、キズ・ヘコみができる事故が、よく発生します。

こうした事故の原因はさまざまですが、外壁などの硬いものとの接触や、落下が主な原因です。

これらは、お客さまがいくら注意しても、どうにもなりません。

ですから、せめて、事故が起こってもスムーズに補償交渉ができるように、写真撮影などで準備しておく必要があります。

また、家具・冷蔵庫のキズ・凹みは、生活によっても発生します。

このため、事故が起こった場合は、すぐに対処しなければなりません。

事故があった家具・冷蔵庫をそのまま放置しておくと、その家具・冷蔵庫のキズ・ヘコみが、引越し作業によるものなのか、それとも引越し後の生活によるものなのかが、わからなくなるからです

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高級家具・婚礼家具・新品の家具・大型冷蔵庫は写真を撮っておく

フィルム式カメラ

補償を受けるには「引越し業者の作業による事故」を証明しなければならない

家具・冷蔵庫のキズ・ヘコみ・汚れは、以下の3つのどれかに該当します。

  1. 引越し作業の前からもともとあったもの
  2. 引越し業者の作業によってつけられたもの
  3. 引越し作業の後にお客さまの生活によってついたもの

当然ながら、補償対象となるのは、2.だけです。

引越し業者としては、2.であることがハッキリしていれば補償に応じますが、そうでない場合は、そう簡単に補償には応じてくれません。

引越し業者は「赤字」にしないために簡単には家具・冷蔵庫の事故の補償に応じない

というのも、家具・冷蔵庫の修理には、そこそこ費用がかかります。

特に、高級家具・婚礼家具・新品の家具・冷蔵庫の修理には、かなりの費用がかかってしまいます。

引越し業者が決めている引越しの料金・費用は、実は、かなり薄い利益しか出ていません。

ですから、家具や冷蔵庫の修理を補償してしまうと、ほとんどの場合は、その引越しは赤字になります。

だからこそ、引越し業者は、そう簡単には、家具や冷蔵庫の事故の補償をしたがりません。

引越し業者に「悪質なクレーマー」扱いされないようにする

また、お客さまの中には、悪質なクレーマーもいますので、引越し業差の補償担当者は、お客さまからのクレームには、かなり警戒します。

悪質なクレーマーとは、家具・冷蔵庫のキズ・ヘコみの原因が、引越し業者の作業ではない(前述の1.または2.)ことを知りつつ、クレームを入れる人です。

引越し業者の補償担当者は、補償の要求が、悪質なクレーマーによるクレームである可能性も考慮しながら対処しなければなりません。

さらには、家具・冷蔵庫のキズ・ヘコみの原因が引越し業者の作業だと「思い込んで」補償を求める、厄介なお客さまもいらっしゃいます。

引越し業者に「正当な被害者」であることを伝える

逆にいえば、引越し業者から、このような悪質なクレーマーと判断されないようにすることが重要です。

つまり、「悪質なクレーマーでない」=「本当に引越し作業で被害にあった正当なお客さま」であることを伝えなければなりません。

そういう意味でも、家具・冷蔵庫のキズ・ヘコみ「引越し業者の作業によって発生した」という明確な証拠が必要となります。

このような証拠がない限り、引越し業者は、家具・冷蔵庫の修理の補償には応じてくれません。

引越し前の家具・冷蔵庫の証拠写真が重要

そこでポイントとなるのが、証拠=「引越し前の」家具・冷蔵庫の写真です。この写真が、引越し業者との補償交渉のときに役に立ちます。

家具・冷蔵庫にキズ・ヘコみができてしまった場合、引越し前の「キズ・ヘコみがなかった」家具・冷蔵庫の写真があると、非常に強力な証拠になります。

つまり、引越し前にはなかったキズ・ヘコみが、引越しの作業によってできたことを、間接的に証明できるのです。

ですから、引越し当日を迎える前に、ぜひ「引越し前にはキズ・ヘコみがなかった家具・冷蔵庫」の写真を撮っておいてください。

証拠写真は必ず「フィルム式」のカメラで

この際、デジカメやスマホの写真では、加工が簡単なため、証拠としてはほとんど意味がありません。

それこそ、どんなキズ・ヘコみであっても、簡単に「キズ・ヘコみがなかった」ように修正できてしまいます。

ですから、面倒でもフィルム式のカメラで、家具・冷蔵庫の写真を撮ってください。カメラは、使い捨てカメラや、インスタントカメラで大丈夫です。

ただ、すべての家具・冷蔵庫の写真を撮ることは難しいでしょうから、なるべくキズ・ヘコみが気になる部分だけでも重点的に撮っておいてください。

例えば、家具・冷蔵庫の前面は、キズやヘコみがあると非常に気になりますので、撮影しておくことをオススメします。

一方で、家具・冷蔵庫の側面や背面は、さほど気にならないでしょうから、時間に余裕がある場合に撮影しておいてください。

参照:これで引越し業者との補償交渉もバッチリ!引越しの事故の対処7つポイント

引越し元(旧居・積地)から運び出すときに引越し業者と目視確認

指差し確認する主婦

引越し業者のスタッフと一緒に家具・冷蔵庫のキズ・ヘコみの有無を確認する

引越し業者は、大型の家具・冷蔵庫を運び出す前に、必ず専用の耐久資材か使い捨ての資材で、大型の家具・冷蔵庫を梱包します。。

このとき、大型の家具・冷蔵庫を梱包する前に、濡れ雑巾(ただし、桐ダンスはキレイな乾いた雑巾で)で軽く全体を拭いてください。

そのうえで、引越し業者のスタッフと大型の家具・冷蔵庫のキズ・ヘコみの有無を必ず確認しておいてください。

こうすることで、事故が発生した場合であっても、「梱包の前に確認したときは、この家具(冷蔵庫)には、キズ・ヘコみはありませんでしたよね?」といえます。

こうなると、引越し業者のスタッフは、言い逃れができなくなります。

大手引越し業者は逆に自ら壁の確認をする

一般的な大手引越し専門業者のスタッフ(特にチームリーダー)は、むしろ逆に、積極的にお客さまに、一緒に家具・冷蔵庫のキズ・ヘコみの確認するように求めます。

そして、家具・冷蔵庫の梱包の際、壁にキズ・ヘコみがあった場合は、ひとつひとつ、念を押しながら確認します。

これは、暗に「これは元々あったキズ・ヘコみ、我々の作業によるキズ・ヘコみじゃありませんからね」と伝えるためにしています。

ただ、これも引越し業者によって対応がバラバラです。ですから、お客さまご自身の方から、積極的に引越し業者のスタッフと確認するべきです。

キズ・ヘコみだけでなく角の塗装のハゲにも注意

家具のキズ・ヘコみの確認をするときは、併せて、家具の角の塗装がハゲていないかどうかを確認してください。

というのも、実は、梱包作業が原因で、家具の角の塗装がハゲることがあります。

具体的には、梱包材を上からかぶせるときに、家具の角に負担がかかってしまって、角から塗装や表面が、削り取られるようにはげることがあります。

特に古い家具や湿気がこもった部屋に置いていた家具(食器棚など)は、水分で塗装がはげやすくなっていますので、注意してください。

特に桐ダンス・桐箱の引越しには注意

濡れ手厳禁

汗・雨などの水分で桐ダンス・桐箱は簡単にシミができる

家具の中でも、特に桐ダンス・桐箱は非常にキズや汚れがつきやすい家具です。例えば、ちょっとした水がついただけでも、シミになることがあります。

もちろん、引越し業者のスタッフが、汗がついた手で直に持つと、すぐにシミがついてしまいます。

そして、こういった水分による汚れを取るには、専門業者にそれなりの料金を支払う必要があります。

ですから、引越し業者による桐ダンス・桐箱の取扱いには特に注意してください。

桐ダンス・桐箱は新品の手袋で新品の使い捨て資材で梱包する

通常、引越し業者のスタッフは、新品の手袋を使って桐ダンス・桐箱を扱います。

しかも、そのまま運ぶのではなく、新品の使い捨ての消費資材(巻きダンボールと板ダンボール)で梱包して運びます。

こうすることで、直接桐ダンス・桐箱を触ることはありませんので、手から汚れが移ることはありません。

また、汗や雨や雪などの、水分によるシミを防ぐことができます。

桐ダンス・桐箱を何も梱包していない場合は特に事故に注意

逆にいえば、この方法以外の方法で桐ダンス・桐箱を梱包している場合は、経費削減のため、梱包を簡易化しているということです。

また、そもそも梱包しないで桐ダンス・桐箱を運ぶこともあるかもしれません。

これでは、当然ながら、桐ダンス・桐箱にキズや汚れがつくリスクが高くなります。

なお、夏の引越しでは、梱包作業の途中で、桐ダンス・桐箱に汗がついてしまう可能性があります。

ですから、汗ばむような気温の日の引越しでは、特に、桐ダンス・桐箱の汚れに注意してください。

参照:非常に汚れやすいので取扱い注意―引越しでの桐ダンス(桐箪笥)・桐箱の準備・注意点

家具・冷蔵庫のキズ・ヘコみはその時その場で引越し業者と補償交渉に入る

スマホを持つ困った主婦

引越し前後のキズ・ヘコみ・汚れと見分けがつかない

引越しの作業中または作業終了後に家具・冷蔵庫のキズ・ヘコみを発見した場合は、との時その場で引越し業者に確認して、すぐに補償交渉を始めてください。

最初に触れたとおり、家具・冷蔵庫のキズ・ヘコみは、以下の3つのどれかに該当します。

  1. 引越し作業の前から元々あったもの
  2. 引越し業者の作業によってつけられたもの
  3. 引越しが終わった後にお客さまの生活によってついたもの

その時・その場で補償交渉をしないと、引越しの作業でできた家具・冷蔵庫のキズ・ヘコみ(=上記の2.)と3.と区別がつかなくなります。

引越し業者の補償担当者は基本的に「疑ってかかる」

引越し業者の補償担当者としてみれば、壁のキズ・ヘコみ・汚れは、1.か3.のいずれかではないか、と考えます。

つまり、(元からあったじゃないか?)とか、(引越しが終わった後のお客さまの生活でできたんじゃないか?)と疑います。

ましてや、引越し作業が終わった後で、引越し業者に連絡したのであれば、なおさらです。

時間が経てば経つほど、引越し業者の補償担当者は3.の可能性を疑いますので、お客さまが不利になります。

ですから、なるべく引越し作業が終わったら、家具・冷蔵庫の表面をよく確認してください。

確認の結果、家具・冷蔵庫にキズ・ヘコみがあった場合は、すぐに引越し業者に連絡して補償交渉を始めてください。

その時その場で引越し業者の作業による家具・冷蔵庫のキズ・ヘコみであることを認めさせる

この際、事故が発生したその時その場で、すべての補償交渉をまとめ上げることは必要ありません。

ポイントは、家具・冷蔵庫のキズ・ヘコみが「引越し業者の作業によるもの」=引越し業者の過失であることを認めさせることです。

補償の内容や、(金銭補償である場合は)金額など、詳細については後日の交渉でもかまいません。

引越し業者が過失を認めない場合は、引越しの料金・費用の支払いを留保・拒否したり、書類へのサインを拒否したりするのも、ひとつの交渉手段です。

引越し業者の書類には安易にサインしない

特に、引越し業者が提出を求める書類には、「事故はありませんでした」という趣旨の記載が、必ずあります。

これにサインしてしまうと、補償交渉の際に、家具・冷蔵庫のキズ・ヘコみなどの「事故がなかった」証拠となってしまい、非常に不利になります。

ですから、少なくとも補償交渉がまとまらないうちは、こうした書類へのサインは拒否するべきです。

最低限、家具・冷蔵庫の事故について、補償交渉中であることを明記したうえで、サインしてください。

また、これらの書類は引越し業者が回収してしまいますので、コピーや写真を手元に残しておくことを忘れないでください。

参照:作業開始の書類へのサインは慎重に―引越し元(旧居・積地)での作業開始の注意点

参照:書類へのサインは必ず「無事故を確認して」―引越し先(新居・卸地)での作業終了の注意点

【Q&A式】まとめ

いかがでしたか?最後にもう一度、家具・冷蔵庫のキズ・ヘコみへの対策と注意点について確認しておきましょう。

家具・冷蔵庫のキズやヘコみなどの事故への対策のポイントは? 引越し業者の補償担当者に、お客さまが「引越し作業の事故の正当な被害者」だということを伝えるのがポイントです。
私が「正当な被害者」であることを伝える方法は? 引越し前の家具・冷蔵庫の「キズがなかった状態」を写真で撮影しておいて、その写真を証拠として提示することです。

このとき、カメラは、スマホやデジカメでなく、フィルム式のカメラ(使い捨てカメラやインスタントカメラ)を使って撮影してください。

家具・冷蔵庫の撮影はどうしてフィルム式のカメラでするの?スマホやデジカメだとダメなの? スマホやデジカメの写真も、ないよりはマシですが、あまり意味はありません。

スマホやデジカメの写真は、加工や修正ができます。キズを消す加工や終始絵をしてしまえば、「キズがなかった状態」の写真が、簡単にできてしまいます。

ですから、補償交渉のときの証拠としては、強力な証拠にはなりません。

引越し当日の作業では、家具・冷蔵庫の事故の対策をどうしたらいいの? 家具・冷蔵庫の梱包のときに、家具・冷蔵庫を雑巾で軽く拭いたあとで、引越し業者のスタッフと、キズ・ヘコみの有無の確認をしてください。

こうすることで、万が一、引越しの作業で事故があったとしても、引越し業者のスタッフは、「元からあったキズ・ヘコみです!」と言い逃れができなくなります。

特に事故が起こりやすい、気をつけるべき家具は? 桐ダンス・桐箱は、水分がつくと、すぐにシミになってしまいますので、特に注意が必要です。

丁寧なサービスをする引越し業者であれば、新品の手袋で、新品の使い捨ての資材で厳重に梱包してくれますが、そうでない場合は、特に汗や雨・雪による汚れに注意してください。

また、夏の引越しでは、引越し業者のスタッフの汗に注意してください。

実際に家具・冷蔵庫にキズ・ヘコみを見つけたらどうしたらいいの? 家具・冷蔵庫に引越し作業でできたキズ・ヘコみを見つけた場合、引越し作業を中断してもらって、すぐにその時その場で補償交渉に入ってください。

そこで補償交渉をまとめる必要はありませんが、引越し業者に「引越し作業で家具・冷蔵庫にキズ・ヘコみができた」ことを認めさせてください。補償の内容や、金銭賠償の場合の金額などは、後で決めてもかまいません。

「引越し作業で家具・冷蔵庫にキズ・ヘコみができた」ことを認めようとしない場合は、書類へのサインは、しないようにしてください。

家具・冷蔵庫のキズは、よほど細かいキズ・ヘコみや、側面や背中のキズ・ヘコみでもない限り、気になるものです。

逆にいえば、家具・冷蔵庫の前面をサッと確認するだけでも、すぐにキズ・ヘコみの有無を確認できます。

普段頻繁に使っている家具・冷蔵庫だからこそ、キズ・ヘコみがあった場合は、意外と簡単に気がつきます。

ですから、なるべく引越し業者のスタッフが現場にいるうちに、パパっと家具・冷蔵庫のキズ・ヘコみを確認してください

なお、最近の引越し業者は、インターネットでの口コミや評判を非常に気にしているのか、管理人の印象では、かつてより補償交渉に応じやすくなっている気がします。

特に、大手の引越し業者は、ブランドイメージを悪くしないように、補償交渉には、柔軟に応じてくれます(ただし、必ずしもお客さまが満足できる交渉結果になるとは限りません)。

ですから、本文で触れたような対策、特にフィルム式のカメラの写真があると、かなり有利な交渉ができるでしょう。

このように、引越しの料金・費用が割高かもしれませんが、その分、大手の引越し業者は、補償に応じてくれやすい、というメリットもあります。

ですから、事故が気になる場合は、大手の引越し業者を利用してみてください。

もちろん、無料一括見積もりサービスで、複数の大手引越し業者から相見積もりを取り、少しでお安く引越しをしてください。