桐ダンス(総桐タンス)や桐箱は、文字どおり、桐製のタンスや箱などの荷物です。

桐は、非常に汚れやすいため、桐ダンスや桐箱は、他の家財とはことなる、極めて慎重な対応をしなければなりません。

このため、基本的には、お客さまご自身では対応せす、プロである引越し業者にまかせてください。

なお、中身については、取り出して梱包してください。桐ダンスは中身入りでは運べません。

引越し業者にすべてまかせる

桐ダンスや桐箱は、湿気に強い反面、非常に汚れやすい家財です。また、桐製品は、汚れの除去や修理の費用が非常に高額です。

このため、桐製品の取扱いに慣れていないお客さまが安易に触ることは、おすすめできません。中身の着物・和服を梱包したうえで、そのままにしておいて、すべて引越し業者にまかせてください。

なお、大手の引越し業者は、桐ダンスや桐箱をしょっちゅう扱っていますので、あまり汚れがつくなどの事故は発生しません。

ただ、中小の引越し業者、引越し専門でない運送業者(下請け業者)、経験の浅いアルバイト、派遣社員などは、桐ダンスや桐箱の扱いに慣れていません。

「桐製品が汚れやすい」という認識すらないことがあります。

このため、チーム内に占めるアルバイト、派遣社員、下請け業者の割合が多くなる繁忙期には、特に事故の発生に気をつけてください。

桐ダンスを触る場合は木綿の手袋を使って汚れに細心の注意を

桐ダンスや桐箱の扱いの際には、汚れに細心の注意を払ってください。

基本的には、引越し業者にまかせるものですが、どうしてもお客さまご自身で触らなければならない場合は、なるべく木綿の手袋をはめてください。

こうすることで、手の汚れや水分(汗)による汚れ・シミがつきにくくなります。

なお、これは、引越し業者のスタッフにもいえることです。

大手の引越し業者は、荷物として桐ダンスがある場合、新品の木綿の手袋を持参して対応します。このような場合は、あまり心配ありません。

ただ、中小の引越し業者の場合は、このような対応をしていないことがあります。

また、大手の引越し業者でも、チームリーダーが手袋を持参するのを面倒くさがることもあります。

このため、たとえ大手であっても、現場での引越し業者の対応にも気をつけてください。

夏の汗・雨で汚れないようにする

桐は湿気に強い木材ですが、水がついてしまうと、シミになってしまいます。

実は、桐ダンス・桐箱の事故でもかなり多いのが、水分によるシミです。

特に、夏の引越しの場合の汗や、雨や雪の日の引越しの雨・雪・水滴は、桐ダンス・桐箱のシミの原因となりやすいです。

このため、荷物に桐ダンスがある場合は、暑いうえに雨が降りやすい梅雨の時期の引越しは、おすすめできません(本当は梅雨の時期は比較的料金が安いですが…)。

また、荷物に桐ダンスがある場合は、見積もりの段階で、営業員に細心の取り扱いをしてもらうようにしてください。

例えば、汗の対策として、スタッフにハンドタオルを持参してもらうように伝える、桐ダンスの梱包は新品の使い捨て資材(防水効果のある気泡緩衝材(エアーキャップ)など)でやってもらう、などを伝えるといいでしょう。

これらの対策は、大手の引越し業者では当たり前のことですが、引越し業者の規模にかかわらず、念のため伝えておいてください。

桐ダンスの梱包は耐久資材ではなく新品の使い捨て資材で

多くの引越し業者は、桐ダンスや桐箱は、汚れないように、新品の使い捨て資材で梱包します。

これは、中古の資材や繰り返し使う資材を使った場合は、資材の汚れが桐ダンスや桐箱に移ることがあるからです。

通常、近距離の引越しでは使い捨ての資材では家具を梱包しませんが、荷物に桐ダンスや桐箱がある場合は話が別で、わざわざ桐ダンス用の使い捨て梱包資材を用意します。

たいていの場合は、汗や雨の汚れを防ぐために気泡緩衝材(エアーキャップ)で梱包したうえで、さらに板ダンボールや巻ダンボールで梱包します。

ただ、これだけの梱包をするわけですから、資材のぶんのコストはかかってしまいます(特に桐ダンス)。

このため、荷物に桐ダンスや桐箱がある場合は、若干料金が高めになることを覚悟してください。

また、中小の引越し業者では、コスト削減のために、このような厳重な梱包をしないことがあります。

このため、汚れやシミなどの事故の発生する危険性があります。