「洗濯機って、水回りの家電製品だから、なにげに取扱いが難しそうよね。準備とか、引越ししたあとの取付けとか、どうしたらいいの?」と不安に思っていませんか?

こんにちは。普通に洗濯機の取付けをしていましたが、今思えばなんで危ないことをしてたんだ、背筋が寒くなる、元引越し業者スタッフの管理人です。

洗濯機は、特に事前の準備の必要はありません。ただし、必ず洗濯物を出して、水分を抜いておいてください。

中に洗濯物が入っていると、(特に乾いていない場合)洗濯機が非常に重くなり、事故や故障の原因となります。

洗濯機は、事故率の発生は低いものの、深刻な事故になりかねない、リスクが高い家電製品です。

具体的には、取付けに問題があった場合、水道・取水口から水が漏れて、床が水浸しになります。

自宅だけでも、新築なら相当の被害になりますが、これがマンションなどの集合住宅の2階より上の場合は、下の階にまで被害が及ぶこともあります。

最悪の場合、下の階の住人の持ち物の賠償から、天井や床の工事費まで負担することになります。

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洗濯機は空にしておく

洗濯をする主婦

洗濯は前日までに済ませておく

洋服の洗濯は、必ず引越しの日の前日までに済ませてください。

そのうえで、洗濯機の中には何も入れずに、空にしておいてください。

なお、洋服の梱包を省くために、洗濯機に洗濯物を入れておくお客さまがいらっしゃいますが、これは、洗濯機の故障の原因となります。

というのも、このような状態では、洗濯機が重くなり、トラックでの移動中に、振動が大きくなります。

このような異常な振動は、洗濯機の故障の原因となります。

特に、ドラム式の洗濯機は、振動による故障が起こりやすいため、注意してください。

作動確認を兼ねて水抜き(脱水)する

また、引越し当日に、なるべく一度は、作動確認も兼ねて脱水し、洗濯機の中から水を抜いておいてください。

洗濯機の取扱いになれているベテランのスタッフの場合は、中に水があってもちゃんと抜いてくれます。

ただ、経験の浅いスタッフが、そのままの状態で運ぶことがあります。

中に水が入った状態で運ぶと、洗濯機が重くなるため、振動による故障の原因となります。

参照:これで引越し業者との補償交渉もバッチリ!引越しの事故の対処7つポイント

取外し・取付けは引越し業者にまかせる

洗濯機は、水道の蛇口に給水ホースを連結させた状態で使われます。

引越しのときは、わざわざ給水ホースや、水栓についている部品をはずす必要はありません。

給水ホースのはずし方そのものは特に難しくはないですが、はずした部品がなくなったりすることもあります。

ですから、洗濯機の取外しは、引越し当日に、引越し業者のスタッフにまかせてください。

また、取付けについては、「水漏れ」という非常に大きなリスクがありますので、あとで説明するとおり、引越し業者の指示に従ってください。

引越し先(新居・卸地)の洗濯機置場によっては置けないことも

洗濯機と洗濯機置場のサイズは必ず確認しておく

洗濯機と洗濯機置場は、たいていサイズが決まっています。

このため、滅多なことでは、洗濯機を洗濯機置場に置くことができない、ということはありません。

ただし、最近のドラム式の洗濯機や乾燥機つきの洗濯機は、それまでの洗濯機に比べて、サイズが一回り大きくできています。

ですから、全自動式のタイプや二層式のタイプを想定した洗濯機置場には、入らないことがあります。

このため、引越し先(新居・卸地)の洗濯機置場は、よく確認しておいてください。

場合によっては、洗濯機置場そのものを取り替える工事などが必要なこともあります。

サイズだけでなく洗濯機置場の蛇口の場所も確認する

洗濯機置場のスペースそのものは問題なくても、蛇口の取り付け方によっては、洗濯機が入らない場合もあります。

通常、蛇口は洗濯機の高さよりも上に出ていますので、蛇口の下を洗濯機を通せば問題なく洗濯機置場に入ります。

ところが、洗濯機置場の手前の低いところに蛇口が出ていると、蛇口が邪魔になって、洗濯機が入りません。

このような特殊な物件は、単身用のマンションでしか見かけたことがありませんが、実際に存在します。

管理人も数回しか経験がありませんが、こうした状態だと、蛇口の「上」から洗濯機を入れることになり、とても大変です。

【問題点】部屋や下の階が水浸しになる

天井からの水漏れ

【問題点1】外出時に水道や取水口から水が漏れることもある

洗濯機を取り付ける水栓は3種類

洗濯機の取付け方法は、水道の水栓の種類によって、つぎの3タイプに分かれます。

万能ホーム水栓 何もついていない水栓。築年数が経った物件や、賃貸マンションやアパートによくあるタイプ。ゴムのパッキンと上下左右の4つのネジでできた部品(「ニップル」といいます)を取付けて、水道と給水ホースの取水口連結する。
洗濯機用ワンタッチ水栓 あらかじめ洗濯機の給水ホースと連結できる部品がついている水栓。
洗濯機用緊急ストッパー付ワンタッチ水栓 あらかじめ洗濯機の給水ホースと連結できる、緊急ストッパー(止水弁)付きの部品がついている水栓。新築・築浅マンションに多い。

3.はストッパーがついていますので、事故のリスクはほぼありません。問題は、1.と2.です

特にネジで連結するタイプに注意

1.と2.は、ストッパーがついていませんので、水漏れ事故のリスクがあります。

特に、1.の上下左右ネジの締め方がポイントで、しっかり締められていれば、常時水道を開けていても、水が漏れません。

ところが、このネジの締め方がいい加減だったり、上下左右のネジの締め方のバランスが悪かったりすると、ジョイント部分がはずれてしまいます。

このときに、水道を開けていた場合は、当然、水が溢れ出てしまいます。水の出方が悪いと、床が水浸しになります。

また、2.も、よほどのことがない限り、そう簡単にははずれませんが、経年劣化で部品が外れやすくなっていると、はずれてしまいます。

【問題点2】外出中や旅行中は下の階に莫大な損害を与えることも

水漏れがあった場合、誰かがそばにいる場合は、気がついて蛇口を締めることができます。

ところが、誰もが外出中だった場合は、そのまま垂れ流しになってしまいます。

これが旅行中のように、長期で自宅を空けている場合は、水浸しどころか、床の下まで漏れてします。

しかも、自宅がマンションの2階より上だった場合は、下の階まで水浸しになってしまいます。

こうなると、下の階のあらゆる家具や家電製品に被害が及び、莫大な損害となります。

場合によっては、床や天井の張替えが必要になり、その工事費を負担しなければなりません。

【問題点3】「自分で取付けれる」が「誰も責任を取ってくれない」

4つネジタイプの部品(ニップル)は、慣れれば、お客さまご自身でも水栓に取付けることはできます。

ただ、慣れていないお客さまだと、水漏れを警戒してか、ついつい、ネジを締めすぎてしまいます。

これでは、水栓にネジが食い込んで変形してしまい、かえって水漏れの原因となる可能性があります。

お客さまご自身で取付けをして、水漏れの事故が発生した場合は、当然、お客さまご自身で責任を取らないといけません。

仮に、マンションの下の階まで水浸しになると、とんでもない額の損害賠償金が発生する可能性もあります。

【対策】水道はつかうときだけ・取付けは引越し業者に

水道工事業者

【対策1】洗濯機は使うときだけ水道を開ける

水漏れの事故は、ストッパー付きの水栓であれば、特に気にする必要はりません。

ただ、ストッパー付きでない水栓、特に4つネジの部品(ニップル)で連結するタイプであれば、引越しのあと、しばらくは注意が必要です。

特に、アパート・マンションなどの集合住宅の場合は、給水ホースが外れた場合は、下の階にまで被害が出るため、リスクが非常に大きいです。

おそらく、アパート・マンションでの水道の水漏れ事故は、引越しに関係する事故では、最も大きな損害が発生する事故です。

このため、特に外出の際や旅行の際は、洗濯機の水道の蛇口を閉めるようにしてください。

【対策2】リスクが大きい洗濯機の取付け作業は引越し業者・工事業者にまかせる

引越し業者によっては、引越し先(新居・卸地)で、洗濯機の給水ホースを水栓に取付けてくれる場合があります。

ただし、有料のオプションか無料かは引越し業者次第です。

ですから、見積もりの際に、引越し業者の営業員に、必ず洗濯機の取付けについて確認してください。

ただ、失敗した際のリスク(特に不在時の水漏れ)が大きいため、なるべく引越し業者か専門業者(水道工事業者)に頼んでください。

不安な場合は、単に洗濯機の取付けを依頼するだけでなく、水栓をストッパー付きのものに交換してもいいでしょう。

まとめ

いかがでしょうか。最後にもう一度、洗濯機の準備、問題点と対策について確認しておきましょう。

  • 洗濯機の中には洗濯物は入れずに空にして、できれば脱水して水抜きする。
  • 取外しは引越し業者のスタッフにまかせる
  • 洗濯機と洗濯機置場のサイズによっては、洗濯機が洗濯機置場に入らないこともある。
  • 洗濯機の取付け方に問題があると、ストッパー付きでない水栓から水漏れ事故がある。
  • 水漏れ事故は、自宅の床が水浸しになったり、持ち物に被害が出たりする。
  • 自宅がマンション・アパートの2階以上だった場合は、下の階の住人の持ち物や建物まで被害が及び
  • 引越し後、しばらくは、外出時は洗濯機とつながっている水道の蛇口はしめておくべき。
  • 洗濯機の取付けは、引越し業者か引越し業者が手配する専門の工事業者にまかせる。
  • 引越し先(新居・卸地)の水栓がストッパー付きでない場合は、専門業者に、ストッパー付きの水栓に取り替えてもらう。

管理人も、実は何度も4つネジの部品(ニップル)を水栓に取付けています。幸い、管理人が取付けた洗濯機では、事故はありませんでした。

また、管理人もずいぶん長い間、引越しに関わってきましたが、さすがに水漏れの事故は、数回しか聞いたことがありません。ただ、その数回が強烈に印象に残っています。

「床が水浸しになった」、とか「床と1階下の天井(の壁紙)を張替えた」とか、引越しの事故とは比較にならないくらいの、大きな損害が出ていたと思います。

これほど大きな損害が出るということは、少なくも、4つネジの部品(ニップル)は、お客さまご自身でつけるべきではありません。

万が一、水漏れの事故が発生した場合は、お客さまご自身が、すべて責任を取らなければならなくなります。

これが、引越し業者や引越し業者が手配した専門の水道工事業者のミス(ないでしょうが)であれば、責任を追求して、補償を受けられます。

ちょっとした事故ならともかく、建物にまで被害が出るというのは、さすがにリスクが高すぎます。

ですから、洗濯機は自分で取付けず、ぜひ引越し業者にすべてまかせてください。