ほとんどの家電製品は、引越しの準備では、特に何もする必要はありません。
ただし、これは業者によって対応がマチマチですから、引越し業者から指示があった場合はそれに従います。
良かれと思って何かしても、引越し業者としては、余計な手間になることもあります。
なお、冷蔵庫や洗濯機などについては、引越し業者から事前に指示がありますので、これに従います。
引越し業者によって対応はさまざま
家電製品の準備については、引越し業者によって、対応がさまざまです。
無料で取り外し・取り付けをおこなってくれる引越し業者もあれば、すべてお客さまがやらなければならない引越し業者もあります。
この点は、よく引越し業者の営業員に確認しておいてください。
特に梱包については、お客さまと引越し業者のどちらがやるのかを確認しておいてください。家電製品は衝撃に弱く、非常に故障しやすいものです。
この点、お客さまが梱包した場合に故障が発生したときは、お客さまの「故意又は過失」として、補償の対象外となります(標準引越運送約款第23条第8号)。
標準引越運送約款第23条(免責)
当店は、次の事由による荷物の滅失、き損又は遅延の損害については、損害賠償の責任を負いません。
(途中(1)~(7)省略)
(8)荷送人又は荷受人等の故意又は過失
出典:国土交通省「標準引越運送約款」
このため、よかれと思って梱包した家電製品が引越しによって故障した場合は、補償の対象外となる可能性があります。
家電製品の準備では余計なことはしない
家電製品の準備は、引越し業者の営業員から指示があったものを除いて、余計なことはしないようにしてください。
良かれと思ってやったことも、引越し業者のスタッフにとっては、ありがた迷惑となる可能性があります。二度手間や無駄な作業を増やさないためにも、そもままにしておいてください。
特にありがちなものは、電子レンジなどの準備です。
電子レンジ・オーブンレンジ・スチームオーブンレンジなどは、中の皿を気泡緩衝材(エアーキャップ)で厳重に梱包します。
そうしないと、運搬中にガラスの扉を突き破って出てくることがあります。
このような準備が必要であるにもかかわらず、お客さまによって適切な処置がされずにクラフトテープなどで扉を固定されると、処置に無駄な時間がかかってしまいます。
家電製品の配線は事前に引越し業者に確認
家電製品のうちでも、テレビ・ビデオ・DVDレコーダーなどのAV機器やパソコンなどの配線については、必ず事前に引越し業者の営業員に対応を確認しておいてください。
当日になって確認しても、担当のスタッフが対応できない場合があります。また、場合によっては、専門業者による対応が必要な場合もあります。
このような家電製品の配線については、かつては、引越し業者のスタッフが無料で対応していた時期がありました。
現在でも、一部の引越し業者は無料で対応している場合があるようですが、たいていの引越し業者は、お客さまにやっていただくことが多いようです。
というのも、最近の家電製品の発達によって、専門知識がない引越し業者のスタッフでは、対応しきれないことが多いからです。
パソコンのデータのバックアップを忘れない
引越し作業中にパソコンが壊れた場合、パソコン本体は補償の対象となります。ところが、中身のデータについては、補償の対象外です。
これは、破損したデータがどのようなデータなのかが証明しようがないため、補償金額の算定ができないからです。
ですから、必ず外付けハードディスクなどのストレージに記録してバックアップを取っておいてください。
なお、バックアップを取ったストレージについては、お客さまご自身で運んでください。
データの記憶方式にもよりますが、一般的に、パソコンのデータを記録しておくストレージのデータは、非常に損傷しやすく、本来、引越し用のトラックのような衝撃が強い乗り物で運ぶべきものではありません。
同じ理由で、ノートパソコン、ネットブック、タブレット型パソコンなどもお客さまご自身で運ぶべきです。