「契約社員ってことは、正社員じゃないってこと?大丈夫かな…?」と、引越し業者の契約社員に不安を覚えたこと、ありませんか?
こんにちは。経験が浅い頃は、契約社員の先輩の「指導」に怯えながら毎日作業をしていた、元引越し業者スタッフの管理人です。
引越し業者によって、スタッフの雇用形態はさまざまで、契約社員を採用していない会社もあります。
このサイトでは、直接雇用をされている無期雇用でない(=有期労働契約・更新制)月給制・常勤のスタッフのことを「契約社員」といいます。
契約社員は、常勤のスタッフですので、正社員に次いで経験豊富で能力が高いスタッフです。
なんとなく、「契約社員」という響きで不安になるかもしれませんが、契約社員の引越し作業は、安心できます。
引越し業者の契約社員は正社員に次ぐ高い能力のスタッフ
「常勤」の能力が高く経験豊富なスタッフ
引越し業者の契約社員は、すべての引越しの作業ができる社員です。
通常は、一定期間のアルバイトでの勤務を続けることで、契約社員になることができます(経験者の中途採用の場合もあります)。
いずれにしても、契約社員には、スタッフとしての能力が正社員と同等以上でないとなれません。
ですから、引越し作業の能力は、アルバイトや派遣社員とちがって、安心できます。
また、常用雇用ではありませんが、一定期間アルバイトとしての経験あり、また、一部の閑散期を除いて常に作業をしていますので、引越しの経験も豊富です。
このため、引越し業者のスタッフとしては、安心・信頼できるスタッフであるといえます。
チームリーダーとしても経験豊富
また、契約社員は、チームリーダーとして、他のスタッフの指揮にも慣れています。
契約社員は、正社員と同じように、すべての作業の行程を熟知していて、スタッフとしての経験も豊富ですので、作業全体についての指揮命令ができます。
このため、他のスタッフに対して、正社員と同じか、それに準じるくらい的確に指示を出すことができます。
ただし、正社員とはちがって、労務管理について会社から指導をうけないこともあります(この点は引越し業者にもよるでしょう)。
ですから、後述のとおり、労務管理については、問題がある場合もあります。
トラックのドライバーとしても経験豊富
契約社員は、一定期間、アルバイトとして勤務して経験を積んで採用されます。
この経験には、小型のトラック(主に1.5トントラック)の運転も含まれます。
契約社員として採用後は、2トン以上のトラックの運転もします。
ですから、トラックのドライバーとしての経験も豊富です。
ドライバーとしての経験が豊富な場合、ドライバーとしての作業のレベルが高いのは当然です。
これに加えて、室内作業を担当する場合も、トラックの荷台の状況やドライバーの動きを推測しながら、荷物の搬出作業ができます。
結果として、契約社員が室内作業を担当した場合は、サービスの質も高くなります。
契約社員はすべての引越しで活躍
幅広い引越しの現場で活躍する契約社員
契約社員は、正社員に次いで能力が高いため、正社員の次に困難な現場を担当します。
役割としては、ほとんどの場合はチームリーダーまたはサブリーターとして担当し、かつ、トラックのドライバーを兼務します。。
また、月給制ではあるものの、一般的に正社員よりは人件費が安いため、引越し業者としては、顧客単価が多少低いお客さまの現場も担当させます。
このため、5人以上の大家族の引越しから、2人の世帯の引越しまで、たいていの引越しの現場を担当します。
単価が安い独身・一人暮らしの引越しは担当しない
ただし、引越し業者にとって利益が少ない一人暮らし・単身の現場はあまり担当しません。
このような現場は、たいていは人件費が安く、かつ1.5トントラックの運転ができるアルバイトのチームリーダが担当します。
このため、一人暮らし・単身の場合に、どうしても契約社員による作業を希望する場合は、閑散期(1月、2月前半、6月、10月、11月)の平日を狙ってください。
この時期であれば、普段では担当することのない、契約社員が、一人暮らし・単身の引越しを担当してくれる場合があります。
引越し業者の契約社員は正社員に比べると職業倫理に劣ることも
「正社員でない」のには理由がある
引越し業者によって、雇用形態や給与体系に違いがあるでしょうが、少なくとも管理人の勤務先では、契約社員よりは正社員のほうが、ある程度優遇はされていました。
ですので、契約社員よりは、正社員として採用されることを望む人が多いです。
そういった状態であるにもかかわらず、正社員になれない契約社員には、少数ながら、「問題があるから」という理由の人もいます。
たとえば、会社への帰属意識や忠誠心が低く、結果として、お客さまのイメージを悪くするような契約社員などです。
極端な場合は、勤労意欲が乏しく、事故に至らないまでも、作業が雑になる契約社員もいます。
また、まれに態度が横柄であったり、マナーが悪い契約社員もいます。
つまり、少数ながら、最低限の作業しかせず、事故が発生したり、クレームが来るレベルではないにせよ、質が低いサービスを提供する契約社員も、なかにはいるというこです。
こうした、ちょっと扱いづらい契約社員であっても、毎日の引越しをこなすためにはクビにできない、というのが、引越し業界の人手不足の実情です。
基本的には「引越し作業」だけが契約社員の職務
もちろん、すべての契約社員に問題があるわけではありません。
たとえば、契約社員は、正社員と違って、基本的には現場での作業しか職務とされていません(これはあくまで管理人の勤務先での話です)。
ですから、社内の会議や研修などには参加することはありません。
そいういった、会議や研修への参加が煩わしいからこそ、正社員以上の実力や経験があっても、あえて契約社員でいる人もいます。
もっとも、そういった会議や研修に参加しないこといより、次項にあるとおり、労務管理がいい加減になることもあります。
これが、契約社員のデメリット・欠点ともいえます。
契約社員と同じチームに配属された別のスタッフに注意
労務管理の指導・研修を受けていないことも…
すでに述べたように、契約社員は、基本的には会議や研修には参加しません。
このため、契約社員は、正社員と違って、労務管理について厳しい指導を受けていないこともあります。
ただでさえブラック企業(というかブラック業界)の代名詞ともいえる引越し業界です。
それにもかかわらず、労務管理の指導を受けていない契約社員は、スタッフに対して、不適切な指揮命令をすることがあります。
この場合、契約社員と同じチームに配属されたスタッフ(特にアルバイトや派遣社員)から、パワハラやモラハラを受けることがあります。
「パワハラやモラハラ」というより、実態は「暴力や暴言」です。
こうした契約社員によるスタッフに対する暴力や暴言は、間接的な事故の原因となります。
スタッフへの無理な作業の押付けが事故を招く
特にありがちなのが、契約社員がアルバイトや派遣社員のスタッフに対して、明らかに無理な作業を強要することです。
たとえば、引越しが初めてのアルバイトに、本がみっちり詰まったダンボールを2個重ねて持たせて階段を走らせる、ということを平気でやります。
引越しの作業ができる・できないは、体力と経験によって決まります。
「頑張ればなんとかなる」とか「気合・根性でなんとかなる」というものではありません。
その日のうちにできない作業は、どう頑張ってもその日のうちにできるものではありません。
体力がつき、経験を重ねるまで、待たなければならないのです。
ましてや、(意図的にサボっている場合は別ですが)怒ったところで、どうにかなるものでもありません。
「できない作業をさせない」のが優れたチームリーダーであり、「できない作業を根性でさせる」のは最悪のチームリーダーです。
契約社員の中には、平気で「できない作業を根性でさせる」者もいます。
このため、こうした「できない作業の強要」により、重大な事故のつながる危険性があります。
余談:管理人も契約社員の言動によって事故を起こしました
管理人も経験がありますが、契約社員のなかには、早く引越しを終わらせたいためか、荷物を運ぶ際に、さんざん後ろから煽る者がいます。
通常、その引越しの現場では、契約社員が一番作業が早いため、他のスタッフは、その動きについていけません。
その結果、つまずいて転倒したり、荷物を壁に接触させてしまうことがあります。
管理人は、先頭で後ろ向きで冷蔵庫を持っている状態のときに、後ろで前向きに冷蔵庫を持っている契約社員の先輩に煽られたことがあります。
その結果、冷蔵庫をドアノブに当ててしまい、冷蔵庫の前面が大きく凹んでしまいました。
その後、管理人は、その契約社員に暴言を浴びせられましたし、その契約社員は、自分の責任だとは一切思っていないようでした。
幸い、お客さまは非常に優しい方で、管理人をかばってくださり、特に補償の要求はされませんでした。
もう15年以上も前の話ですが、未だに鮮明に覚えている話です。
まとめ
管理人は、大手引越し専門業者のいくつかの支店・営業所で働いてきましたが、不思議と、どの支店・営業所にも、「問題児」の契約社員が1人はいました。
もちろん、「問題児」というような年齢でもなく、いい年した男性です。
たいていの場合は、アルバイト(何度も一緒に作業をしていても)や派遣社員に対する暴力や暴言が多いパターンです。
にもかかわらず、「現場を任せられるから」という理由で、クビになったり、契約更新の拒否になることはありません。
こうした一部の問題のある契約社員(だけでなく正社員もですが)のせいで、アルバイトの定着率が悪い、という実態があります。
実際、アルバイトだったころの管理人も含め、「あの人と一緒のチームには入りたくない」という気分が、アルバイトの間に蔓延していました。
こういう契約社員がチームリーダーのチームが引越しを担当すると、引越しの現場では、一日中、聞くに堪えない暴言が飛び交います。
もちろん、お客さまとしては気分がいいものではありません。
それだけならまだマシですが、すでに述べたとおり、最悪の場合、こうしたバワハラ・モラハラが、事故につながることもあります。
「なんかチーム全体の雰囲気が悪いなぁ…」と感じた場合は、特に事故に警戒してください。
こういう悪質な契約社員は、事故があった場合も、シラを切ったり、事故を隠蔽しようとします。
また、チームリーダーによる暴力や暴言があった場合は、ぜひアンケートのハガキなどに、その旨を明記してください。
アンケートのハガキは、必ず本社の担当者が目にして、現場の改善に役立ててくれます。
引越し業界の労働環境の適正化し、無駄な事故を起こさせないためにも、ぜひご協力ください。