「ベテランっぽい雰囲気だけど、なんか動きがぎこちないし、荷物の持ち方も危なっかしい…。なんなのあの人?」繁忙期にこんな引越し業者のスタッフを見たことありませんか?
こんにちは。系列会社の社員の方々と一緒のチームでは、いつも安心していた、元引越し業者スタッフの管理人です。
この記事では、引越し業者そのものではなく、系列会社の社員に関する注意点を解説しています。
この記事は、繁忙期に、大手の引越し業者で、専門業者と物流兼業業者のどちらかの利用を検討している方にオススメの記事です。
系列会社の社員は、大手引越し専門業者や大手物流兼業業者の子会社、親会社、関連会社の社員です。
通常は、系列会社の社員は本来の業務についていますので、引越し作業をすることはありません。
引越し業者が忙しいときは、引越しの業務を担当することがあります。いわば、「レアキャラ」のスタッフです。
系列会社の社員は、その人が所属する会社や経験によって、能力にばらつきがあります。
一般的に、引越し専門業者の系列会社の社員は、引越し作業に慣れていますので、非常に安心できます。
逆に、物流兼業業者の系列会社の社員は、引越し作業に慣れているとは限りませんので、不安な点ががあります。
ですから、サービスの品質を重視するのであれば、引越し専門業者の利用をオススメします。
系列会社の社員は能力にばらつきがある
大手会社は「引越し」単体ではなく系列会社がある
大手引越し専門業者は、物流に関連する事業をしている系列会社があることが多いです。
大手物流兼業業者は、逆に引越しの業務をおこなっている会社のほうが関連会社といえます。
ただ、このサイトは「引越し業者」が主役ですので、物流事業をしている大手物流兼業業者の本体のほうを「系列会社」として取扱います。
中小企業などの場合は、引越しの事業だけをしている場合もあります。
これに対し、大手企業の場合は、引越し専門業者であっても、たくさんの関連している事業をしていることが多いです。
まして物流事業を主力事業としている大手企業の場合は、運送業以外にも、いろんな系列会社があります。
系列会社の社員は繁忙期などの忙しい時期にしか作業をしない
系列会社の社員は、普段は、本来の自分の業務があります。ですから、引越しの業務にかかわることはありません。
例外として、繁忙期、連休、土日祝祭日など、引越しの依頼が急増して忙しくなる時期に、引越しの作業をすることがあります。
もちろん、引越し業者が忙しい時期は、系列会社の仕事も忙しくなることが多いです。ですから、ちょっと忙しいくらいでは、系列会社の社員が駆り出されることは、まずありません。
引越し業者は、このようなちょっと忙しいくらいでは、アルバイトや派遣社員でスタッフを確保します。
ただ、繁忙期(特に3月後半)では、あまりにも忙しいために、アルバイトや派遣社員の確保がむずかしくなる場合があります。
このような状態になると、引越し業者は、やむを得ず、比較的手が空いている系列会社の社員を、引越しの現場に駆り出してきます。
この系列会社の社員に注意が必要です。
- 繁忙期以外の系列会社の社員:自分の本来の業務をしている。
- 繁忙期(特に3月後半)の系列会社の社員:手が空いている場合は引越しの現場に駆り出される。
系列会社の社員は能力にばらつきがある
引越し業者の系列会社の社員は、その系列会社の業務内容やその人の経験によって、能力にばらつきがあります。
特に注意しなければならない点は、繁忙期のトラックのドライバーです。
繁忙期の場合、引越しの件数が増えるため、引越し業者では、トラックが不足します。
このトラック不足を解消して、なるべく多くの引越しの依頼を受注するために、引越し業者は、系列会社や下請け会社からトラックを調達します。
この系列会社と下請け会社の両方のトラックには、それぞれ問題があります。
系列会社のトラックのドライバーの能力によっては、荷物のトラックへの積込み作業によって、事故が発生します。
大手引越し専門業者の系列会社の社員は安心
普段=引越し・閑散期=物流の系列会社
大手引越し専門業者の系列会社は、主に長距離の引越し専用の物流業者です。
このような物流の系列会社は、普段は長距離の引越しの荷物を運んでいます。
もちろん、引越しの繁忙期にも長距離の引越しの荷物を運んでいますし、近距離の引越しをすることもあります。
極端に引越しの依頼件数が少なくなる閑散期には、主に企業から依頼を受けて、引越し以外の荷物を運ぶことがあります。
このように、引越しの繁忙期・閑散期に応じて業務を変えているのは、引越しの依頼件数が多い大手引越し専門業者の系列会社ならではの特徴です。
能力・経験ともに申し分なく安心できる
大手引越し専門業者の系列会社の社員にとっては、引越しが主力業務です。
すでに述べた閑散期の物流業務をしているのは、1年のうちでも、ごく短い期間です。ほとんどの時期は、引越しの業務をしています。
ですから、大手引越し専門業者の系列会社のほとんどの社員は、引越しの作業に慣れています。
このため、トラックへの積込みは、引越し業者の正社員と同くらい、レベルが高いです。
大手引越し専門業者の系列会社の社員は室内作業もしてくれる
それだけでも非常に頼もしいのですが、もっと素晴らしい点として、大手引越し専門業者の系列会社の社員は、室内作業でも活躍してくれます。
普段は引越し作業をしていない大手物流兼業業者の系列会社の社員や、下請け会社のトラックのドライバーは、残念ながら、室内作業のレベルは期待できません。
それどころか、ひどい場合は、トラックから降りてきません。つまり、室内作業をしてくれない場合があります。
これでスタッフ1人分の料金を払わされるのですから、お客さまとしてはたまったものではありません。
この点、大手引越し専門業者の系列会社の社員は、ちゃんと室内作業をしてくれますし、そのレベルの十分に高いです。
このように、大手引越し専門業者の系列会社の社員は、体力、能力、経験、いずれも、本社の正社員とほとんど変わらないレベルです。
大手物流兼業業者の系列会社の社員は要注意
普段=物流・繁忙期=引越し
大手物流兼業業者の場合は、引越しを主力業務としている部門や会社でない以外の系列会社は、ほとんどが物流に関連した会社です。
もちろん、大手物流兼業業者そのものは、物流を主力業務としています。
このような会社の系列会社の社員は、当然ながら、普段は物流業務しかしていません。
引越しの繁忙期に限って、人手が足りなくなり、引越しの現場に投入されます。
大手物流兼業業者の系列社員にとっては、引越し作業は主力業務ではないのです。
ということは、系列会社の社員は、引越しの作業に慣れていません。
引越しは体力だけではできない
もちろん、普段は物流の業務をしている系列会社の社員ですから、腕力などの体力は申し分ありません。この点は、アルバイトや派遣社員よりも安心はできます。
ただ、引越しは、腕力や体力だけでできるものではありません。
引越しの荷物は、家庭用の荷物であり、それぞれの家庭ごとによって特徴がちがいます。
キレイにダンボールに梱包されている物流用の荷物とはまるっきり別物です。
引越しの作業では、こういった家庭用の荷物を安全に運ぶために、一定の知識が必要です。
また、早く・安全に荷物を運ぶためには、室内作業の順序や荷物の出し入れのしかたなど、ちょっとしたコツ・ノウハウを知っているかどうかも重要です。
これらは、引越し作業の経験がある程度ないと身につかないものです。
大手物流兼業業者の系列会社の社員には、こうした引越しの知識・経験が不足している場合があります
このため、チーム内に大手物流兼業業者の系列会社の社員がいると、引越しに時間がかかったり、最悪の場合は事故が発生する可能性もあります。
- 物流業務:腕力・体力と運転技術が必要。
- 引越し業務:腕力・体力・運転技術は当然必要。それに加えて室内作業・トラックの積み降ろしを含めた知識・経験が必要。
大手物流兼業業者の系列社員は積み込み作業に注意
引越しの荷物の積込みは「パズル」
引越し業者の系列会社社員は、物流業務をおこなっている会社のトラックのドライバーであることが多いです。
さすがに、普段デスクワークの社員まで引越し作業に駆り出してくることは、まずありません。
大手引越し専門業者の系列会社の場合は、引越しの荷物をトラックの積込む作業には慣れていますので、なんの問題もありません。
大手物流兼業業者の系列会社の場合は、引越しの荷物をトラックに積込む作業に慣れていないことがあるため、注意が必要です。
引越しの荷物の積込み作業は、いわば「パズル」。キレイにダンボールに梱包された物流の荷物の積込み作業よりも遥かに難しい作業です。
引越しの荷物は、下手に積み込んでしまうと、荷崩れが起こったり、やダンボールが潰れたりして、事故になることがあります。
引越しの荷物の積み降ろしはタイミングと組み合わせが重要
トラックのドライバーは、単純に荷台で積込み・荷降ろしの作業をしていればいい、というわけではありません。
特に、引越し先(新居・卸地)での荷物の搬出作業では、トラックの荷台の中で作業全体の進捗状況を想像しつつ、適切なタイミングで、適切な荷物を流すように配慮しなければなりません。
また、ダンボールを搬入する場合も、単にダンボールを2個重ねて流せばいい、というものでもありません。
「最低限」次のような配慮をしながら、素早く作業をしなければなりません。
- 部屋の構造を把握して、なるべく奥の部屋に搬入するダンボールから、順番に降ろす。
- アルバイトや派遣社員が持てないような重いダンボール(例:本や食器のダンボールを2つ重ねる)を持たせない。
- かといって、時間がかからないようにダンボールを1個でなく、ちょうどいい重さのダンボールを2個持たせる。
- 軽いダンボールの上に重いダンボールを重ねて持たせる(重心が上のダンボールになり持ちやすい)。
- 台車を使う場合は、荷崩れしないように、かつ、なるべく多くの荷物を台車に積む。
- ダンボールに梱包されていない荷物は、中盤以降(室内でダンボールが積み重なった頃)に、1個のダンボールの上に重ねて持たせる。
- 靴が入ったダンボールは、玄関に置く=作業の邪魔になるため、最後に降ろす。
- すぐ使うダンボールはすぐ使えるように最後にまとめて降ろす。
このような配慮に欠けていると、作業効率が低下して、結果として非常に時間がかかってしまうことがあります。
まとめ
冒頭で「系列会社の社員の方々と一緒のチームでは、いつも安心していた」と書いたのは、管理人が働いていたのが主に大手引越し専門業者だからです。彼らは、実に心強い「戦友」でした。
これが大手物流兼業業者の系列会社の社員では、こうはいきません。
タチが悪いことに、「系列会社」の社員である以上、サービスのレベルが低かったとしても、おおっぴらに注意するわけにもいきません。
「引越し業者が子会社・物流会社が本社」、という状態の場合は、繁忙期に本社からやってきた社員ほど、厄介なものはありません。
相手が本社の社員ですので、まずこちらの言うことは聞いてくれません。
上司になんとかしてもらえるように言ったところで、たいていはその上司が本社に頭を下げて社員を調達していますので、どうにもなりません。
このように、大手引越し専門業者と大手引越し専門業者の系列会社の社員には、天と地ほどの開きがあります。
このような事情がありますので、繁忙期に、大手引越し専門業者と大手物流兼業業者の利用で迷っているのであれば、管理人としては、大手引越し専門業者の利用を強くオススメします。