「引越しのときは、やっぱり正社員のスタッフに担当してもらいたいわよねぇ。でも、引越し業者の正社員って、そんなにいるものなの?」と疑問に思っていませんか?
こんにちは。いつも正社員の先輩に叱られてばかりいた、元引越し業者スタッフの管理人です。
正社員とは、このサイトでは、引越し業者に直接雇用をされている、常用(無期雇用=期間の定めのない労働契約)の月給制の労働者のことをいいます。
いきなり堅苦しい表現で恐縮ですが、このような「定義」が、意外と引越し(特に見積もり)では重要となります。
引越し業者の正社員は、最も経験豊富で能力が高いスタッフです。正社員が引越し作業をする場合は、安心して荷物をまかせることができます。
ただし、正社員とはいえ、誰でも経験豊富なわけではありません。
引越し作業を担当する正社員であっても、新入社員の場合は、当然経験は浅く、それほど頼りにはなりません。
また、同じ「正社員」であっても、営業員が研修の一環として、引越しの作業を担当することもあります。
そもそも引越し業者の「正社員」とは?
「正社員」は正式な法令用語ではない
正社員とは、このサイトでは、引越し業者に直接雇用をされている、常用(無期雇用=「期間の定めのない労働契約」)の月給制の労働者のことをいいます。
おそらく、世間一般でいうところの正社員の定義とほぼ同じだと思います。
どうして管理人がこれほど正社員の定義にこだわるのかというと、「正社員」という言葉は、正式な法令用語ではないからです。
ちなみに、「非正社員」、「非正規雇用」、「アルバイト」という言葉も、正式な法令用語ではありません。
「社員」は正式な法令用語ですが、複数の意味があるため、非常にややこしい言葉です。
「ウチのスタッフは全員正社員です!」は本当?
なぜこのような言葉の意味について説明するのか。勘の良い方は、もうお気づきでしょう。
「ウチのスタッフは全員正社員です!」という引越し業者の営業員のセールストークは、本当なのか、ということです。
そもそも、「正社員」という言葉に厳密な定義がない以上、なんとでも言えてしまいます。
「うちのスタッフは全員(1日だけの日雇いの「正社員」と派遣会社の「正社員」もいるけど)正社員です!」ということかもしれません。
ひどい話ではありますが、嘘ではありません。
引越し業者の営業員の「正社員」という言葉に安易に安心しない
ですから、訪問見積もりのときに、引越し業者の営業員に、「ウチのスタッフは全員正社員です!」と言われた場合は、要注意です。
こういう場合は、「アナタの言う『正社員』ってどういう意味ですか?」と聞き返してみてください。
あるいは、「派遣会社の正社員や日雇いの正社員はいないですよね?」と聞いてみてもいいでしょう。
そのときに、シドロモドロになった場合は、怪しいと思ってください。
また、逆にキッパリと「大丈夫です!アルバイトや派遣社員はいません!」と断言するのも怪しいです。
というのも、慢性的な引越し業界では、アルバイトや派遣社員がいない、ということはありえないからです。
引越し業者の正社員は最も能力が高いスタッフ
能力・経験ともに最高のスタッフ
さて、このサイトでいうところの、あるいは、世間一般でイメージされている引越し業者の正社員の話に移りましょう。
引越し業者の正社員は、すべての作業ができる最も能力が高い社員です。
常用雇用されているため、繁忙期・閑散期に関係なく、毎日引越し作業をしているため、経験も豊富です。
このため、正社員は、引越し業者のスタッフとしては、最も安心・信頼できるスタッフです。
「なるべく正社員に引越しをお願いしたい」というご要望が多いのも、このためです。
引越し現場での他のスタッフの指揮も慣れている
また、正社員は、チームリーダーとして、他のスタッフの指揮にも慣れています。
正社員は、すべての引越し作業の行程を熟知していて、スタッフとしての経験も豊富ですので、作業全体についての指揮命令ができます。
このため、他のスタッフに対して、最も的確に指示を出すことがでできます。
特に、繁忙期で、引越しの経験が浅い、または無いアルバイトや派遣社員、つまり素人同園のスタッフの指揮の経験も豊富です。
こうした経験が浅いスタッフを多数抱えていても、無事に引越しができるように、さまざまな経験を積んでいます。
引越し業者の正社員が担当するのは主に家族の引越し
正社員は最も難しい引越しを担当する
引越し業者の正社員は、家族、しかも比較的人数が多い家族の引越しや、新築一戸建ての引越しを担当します。
すでに述べたように、正社員は、経験豊富で能力も高いです。ですから、引越し業者は、簡単な現場には配属しません。
また、正社員は、月給制であり、人件費が高いため、引越し業者としては、単価が高いお客さまの現場しか担当させません。
この点からも、比較的大きなトラックのドライバーやチームリーダーとして、家族や事業所の引越しなどの大規模の荷物の作業現場を担当します。
また、事故を起こす確率が低いという意味で、事故が起こりやすい現場、特に新築一戸建ての引越しを担当させます。
正社員は一人暮らし・単身の引越しには来ない
逆に、荷物が少ない引越しでは、正社員が担当することはありません。
特に、一人暮らし・単身の引越しは、まず正社員が担当することはありません。
一人暮らし・単身の引越しは、ほとんどが、1.5トントラックの運転ができる程度の経験がある、アルバイトが担当します。
契約社員ですら、一人暮らし・単身の引越しは、ほとんど担当することはありません。
このため、どうしても一人暮らし・単身引越しを正社員に担当してほしいのであれば、閑散期(1月、2月前半、6月、10月、11月)の平日を狙ってください。
新入社員は正社員でも経験は浅い
いくら正社員でも「新入社員」だけは話が別
いくら正社員といっても、経験がまったくない新入社員であれば、当然、経験も能力も期待はできません。
たいていの引越し業者は、OJT(オンザジョブトレーニング、現場で仕事を教えること)で新入社員に仕事を教えます。
このため、時期によっては、実質的に経験の浅いアルバイトや派遣社員と変わらないことがあります。
もっとも、自分から望んで引越し業者の正社員になろうとしたわけですから、意欲や体力の面では、アルバイトや派遣社員よりもマシな場合が多いです。
引越し業者の事前の社内研修でも限界がある
また、引越し業者によっては、事前に研修をしていることもあります。
ただ、いくら研修施設が充実していても、引越し作業のすべてを研修で教え、現場で通用するレベルまで新入社員の能力を上げることはできません。
引越しの作業はイレギュラーの連続です。新入社員は、引越しの現場で場数を踏まないと、モノになりません。
ですから、ある程度経験を積んで1人前になる時期(入社後、初めて年が明けた正月ごろ)までは、正社員といえども、注意する必要があります。
繁忙期・年末の新入社員は要注意
特に、繁忙期と年末の新入社員には注意してください。
4月の繁忙期では入社したてですので、経験がほとんどなく、アルバイトと能力・経験は変わりません。
もちろん、卒業前に、アルバイトなどですでに現場に入っていることもありますが、その程度の経験では、たかが知れています。
また、年末には、入社1年目の正社員がチームリーダーとして現場を指揮し始めます。
ただ、この場合も、チームリーダーとしての経験が浅いため、スタッフの指揮がうまくいかないことがあります。
実はスタッフではなく「営業員」の正社員かも?
おなじ「正社員」でもスタッフではなく営業員の研修の可能性も
引越し業者にもよりますが、営業員として採用した社員が、一定期間、研修の一環として現場の作業をすることがあります。
というのも、引越しの現場の作業、特にトラックへの積込み作業を経験していないと、荷物の量と必要なトラックの大きさの把握はできまません。
つまり、ある程度は、引越し現場で作業を経験していないと、引越しの見積もりはできないのです。
この場合、営業員の能力は、研修期間中、特に初期は、経験の浅いアルバイトや派遣社員と変わりませんので、注意が必要です。
4月頃の営業員はスタッフ・チームリーダーとしても十分に通用する
ただ、いったん研修が終わると、1人前のスタッフ・チームリーダーとして、作業やチームの指揮ができるようになります。
このため、繁忙期の後半(4月ごろ)に見積もりの依頼が一段落すると、現場のスタッフの人手が足りなくなることから、現場に出ることがあります。
このような場合は、すでに研修が終わっていますので、安心できます。
ちなみに、引越し業者によっては、営業員がスタッフを兼ねている場合があります。
【Q&A式】まとめ
いかがでしたか?最後にもう一度、引越し業者の正社員について確認しておきましょう。
そもそも「正社員」って、どんな社員なの? | 「正社員」は、正式な法令用語ではありません。ですから、「正社員」の意味・定義は人それぞれです。
人によっては、アルバイト(正確な法令用語では「日雇いの労働者」)も、その日1日だけ引越し業者に雇われている「正社員」といっても間違いではありません。また、派遣社員だって、派遣会社に雇われている「正社員」ということもできます。 ちなみに、このサイトでは、正社員は、引越し業者に直接雇用をされている、常用(無期雇用=「期間の定めのない労働契約」)の月給制の労働者のことをいいます。 |
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「ウチは全員が正社員のスタッフです!」という引越し業者の営業マンのセールストークはウソなの? | すでにお答えしたとおり、「正社員」の意味・定義は人それぞれですから、「ウソ」というわけではありません。
ですが、イメージしている「正社員だけの引越し」とは、まったく別物の可能性が高いです。 |
このサイトでいう「正社員」は、どんな特徴があるの? | 技術、経験、スタッフの指揮能力、いずれも、最高のレベルの引越し業者のスタッフです。ただし、一部の正社員は例外です。 |
例外の正社員って? | 引越し業者に入社間もない新入社員の正社員や、引越し作業の研修をしている営業職の正社員は、例外的に、経験が浅く、技術のレベルが低い場合があります。 |
正社員はどんな現場を担当するの? | ほとんどの場合、家族の引越し、それも荷物が多めの家族の引越しを担当します。
逆に、一人暮らし・単身の引越しを担当することは、ほとんどありません。 |
管理人は、約8年間の引越し業者での勤務経験の中で、世間でイメージされているような、「正社員だけの引越しチーム」は、1回しか見たことがありません。
そのときは、6月の半ばの平日に、3人家族、15㎥の荷物の量の引越しを、3人の正社員が担当していました。
その引越しは、ある首都圏の大型の支店であったのですが、その日は、その支店で4~5件(ここは記憶があいまいです)の引越ししかありませんでした。
当時は、(この荷物の量でなんて贅沢な引越しなんだろう…)と思っていたものです。
おそらく、荷物の運び出しと運び込みが、それぞれ1時間もかからなかったんじゃないかと思います。
確かに、すべてのお客さまが、できることなら「正社員だけの引越し」をお願いしたい、というお気持ちは痛いほどわかります。
ただ、現実的には、イメージしているような「正社員だけの引越し」は、叶うことは、まずあり得ません。
ですから、「正社員だけの引越し」のような、安心安全な引越しを狙うのであれば、引越しの閑散期である、1月・2月前半・6月・10月・11月の引越しを狙うのがひとつの方法です。
もうひとつは、たくさんの正社員を抱えた、大手引越し業者を利用する方法です。
大手引越し業者は、正社員の数が多いため、他の引越し業者に比べて、正社員が来てくれる可能性が高いです。
また、大手引越し業者で午後便・フリー便を利用した場合、正社員のスタッフが応援にきて、結果的に「正社員だけの引越し」になることがあります。
完全に偶然ではありますが、最初から狙って「正社員だけの引越し」にするよりも、はるかに確率は高いです。
ですから、なるべく正社員に引越しを担当してもらいたいのであれば、大手引越し業者を利用してください。
もちろん、無料一括見積もりサービスを利用して、少しでも安く引越しをしてください。