「荷物の搬入が終わった後の開梱作業がとてもつらい。なんとかならないの?」引越しをするたびに、こういう思いを抱いていませんか?

こんにちは。開梱のサービスのように、細かい作業が苦手でガサツな、元引越し業者スタッフの管理人です。

実は、引越し業者は、荷物の運搬だけではなく、開梱作業もサービスとして提供しています。

このようなサービスを開梱プランといいます(引越し業者によってサービス名はことなります)。

開梱プランは、搬入作業当日または翌日以降に、引越し業者のスタッフ(主に女性スタッフ)が荷物の開梱(荷解き)をおこなうプランです。

開梱プランは、それ単独で依頼することはできません。

開梱プランは、荷物を引越し業者が梱包することが前提です。

お客さまご自身が開梱作業をしなくてもいいので、非常に楽に引越しを終えることができます。

ただし、開梱プランは、開梱作業を引越し業者のスタッフに丸投げするプランではありません。

お客さまご自身は、引越し先(新居・卸地)で引越し業者のスタッフからの質問に答えたり、指示を出す必要があります。

ですから、作業当日は、外出することはできません。

もちろん、ご自身で開梱する場合にくらべて、料金は高めです。

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引越し業者に開梱・荷解きをしてもらうプラン

人差し指を立てる引越し業者女性スタッフ

梱包プランの利用が前提

開梱プランは、引越し業者のスタッフ(主に女性スタッフ)がダンボールへの荷物の梱包と開梱をしてくれるサービスです。

次項で説明しますが、荷物の開梱は、梱包をした人にしかできません。

梱包していない人が開梱するのであれば、荷物の収納場所を伝えるノウハウ(梱包側)とそれを読み解くノウハウ(開梱側)がないとできません。

これは、引越し業者それぞれの独自のノウハウです。

ということは、開梱プランは、引越し業者のスタッフ梱包をするサービスが利用されていることが前提となります。

つまり、開梱プランを利用する場合は、梱包プランも利用することとなります。

これは、開梱プランは、実質的には、すべて引越し業者におまかせする「おまかせプラン」と同じということです。

開梱プランでは、梱包・開梱ともに、最もお客さまの負担は少ないサービスとなります。

当然、引越し業者のスタッフの拘束時間が長くなるため、人件費がかかり、料金は割高です。

引越し元(旧居・積地)での収納場所を知らないと開梱できない

引越しの荷物の開梱は、どの荷物がどの家具・収納場所に収納されていたかを把握していないとできません。

このため、開梱プランは、引越し業者が梱包作業も併せて担当していることが大前提となります。

具体的には、おまかせプランや前日梱包などによる梱包作業が該当します。

このように、梱包作業も依頼することになる点からも、開梱プランの料金は割高になります。

なお、引越し業者によっては、お客さまが梱包した荷物の開梱をしてくれることもあります。

ただし、その場合は、すべての荷物の収納についてお客さまが指示を出さなければなりません。

このため、開梱の作業自体はしなくてもよいものの、煩わしい指示を出さなければなりません。

最低限の指示・質問への回答は必要

指示を出す主婦

作業の「丸投げ」はできない

開梱プランでは、開梱作業を引越し業者のスタッフがすべてしてくれます。だからといって、お客さまご自身が何もしなくてもいい、というわけにはいきません。

開梱プランを利用した場合であっても、お客さまご自身は、最低限の指示をしなければいけませんし、引越し業者のスタッフからの質問にも答えないといけません。

ですから、当然現場にはいないといけませんし、ましてや外出などはできません。

台所・キッチンの引出し・天袋、押し入れなど、引越し元(旧居・積地)と引越し先(新居・卸地)とでは、収納スペースがちがいます。

このような収納スペースのちがいがあるため、元と同じような収納はできない場合が多いです。

このため、荷物を収納できるように、また、収納できないのであれば収納しきれない荷物をどうするのか。こういった指示を引越し業者のスタッフにしなければなりません。

逆に、同じ家具の荷物を開梱してから再度収納するような場合は、特にお客さまの指示は必要ありません。

ウォークインクローゼットに注意

特に注意しなければいけないのが、ウォークインクローゼットです。

引越し元(旧居・積地)でウォークインクローゼットがあるにもかかわらず、引越し先(新居・卸地)にウォークインクローゼットがない場合が問題です。

このような場合、ハンガーにかかった大量の衣類を掛けておく場所がなくなります。

引越し業者から、紙製の=使い捨てのハンガーボックス・ハンガーケースを使った場合は、一時的にこのハンガーボックス・ハンガーケースに保管しておけます。

ただ、引越し業者の耐久資材のプラスチック製のハンガーボックス・ハンガーケースを使った場合は、すぐに引越し業者に返さなければなりません。

このため、引越しでウォークインクローゼットがなくなる場合は、少なくとも使い捨てのハンガーボックス・ハンガーケースを使って引越しをするよう、営業員と打ち合わせをしてください。

高齢者・富裕層におすすめ

時間に余裕があり作業の負担も難しい高齢者にオススメ

開梱プランはおまかせプランや前日梱包が前提となるため、引越し業者にとってはかなり負担が多いプランです。

このため、人件費、作業量、作業時間等が多くなり、料金も高額となります。

特に、開梱は、梱包とは違って、単に荷解きをすればいいというものではなく、収納のことを考えなければなりません。

このため、かなりの時間がかかります。

この点から、このプランは、荷物が少なく、比較的自由に時間が取れ、作業の負担もできない高齢者の方々におすすめです。

特に、夫婦2人の場合は、荷物がかなり少ないため、意外に安く済むことがあります。

金銭的な余裕がある富裕層にオススメ

開梱プランは、金銭的に余裕のある富裕層にもオススメのプランです。

より厳密にいえば、梱包や開梱を自分でするよりも、その時間に仕事をしているほうが引越し業者にお金を払うよりも稼げる、という方にオススメです。

ただし、すでに述べたとおり、梱包作業や開梱作業を引越し業者のスタッフがしている時にも、現場にいて指示を出したり質問に答えるなければなりません。

ですから、自宅で仕事ができる方か、または2日程度、仕事を休める方が開梱プランを利用できます。

あるいは、配偶者の方が現場にいられる場合も、開梱プランを利用できます。

ほとんどの場合は2日間の作業となる

2本指を立てる主婦

必ず「当日開梱」というわけではない

開梱プランは、搬入作業当日または翌日以降に、荷物のほとんどを引越し業者(主に女性スタッフ)に開梱してもらうプランです。

引越し先(新居・卸地)での搬入作業が早く終わる場合、具体的には昼過ぎくらいの時間帯に搬入作業が終わる引越しの場合は、搬入作業の当日に開梱してもらうことができます。

例えば、次のような引越しが該当します。

  • 当日梱包であっても近距離で比較的荷物が少ない引越し
  • 前日以前に搬出した荷物を翌時以降の朝から搬入する長距離の引越し
  • 荷物の搬出の前日までに引越し業者のスタッフが荷物をすべて梱包した近距離の引越し

逆に、引越し先(新居・卸地)での搬入作業が遅く終わる場合、具体的には夕方以降に搬入作業が終わる場合は、その日のうちに開梱作業を終わらせることが難しくなります。

この場合は、翌日以降の開梱作業となります。

「引越し当日からすぐに新生活をスタートさせたい」というお気持ちはわかります。

ただ、いくら有料の開梱サービスとはいえ、引越し業者が必ず荷物の搬入当日に開梱作業をしてくれるわけではありません。

「当日開梱」を希望する場合は営業員と綿密に調整する

どうしても荷物の搬入をしたその日に開梱作業を終えて新生活をスタートさせたい場合は、「そうできるように」見積もりの段階で営業員とよく日程調整をしてください。

日程調整とは、搬入作業を昼前後には終わらせられるように、搬入作業の前の作業の段取りを決めておきます。

大前提として、次のような引越しの場合は、引越し業者は、当日梱包・当日開梱に対応しています。

  1. 極端に距離が短い(移動時間が1時間以内程度)引越し(ただし荷物が多い場合を除く)
  2. 極端に荷物が少ない(2~3人家族まで)引越し

そうでない場合は、当日だけで引越しを済ませるのが難しくなります。

開梱プランは2日以上かかるものと想定する

当日だけで引越しを終わらせることが難しい、ということは、2日以上の日程で引越しとなるということです。

つまり、以下のいずれかのパターンでの引越しとなります。

  1. 【1日目】前日以前梱包 【2日目】当日搬出・搬入・開梱(近距離・荷物多めの引越し)
  2. 【1日目】前日以前梱包 【2日目】当日搬出 【3日目】翌日搬入・開梱(近距離・荷物かなり多めの引越し=宵積みの場合)
  3. 【1日目】当日梱包・搬出 【2日目】翌日以降搬入・開梱(遠距離・荷物少なめの引越し、または近距離・荷物かなり多めの引越し=宵積みの場合)
  4. 【1日目】前日以前梱包 【2日目】当日搬出 【3日目】翌日以降搬入・開梱(遠距離・荷物多めの引越し)
  5. 【1日目】当日梱包・搬出・搬入 【2日目】翌日以降開梱(近距離の引越し)

上記の1、2、3、4が、引越し先(新居・卸地)への荷物の搬入と開梱作業が同日のパターンです。

いずれにしても、2日以上に作業を分けなければなりません。

「梱包と搬出作業を同日にする(=開梱を翌日以降にまわす)」「搬入作業と開梱を同日にする(=前日までに梱包を終わらせる)」のどちらを優先するのかはお客さまの考え方しだいです。

ただ、すでに述べたとおり、近距離か荷物が少ない場合を除いて、開梱プランを利用する場合は、1日ですべての作業を終わらせることはできません。

ですから、生活の事情に合わせて、「梱包と搬出作業を同日にする」のか「搬入作業と開梱を同日にする」のかを検討してください。

そのうえで、引越し業者の営業員と、スケジュールをよく調整してください。

まとめ

開梱プランは、荷物の梱包と開梱の両方を引越し業者のスタッフにしてもらう、ある意味では最も「贅沢な」プラン・コース・パックです。

当然、料金は最も割高になりますが、引越しにかかる時間は、最も短時間で済みます。

また、作業のすべてを引越し業者が担当するため、サービスの品質は高く、事故が最も起こりにくい引越しのプラン・コース・パックでもあります。

作業のすべてを引越し業者が担当するということは、すべての作業が補償対象であるともいえます。

つまり、言い方を変えれば、開梱プラン(と「おまかせプラン」)は、「お金で時間と安全を買うサービス」であるといえます。

安いサービスも手元に現金が残るというメリットはあるものの、梱包と開梱はお客さまご自身でしなければいけませんし、お客さまご自身の梱包で事故が起こった場合は、補償の対象外です。

引越しにどの程度の時間を掛けられるかと、リスクを取れるかにもよります。

お金に余裕がある場合は、ぜひ「時間と安全性」を買う開梱プラン(おまかせプラン)を利用してください。