「今度、敷地の家を新築しようと思って、仮住まいに引越す予定なんだけど、普通の引越しと一緒ですよね?」と疑問に思ってませんか?
こんにちは。仮住まいへの引越しでは、事前の準備で、何度も作業や手順の確認をしていた、元引越し業者スタッフの管理人です。
仮住まいへの引越しは、主に一戸建ての建替えの際に、賃貸の仮住まいへ荷物を移動するプランです。
特徴としては、通常の他のプランとは違って、建替え後の新築の建物への再度の引越し、いわゆる「戻り便」を想定しています。
仮住まいへの引越しは、実は、普通の賃貸の建物への引越しとは違って、非常に特殊な引越しです。
ですから、引越し業者の営業員との徹底した打ち合わせが重要となります。
仮住まいへの引越しは新築建て替えのためのプラン

たいていは広めのアパートへの引越し
一戸建て建替えの際には、取壊す引越し元(旧居・積地)の荷物を、すべて外に運び出さなければなりません。
こうした荷物は、敷地に置いておくわけにはいきませんので、別の建物に引越しすることになります。その建物の候補になるのが、仮住まいや倉庫です。
仮住まいの引越しプランは、このような建て替えの際、貸家や賃貸のマンション・アパートなどの仮住まいへ荷物を移動するプランです。
管理人の経験では、多くの荷物が入る広めのアパートが多いです。
倉庫への引越しの場合は、長期保管のプランとほとんど変わりません。
ただ、お客さま自前(例えば敷地内)の倉庫や賃貸の倉庫への引越しか、引越し業者での荷物の保管かで、若干事情がことなります。
実は普通の引越しとはちがった非常に特殊なプラン
仮住まいへの引越しのは、実は、一般的な引越しとは、さまざまな点でことなります。
具体的には、つぎのような特徴があります。
【一般の引越しの場合】
- 基本的には引越し先で荷物はすべて開梱する
- 荷物の梱包は引越し先への運搬のための簡単なものでよい
- 荷物の梱包には時間がかからない(長距離の引越しの場合は別)
- 荷物の搬入は新生活を想定する
- 引越しはその1回限り(次回もあるとは限らない)
- (仮住まいへの引越しに比べると)料金は安い
【仮住まいへの引越しの場合】
- 大半の荷物は開梱しない
- 荷物の梱包は仮住まいへの運搬・長期保管・新築建物への運搬のために厳重にする必要がある
- 荷物の梱包に非常に時間がかかる
- 荷物の搬入は新生活・長期保管・新築への引越しの3点を考慮しなければならない
- 次回の引越し(戻り便)もある
- (一般の引越しに比べると)料金は高い
経験豊富な営業員・チームリーダーを抱えた大手の引越し業者がオススメ
仮住まいへの引越しは、このような変わった特徴があるため、特に経験豊富な営業員に見積もりをしてもらわないといけません。
また、引越しの現場では、こうした特殊な事情を把握した、経験豊富なチームリーダーに作業をしてもらう必要があります。
仮住まいへの引越しは、とても営業経験が浅い営業員やチームリーダーには、務まる引越しではありません。
ですから、なるべく経験豊富な営業胃とチームリーダーを抱えた、大手の引越し業者の利用がオススメです。
仮住まいの引越しでは使わない荷物は梱包したまま長期保管

仮住まいの引越しでは使わない大半の荷物は梱包したまま
仮住まいへの引越しの最大の特徴は、「なるべく荷物を開梱しない」点にあります。
これは、新築建物への戻り便をなるべく簡単に済ませる、という目的があります。
仮住まいで荷物を開梱してしまうと、新築建物への戻り便の際に、また梱包し直さなければなりません。
こうした二度手間をしないように、仮住まいへの引越しでは、使わない荷物は、開梱しません。
仮住まいでは家具ですら梱包したまま
ここでいう「荷物」とは、ダンボールに入った荷物だけのことではありません。
実は、家具ですら、使わないものは、梱包したままにしておきます。
もちろん、これも、戻り便の際に、梱包された家具をそのまま搬出できるようにするためです。
このため、仮住まいへの引越しの際は、引越し業者のスタッフは、耐久消費財の梱包資材ではなく、使い捨ての梱包資材で大型の家具を梱包します。
ただし、梅雨の時期を挟む場合など、湿気やカビの対策が必要な場合は、あえて開梱してしまうこともあります。
引越し業者のスタッフの梱包技術が問われる
このように、仮住まいへの引越しでは、大型の家具を使い捨ての資材で梱包します。
耐久消費財での梱包とは違って、使い捨ての資材での家具の梱包は、引越し業者のスタッフに技術・知識・経験がないとできません。
また、長距離の引越しのような、単に運搬のためだけに梱包するのとは違い、仮住まいへの引越しの場合は、運搬はもちろんのこと、長期保管も視野に入れた梱包となります。
つまり、仮住まいへの引越しの場合は、それだけ経験豊富で技術力も高い引越し業者のスタッフが、担当しなければなりません。
使い捨て資材+ベテランスタッフ=料金が高め
以上のように、仮住まいへの引越しでは、使い捨ての資材を使った梱包をします。
ということは、耐久消費財を使った引越しにくらべて、引越しの料金・費用は若干高めになります。
また、使い捨ての資材で梱包するためのベテランのスタッフを配属する必要があります。
しかも、1人だけベテランのスタッフがいればいいわけではありません。
家具を使い捨ての資材で梱包するのは、意外に時間がかかります。
手分けして家具を梱包するため、2~3人は、使い捨ての資材で家具の梱包ができるスタッフが必要です。
ということは、それだけ人件費もかかるため、この点からも、引越しの料金・費用は、若干高めです。
もちろん、これだけのスタッフで編成されたチームですから、滅多に事故は起こりません。
仮住まいでは荷物の配置も重要
また、荷物の配置も、新生活のことは当然ながら、長期保管や戻り便での荷物の運び出しを意識します。
例えば、仮住まい暮らしがあまり長くない場合は、ひと部屋を荷物部屋にしてしまって、使わない荷物をすべて置いておくことがあります。
しかも、荷物の運び入れと、戻り便での運び出しを想定すると、入り口に近い部屋に置いて保管するのが理想的です。
この場合、ひと部屋は使えなくなるわけですから、ある意味では不便といえば不便です。
このような新生活での利便性と、長期保管・戻り便での利便性を両方考慮しながら、最適な荷物の配置をしなければなりません。
ですから、引越し業者は、お客さまのニーズをよく把握しながら、どのように荷物を配置するのかを提案できなければなりません。
このため、なるべく仮住まいへの引越しも多く手がけている、大手の引越し業者を利用するべきです。
参照:安心・高品質の引越しサービスが売り―大手引越し専門業者の特徴
「戻り便」ではなるべく同じ引越し業者を利用する

事情を知っている引越し業者・チームリーダーが安全
仮住まいへの引越しは、一般の引越しと違って、戻り便を想定しなければなりません。
戻り便では、普通は、仮住まいの引越しで利用した引越し業者を再度利用します。
また、仮住まいへの引越しを担当したチームリーダーに、なるべく再度担当してもらうべきです。
もちろん、問題がある引越し業者は、無理に再度利用する必要はありませんし、問題があるチームリーダーには、外れてもらうべきです。
同じ引越し業者・同じリーダーで戻り便も安心
戻り便は、新築の建物への引越しとなるため、他の引越しと比べても、大変な作業です。
この点、仮住まいへの引越しを担当したチームリーダーであれば、荷物の量や家具の種類などを把握しています。
ですから、別のチームリーダーが担当する場合と比べて、作業しやすくなります。
また、仮住まいへの引越しの際に、お客さまとコミュケーションを取っている、という点も見逃せません。
新築建物への戻り便では、一般の引越しでの荷物の運び込みと同じように、お客さまへの指示を求める場面が多くなります。
ですから、スムーズなコミュニケーションを取れる、というのは、重要なポイントとなります。
引越し業者によってはチームリーダーを「指名」ができる
これは引越し業者にもよると思いますが、実は、チームリーダーを「指名」することができます。
管理人の勤務先の引越し業者では、そのような制度がありました。ただ、「指名料」がありましたが…。
大変光栄なことですが、管理人は、戻り便で、何度か「ご指名」を受けたことがあります。
不思議なもので、どの現場でも、数ヶ月も前に引越しをしたのに、現場に入ると、昨日の出来事のように状況を思い出すものです。
そして、戻り便を意識して張ってきた伏線を、ひとつひとつ回収していくたびに、悦に入りながら作業をしていたものです。
傍から見ると、さぞ怪しい顔つきだったのでしょうが…。
「生活の便利さ」と「戻り便の簡単さ」のどちらを選ぶか

仮住まいでの暮らしはまるで「ミニマリスト」
すでに述べたとおり、仮住まいでの暮らしは、戻り便を簡単に済ませるために、ある程度は不便な暮らしとなります。
例えば、衣服や食器は、必要最低限のものだけを開梱して使います。
家具にしても、大きなものは梱包したままにすることが多く、収納は、衣装ケースや収納ボックスが中心となります。
このように、仮住まいでの生活は、荷物はたくさんあるのに、生活自体は「ミニマリスト」のような状態になってしまいます。
「生活の便利さ」と「戻り便の簡単さ」は両立しない
もちろん、荷物を開梱して使ってもかまいません。
ただ、仮住まいでは、荷物を多く使えば使うほど、せっかく梱包した荷物を開梱することになります。
こうした開梱した荷物は、戻り便の際に、また梱包しなければならず、荷造や準備に手間と時間を費やすことになります。
もちろん、その分、生活は便利になります。
逆に、荷物を少なく使えば使うほど、戻り便の際の準備や作業に手間と時間がかかりませんが、その分、生活は不便となります。
このように、仮住まいでは、「生活の便利さ」と「戻り便の簡単さ」はトレードオフの関係にあり、両立しません。
あくまで「短期間」の場合に限る
このため、仮住まいへの引越しは、新築の建物が短期間(長くても6ヶ月程度)で完成する場合におすすめです。
高級住宅のように、新築に時間がかかる場合は、それだけ長時間の不便な暮らしをせざるを得なくなります。
仮住まいでの不便な生活は、意外とストレスになるそうですから、あまり長い間の生活は、オススメできません。
このような場合は、せめて生活スペースを確保するためにも、倉庫等への保管も検討してください。
引越し業者によっては、自社の支店・営業所・倉庫で、長期間荷物を預かるサービスも提供しています。
仮住まいでの生活を快適にするポイント

不用品(特に老朽化した大型の家具)を処分する
このように、非常に不便な生活を強いられる仮住まいですが、少し工夫することで、快適に暮らせるようになります。
まず、新築の建物で使わない荷物は、この際処分することも検討してください。
特に、大型の家具を仮住まいに引越しをする時点で処分すると、広く仮住まいでのスペースを利用できます。
新築の建物に十分な収納スペースがある場合は、老朽化したタンスなどの家具を処分してもいいでしょう。
もちろん、最後に仮住まいで家具を使ってあげて、戻り便で処分する、という方法もあります。
ただ、この場合は、少なくとも仮住まいへの引越しの際に、それだけ料金・費用がかかります。
また、その家具に収納した荷物を、再度梱包する手間も発生します。
ですから、個人的には、思い切って仮住まいへの引越しの際に、処分するのをオススメします。
洋服は「クリーニング店で長期保管」という裏技も
次に、仮住まいでも結構なスペースを取る、洋服を減らす「裏技」を紹介します。
それは、「クリーニング店でクリーニングをして長期保管してもらう」という方法です。
仮住まいでの生活は、長くても半年程度です。その間、一度も着ない洋服が入ったダンボールが、天井まで積まれている、という状況はざらにあります。
このダンボールが意外に多く、そのせいで仮住まいが非常に狭くなります。
もちろん、洋服も処分すればスペースは広くなりますが、だからといって、全部処分するわけにもいきません。
また、引越し業者や倉庫・トランクルームに預ける、という方法もありますが、当然その分の料金が発生します。保管状態も、必ずしもいい状態とは限りません。
これに対し、クリーニング店の場合は、保管料が「無料」の場合もありますし、保管状態にも問題はありません。
ですから、仮住まいへの引越しを機会に衣替えをして、使わない洋服はすべてクリーニング店でクリーニングし、長期保管をしてもう。
そして、新築への引越しが済んだら、引き取ってくる。
こうすることで、引越しの荷物を減らせて、引越しの料金・費用は安くなりますし、仮住まいのスペースも広くなります。
家具を処分して、洋服をクリーニング店に預けると、仮住まいとはいえ、かなりスペースに余裕がでます。
一生に一度の仮住まいです。なるべく快適に過ごすために、「クリーニング店に預ける」という裏技もぜひ使ってみてください。
まとめ
管理人が働いていたから、というわけではありませんが、仮住まいへの引越しと新築への戻り便は、大手引越し業者がオススメです。
仮住まいへの引越しと新築への戻り便は、一般の引越しとはちがう点が非常に多く、また、幅広くレベルの高いサービスが求められます。
もちろん、こうしたサービスを提供できるだけの、レベルが高い営業員やスタッフも必須です。
場合によっては、荷物を長期保管できる倉庫などのハードまで必要になってきます。
こうした、「フルスペック」のサービスを提供できるのは、大手引越し業者ならではの強みです。
仮住まいへの引越しは、見方を変えれば、一生に一度の新築の引越しです。
少々料金・費用が高くても、安心して荷物を預けられる、大手引越し業者をオススメします。