「引越しに必要な道具って、そんなにたくさんあるの?」引越しの準備をするたびに、こう思っていませんか?
こんにちは。引越しなんて、たいした道具は必要ない、と確信している管理人です。
完全に引越し業者に作業をお任せする、いわゆる「おまかせプラン」でもない限り、お客さまご自身で何らかの準備をしなければなりません。
この際、準備にはいくつかの道具が必要です。
プロの引越し業者のスタッフは、引越しの作業では、マジック、カッター、手袋、各種工具の4種類の道具を使います。というか、これしか使いません。
この4種類の道具で、荷物の梱包・運搬・開梱まで、すべての作業ができます。「おまかせプラン」であっても、これらの4種類の道具と資材を使って対応します。
管理人が引越し業者のスタッフとして働いた経験でも、これらの4種類以外の道具が必要となる引越しは、まずありません。あったとしても、年間でも数件あるかないかの、非常に特殊な引越しです。
つまり、マジック、カッター、手袋、工具の4種類の道具さえあれば、あらゆる一般家庭の引越しに対応できるということです。
インターネットのいろんなサイトでは、引越しに必須の道具がいろいろと紹介されていますが、この4種類以外は必要ありません。
それぞれ、特に高額なものではありませんので、100円ショップなどで買い揃えてください。
工具に関しては、引越し業者のプラン・コース・パックによっては必要ありません。
なお、これらは日常的にも使われている道具ですが、引越しで使うに場合は、ちょっとした注意点やコツがあります。
引越しではマジックはダンボールの記入に使う
未経験の引越しアルバイトですら必須のバジック
マジック(正確にはフェルトペン)は、主にダンボールに必要事項を記入する際に使います。
つまり、お客さまご自身でダンボールに荷物を梱包するのであれば、マジックは、必ず使います。
マジックは、たとえ未経験のアルバイトであっても、引越し業者のスタッフが必ず用意するように言われるもののひとつです(もうひとつがカッターです)。
マジックは、ダンボールに記入した内容がよくわかるように、なるべく太い文字を書けるものを用意してください。
マジックは太めの文字が書ける長いタイプを使う
マジックは、使いやすいタイプのものにします。
これは、すべてのダンボールに、必要事項を簡単に書き込むためです。
実際に書いてみるとわかりますが、短いタイプよりも長いタイプのほうが、書きやすいです。
長いタイプのマジックは、ポケットに出し入れしやすいため、作業がはかどります。
短いタイプのマジックは、ポケットに入れやすいのですが、小さいためにポケットにひっかかって取り出しにくいです。これが意外と作業効率を悪くしてしまいます。
さらに、長いタイプのマジックは、床において作業をしていても、まず無くなることはありません。
短いタイプのマジックは、小さいために転がったり、荷物に紛れ込んだりして、意無くなってしまうことがあります。
以上のように、引越しでは長いタイプのマジックのほうが便利ですので、長いタイプを用意しましょう。
- 短いマジック:書きにくい・ポケットに出し入れしにくい・紛失しやすい=引越し作業に向いていない
- 長いマジック:書きやすい・ポケットに出し入れしやすい・紛失しにくい=引越し作業に向いている
マジックの色は黒と赤を用意する
マジックの色は、見やすければ何でもかまいません。
一般的には、黒を使います。青でも見やすいので、青でもいいです。
また、色の種類は黒(または青)1種類でいいのですが、できれば赤いマジックも用意してください。
赤いマジックは、特に割れ物や取扱いに注意が必要なものが梱包されたダンボールに使います。
実は、黒1色のマジックだけでも、引越しの作業には差し支えありません。
引越し業者のスタッフは、黒のマジックだけで作業します。
その代わり、黒でも割れ物や取扱い注意が目立つような書き方をします。
引越しに慣れていない一般のお客さまの場合は、赤いマジックで書いたほうが、手っ取り早く黒との違いを目立たせられます。
ですから、マジックは、黒(または青)と赤の2色を用意しましょう。
- 黒いマジック:通常の荷物・取扱いに注意が必要でない荷物のダンボールの記入に使う
- 赤いマジック:食器・皿など割れ物の荷物・家電製品などの取扱い注意の荷物のダンボールの記入に使う
なお、3色以上の色は、かえって混乱する原因にります。マジックの色は、2色にとどめておきましょう。
中古のダンボールへの記入は別の色を使う
中古のダンボールに記入する場合は、なるべく、もともと記入されている文字の色とは、違う色を使ってください。
もともと記入されている文字と同じ色をつかってしまうと、引越し業者のスタッフが勘違いしたり混乱したりしてしまいます。
引越し業者のスタッフだけでなく、お客さまご自身の勘違いや混乱の原因ともなります。
一般的な中古のダンボールは、ほとんどが黒のマジックで記入されています。
この場合は、青のマジックで記入すると、勘違いや混乱が格段に減ります。
カッターは最小限の使用にとどめる
カッターはプチプチを切る場合に「だけ」使う
カッターは、主に気泡緩衝材(エアーキャップ、いわゆる「プチプチ」)を切る際に使います。
というか、お客さまがカッターを使う状況は、これ以外にはありません。
引越し業者のスタッフは、気泡緩衝材の他に、巻きダンボールや板ダンボール、PPバンド(家具に巻きつけるバンド)切る際にもカッターを使います。
ごくまれに、ダンボールを加工する際にも、カッターを使うこともあります。
余談ですが、作業に慣れると巻きダンボールはカッターを使わなくてもキレイに「裂ける」ようになります。
お客さまご自身では、このような手の込んだ作業をする必要はありません。
ですから、気泡緩衝材を切る場合にしか、カッターは使いません。
逆にいえば、気泡緩衝材で梱包する荷物がない場合や、気泡緩衝材で梱包する荷物は引越し業者のスタッフが梱包する場合は、カッターを使う必要はありません。
カッターは、小さいとはいえ刃物ですから、荷物やお客さまご自身をキズつけることがあります。カッターは、どうしても必要に迫られた際に使うようにしてください。
ダンボールはカッターを使わず手で開ける
ダンボールを開ける際は、カッターでガムテープを切らずに、手でガムテープを剥がすか、爪でガムテームを裂いてください。
ダンボールのガムテームをカッターで切ると、中身の荷物を切ってしまうことがあります。
引越し業者のスタッフが開梱包する場合も、カッターを使うことはありません。
どうしても面倒な場合は、カッターの刃を出さずに、先端の金属の部分を使ってガムテープを切って(というか裂いて)ください。
この方法だと、切れにくいですが、中身の荷物を傷つける可能性は低くなります。
軍手・手袋は滑らないゴム引きのものを使う
軍手は手の保護・荷物の移動の補助に使う
軍手は、ダンボール・家具などを運ぶ際、動かす際に使います。
ダンボールや家具を動かす際は、手を壁にぶつけたり、ダンボールの断面で手を切ることがあります。
こうした事故を防ぐために、軍手を使います。
また、軍手は、ダンボールや家具を持ちやすくするためにも使います。
グリップ力が強いゴム引きの軍手でないと意味がない
家具・大型家電や荷物が入ったダンボール(特に食器・本が入ったもの)は、意外と重くなります。
このような重い荷物を運ぶ場合、なるべくグリップ力が強い、手のひらにゴムのすべり止めがついているゴム引きの軍手を使います。
ゴムなしの軍手では、素手よりも滑りやすくなります。
これでは、荷物を運ぶのに余計な力が必要となり、最悪の場合、荷物を落としてしまうことがあります。
ゴム引きの軍手の場合は、ゴムのグリップ力によって、より少ない力で荷物を持ち上げられ、安全に作業ができます。
引越しでは「ツブツブ」のゴムがついた軍手は使わない
市販の軍手の中には、ツブツブのゴムのすべり止めが点々とついている軍手もあります。
実は、この軍手は、素手の場合のグリップ力と、あまり変わりません。
手の保護にはなるかもしれませんが、荷物を運びやすくなることはありません。
ですから、軍手は、必ず手のひらの「全面」にすべり止めのゴムがついているものを使います。
- ゴムなしの軍手:素手よりもグリップ力がないため、余計が力が必要で、荷物を落とす危険性もある
- 点々のゴムありの軍手:素手とグリップ力が変わらないため、つける意味があまりない
- 全面ゴム引きの軍手:グリップ力が非常に強く、少ない力で荷物を持ち上げられる
各種工具はどうしても必要な場合に使う
引越しではお客さまが工具を用意する必要はない
家具の分解は、たいていの引越し業者がしてくれます。
ですから、原則として、工具は必要な道具ではありません。
ただ、引越し業者によっては、お客さまご自身で家具を分解しなければならないこともあります。
この場合、プラス・マイナスのドライバー、スパナ、プライヤー、六角レンチなどの、ごく基本的な工具が必要となります。
工具はなるべく小さなものを用意する
大きな工具は取り回しが悪く、意外と使い勝手が悪いため、小型のもので十分です。
特に、家具を分解するドライバーや六角レンチは、短いもの・小型のものが必要となります。
というのも、家具をつなぎとめているネジ穴は、引き出しの中など、非常に狭い場所にあります。
このため、大きな工具や長い工具は、ネジ穴の箇所まで入らないことがあります。
【補足】本当は必要のない引越しの道具
引越しに必要な道具はマジック・カッター・軍手・工具だけ
最初に触れたとおり、引越しに必要な道具は、あくまでマジック・カッター・軍手・工具の4種類だけです。
引越し業者のスタッフは、これらの4種類の道具と数種類の資材で引越し作業をします。
たとえそれが、梱包、運搬、開梱までのすべての作業をおこなう「おまかせプラン」であったとしてもです。
つまり、この4種類の道具以外は、引越しには必要のない道具です。
もちろん、この4種類の道具以外にも、あったら便利な道具はあります。
ただ、いくら「あったら便利」とはいえ、あまりたくさんの道具や資材があるのも、どうかと思います。
こうした道具や資材を、いちいちを使い分けていたら、作業の効率が悪く、引越しに時間がかかってしまいます。
少ない道具で効率よく短時間で済ませることが、引越しを早く済ませるコツです。
どうせ引越し先(新居・卸地)では開梱の作業をすることになるのです。
なるべく簡単・単純な梱包をしたほうが、無駄な開梱作業もありませんし、ゴミの片づけも簡単です。
なお、インターネットのサイトで見かける「必要な道具」されているのに、本当は引越しに不要な道具は、以下のとおりです。
はさみ
引越しでははさみは使いません。カッターで十分です。
はさみで「切る」動作は、カッターで切る動作よりも時間がかかってしまいます。
はさみは、「安全に正確に切る」ことには向いている道具です。
引越しには、(安全なことは大事ですが)「正確に切る」ことは必要ではありません。
引越しで「切る」作業に求められるのは、「早く切る」ことです。「安全に切る」ことは、注意して使えばいいだけのことです。
輪ゴム・セロテープ
引越しでは輪ゴム・セロテープはあったほうがいいですが、少なくとも引越し業者のスタッフは使いません。
輪ゴム・セロテープは、ガムテープ、養生テープ、気泡緩衝材、巻きダンボール、食器梱包用の紙(クレープ紙・クレープペーパー)で代用できます。
引越し業者のスタッフは、荷物をまとめる場合は、輪ゴムを使わずに、次のいずれかの方法で対処します。
- 養生テープを直接貼ってまとめる(電気コードなど)
- 養生テープを直接貼れない場合は、気泡緩衝材、巻きダンボール、食器梱包用の紙で包んでガムテープ・養生テープでとめる(箸・フォーク・スプーンなど)
セロテープは、養生テープで代用します。
紐・ロープ
紐・ロープは、引越し業者のスタッフは使いません。
そもそも、引越しの荷物は、わざわざ紐やロープでまとめる必要はありません。
傘や物干し竿などは、別にまとめなくても引越し業者のスタッフはそのまま運びます。
また、解体・分解した家具を紐やロープで固定すると、擦り傷がつくことがあります。
ですから、引越し業者のスタッフは、解体・分解した家具を紐やロープを使ってまとめません。
これは、本棚のスライドなどにも同じことがいえます。
解体・分解した家具の部品を紐やロープでまとめることを推奨するようなサイトを時々見かけますが、このよう対処は、擦り傷の原因となります。
もし家具を解体・分解した場合は、そのままにしておいてください。引越し業者のスタッフが、そのまま(またはひとつひとつ梱包して)運んでくれます。
割れ物シール
あると便利ですが、必要なものではありません。
ダンボールに割れ物の荷物を梱包する際に、赤いガムテープを使えば、わざわざ割れ物シールを貼る必要はありません。
あるいは、赤いマジックで「割れ物」「ワレモノ」と書いてもいいでしょう。
わざわざ「割れ物シールを貼る」という手間と時間をかけるほどのことはありません。
まとめ
引越しに必要な道具は、マジック・カッター・軍手・工具の4種類だけです。
あとは、引越し業者から提供される資材だけでできるものです。
せいぜい、大きなゴミ袋があると便利なくらいでしょうか(本来はゴミ袋が必要な液漏れしそうな荷物は使い切るのが鉄則ですが…)。
あれこれ道具や資材を用意したとしても、効率よく使いこなすことはできません。かえって時間のムダになるだけです。
長年、引越し業者が必要な道具として4種類まで絞り込んだのも、結局これらしか必要がないからです。
なお、引越しの作業の途中で、引越し業者のスタッフが家具の裏や天板を雑巾で拭いてくれることがあります。
さすがに引越し業者で自前の雑巾は用意していませんので、雑巾はお客さまご自身で用意するようにしてください。
雑巾も「必要」な道具ではありませんが、あったほうが便利です。