ピストン作業は、小型のトラック(1.5トン~2トン サイズ)で搬出作業と搬入作業を2~3回繰り返すプランです。引越し業者が往復して作業することになります。このため、近距離への引越し限定のプランです。
ピストン作業は、経験が浅いチームリーダー(ドライバー)が担当することが多いため、注意してください。
ピストン作業は近距離の引越し限定のプラン
ピストン作業は、搬出と搬入の現場を往復するプランです。このため、移動時間が短時間で済む、近距離の場合の限定のプランです。
具体的には、30分以内(長くても1時間以内)で移動できる距離が目安となります。あまり現場の間に距離があると、1日で作業が終わらない可能性もあるため、引越し業者に断られる可能性もあります。
ピストン作業は、一般的には、トラック1台で作業します。
作業当日に引越し業者にトラックが余っていたり、荷物が多めの場合は、2台で作業することもあります。
ただ、よほどのことがない限り、引越し業者としては、1件の引越しに複数のトラックを配車するよりは、他のご依頼を受けることを優先します。
このため、繁忙期や休日の場合は、1台しか来ないものと割り切ってください。
狭い道路の引越しでも対応可能
引越し業者は、ピストン作業では、主に小型のトラック(1.5トンまたは2トン程度)を使います。このため、自動車が通ることができる道路であれば、相当狭い道路の現場でも対応可能です。
また、城下町などの古い街にありがちな、自動車が通れないような道路の現場や急な坂道・階段がある現場であっても、台車やスタッフによる手持ちによって、対応することが可能です(時間はかなりかかりますが)。
逆に、狭い道路の現場では、ピストンでの作業か、積み替えによる作業しかできません。
後者の積み替えは、小型トラックに荷物をいったん積み込み、ある程度離れた場所に停めてある大型トラックに荷物を積み替えるため、どちらにしても作業時間はかかります。
ピストン作業での引越しは時間がかかる
ピストン作業は、通常の引越しのプランと比べて、往復の移動が伴うため、実際の距離や荷物の量に比べて、非常に時間がかかります。
また、作業自体も特殊な行程でおこないます。
さらに、トラックの容量の割には人数が多いため、作業効率が落ちます。
これのような点から、ピストン作業は、他の通常のプランに比べて、時間がかかります。
一般的なケースとしては、具体的には、次のとおりです(1台のトラックの場合)。
午前中に1回目の搬出・搬入をおこないます。昼休みを挟んで、2回目の搬出・搬入をおこないます。夕方から夜にかけて、3回目の搬出・搬入をおこないます。
たいていは、これで1世帯分の荷物の引越しくらいは終わらせることができます。
引越し業者のチームリーダーに要注意
ピストン作業は、通常のプランとはまったく別の行程でおこなわれます。
方法としては、次の2通りの方法があります。
ひとつは、部屋ごとに荷物を搬出・搬入する方法です。この方法は、搬出・搬入の現場の部屋割りが同じような場合にしかできません。
もうひとつは、家具から搬出・搬入する方法です。この方法は、ダンボールなどの小型の荷物が残った状態で搬出作業をおこなうため、事故が起こる可能性が高いといえます。
このような特殊な行程での作業は、引越し業者のチームリーダーの能力が問われます。
しかしながら、実際は、ピストン プランを担当するチームリーダーは、比較的経験が浅いことが多いです。
これは、一般的な引越し業者では、経験が豊富なドライバーほど、大きな容量のトラックを担当することが多いため、小型のトラックを使うピストン プランは、必然的に経験が浅いチームリーダーが担当することになるからです。