「電話回線の引越しの手続きって複雑でよく分からない…」引越しのたびに頭の中が「?」だらけになりませんか?
こんにちは。引越しの作業の経験は豊富ですが、自分の引越しのときは電話回線の引越しで頭の中が「?」だらけになる、元引越し業者スタッフの管理人です。
このページは、引越しの荷物に固定電話機がある方に向けた記事です。また、自宅で光回線などでインターネットを利用している方にも向けた記事です。
固定電話機そのものの引越しについては、特に事前に準備する必要はありません。当日は、搬出直前まで、そのままで結構です。
ただし、引越し先(新居・卸地)で、お客さまご自身が配線の取付けをする場合は、失敗しないように写真撮影とラベルの貼り付けの準備が必要です。
なお、電話会社との回線移転の手続きについては、2週間前には進めておいてください。
手続きを怠った場合、しばらくの間は、インターネットや電話が使えなくなる可能性もあります。
固定電話機の配線等の対応は事前に引越し業者に相談
配線の取外し・取付けは必ず見積もりの際に営業員に確認する
固定電話機の配線の取付け・取外しについては、引越し業者によって、対応はさまざまです。
現在はほとんど使われていなでしょうが、黒電話のように単純に電話線差込口にモジュラージャックだけを挿し込むのであれば、引越し業者が無料で対応してくれます。
モジュラージャックと電源プラグを差込むタイプの固定電話機(現在ではほとんどがこのタイプ)でも、作業は非常に単純ですので、引越し業者が無料で対応してくれます(会社によっては有料かもしれませんが…)。
ただ、ひかり電話などのIP電話を使っている場合や、インターネットの回線と併用している場合などは、モデムの取外し・取付けが必要になります。
このような場合は、単にモデムを取り外せばよいというわけにはいきません。
特に、パソコンの配線との関係や、プロバイダーやインターネット回線会社との関係もかかわってきます。
このため、あらかじめ引越し業者の営業員と相談し、配線等の対応を決めておいてください。
複雑な配線の取付けは有料サービス
かつてのように、非常に単純な配線で済む家電製品ばかりだった時期は、引越し業者は、無料で配線の取付けサービスをしていたものでした。
現在のように、それぞれの家電製品が複雑に関係している配線は、引越し業者のスタッフができるレベルを越えています。
ですから、引越し業者に家電製品の配線の取付けを依頼する場合、引越し業者が手配する電気工事会社などの専門業者が作業をおこないます。
プロの仕事ですから、サービス内容は申し分ありませんが、当然、有料のサービスです。
料金の内訳はほとんどが人件費=スタッフの時給ですが、この配線の取付けは意外と時間ががかかります。
つまり、意外に料金が高い、ということです。
配線の取付けを安くする方法は2つ
無料の「自分で取付ける」・ちょっと安くなる「自分で業者を手配する」
ただでさえ引越しの料金がかかるので、家電製品の配線の取付けでも追加料金がかかる、というのは、なかなか気づきません。
なんとか費用を安く抑える方法はないか、というと、2つあります。
ひとつは、「自分で取付ける」、もうひとつは、「自分で業者を手配する」。
【方法1】家電製品の配線を自分で取付ける方法
家電製品の配線を自分で取付ける場合、当然ながら、失敗する可能性があります。
ですから、いかに失敗しないようにするか、という点に注意しなければなりません。
ポイントは3つ。「写真を撮っておく」、「配線にラベルを貼ってから取外す」、「配線と同じラベルを家電製品の差込口にも貼る」―の3点です。
ポイント1:取外しの時点で写真を撮っておく
配線を取り外すまえに、それぞれの配線の両端(出力・入力)の状態を写真に撮っておいてください。
特に、家電製品の側の出力・入力の端子の状態が重要です。ここに何の配線を差込むのかがわからなくなると、配線の取付けは失敗する可能性が高くなります。
配線の取付けは、「取外し」の時点の状態を再現することといえます。
ですから、どの状態に「戻す」のかを写真で記録しておきます。
ポイント2:配線にラベルを貼ってから取外す
次に、配線の両端(出力・入力)になんらかのラベルを貼っておきます。
簡単な方法は、ペンなどで書き込みができる養生テープを貼り、「配線1」「配線2」などと書き込む方法です。
単色のペンの場合はわかりづらいので、複数の色のペンがある場合は、配線ごとに分けるといいでしょう。
手元にたくさんの種類のカラーテープがある場合は、そちらを使ってもいいです。
これは、非常にわかりやすいので、オススメです。
このようなラベルを貼ったうえで、配線を取外します。逆にいえば、ラベルを貼るまでは、配線を取外してはいけません。
また、配線は、一気に取外すのではなく、次項の差込口にラベルを貼りながら、ひとつずつ外していきます。
すべての配線にラベルが貼られたら、いったん写真を撮っておきましょう。
ポイント3:配線と同じラベルを家電製品の差込口にも貼る
最後に、配線と同じラベルを、その配線が差し込まれている家電製品の差込口に貼りながら、配線を外します。
こうすることで、どの配線がどの差込口に差し込まれていたかがわかりやすくなります。
この際、電源の配線のように、家電製品の側に配線を取付けたまま引越しができるのであれば、取付けたままにしておいてください。
引越し業者のスタッフは、家電製品の配線をついたまま運んでくれます。
なお、差込口にラベルを貼ったままの状態で引越しをしてもいいのですが、差込口に貼られたラベルは、非常に剥がれやすいです。
そこで、色がついていない透明なタイプの養生テープを、ラベルの上から貼ってください。
ほとんどの家電製品は、養生テープを貼っても特に支障はありません。
安心して、ラベルが剥がれないように、めいっぱい養生テープを貼ってください。
そのうえで、万が一、養生テープが剥がれた場合に備えて、養生テープを貼った状態の写真も撮っておきましょう。
取付けは取外しと逆に進める
取付けは、取外しとは逆の行程を進めることになります。
まずはダンボールから配線を取り出します。この際、「配線が入ったダンボールが見つからない!」ということがありがちです。
ですから、配線が入ったダンボールにいは、「すぐ使う」とハッキリ・大きく・わかりやすく書いておきましょう。
配線を取り出したら、それぞれの配線のラベルに対応したラベルの差込口に、順次差し込んでいきます。
無事にすべての差込口に配線を差し込んだら、家電製品の作動確認をして、作業は終了です。
この際、配線の長さが足りないことがありますが、とりあえず、すべての差込口に配線を差し込みましょう。
その後で、家電量販店などで、長さが足りない配線を買い替えたり延長コードを買ったりして、作業に戻ってください。
自分で配線を取付ける場合のメリット・デメリット
- メリット:無料でできる。
- デメリット:手間がかかる。失敗するリスクがある。
【方法2】自分で配線取付けの業者を手配する場合
町の電器屋にお願いする
引越し業者の配線取付けのサービスが意外に高い理由は、時間がかかってスタッフに支払う給料=人件費がかかるため、だけではありません。
実は、引越し業者が、料金の一部を手数料として差し引いて、回線取付けの業者に料金を支払っているからです。
もちろん、すべての引越し業者がそうとは限りませんし、このこと自体が悪いことでもありません。
ただ、少なくとも管理人がコッソリ回線取付け会社のスタッフの方に確認した際には、いわゆる「ピンはね」をされている、と言っていました。
となると、お客さまご自身で回線取付け会社を手配したほうが安い、ということになります。
具体的には、近所で営業している電器屋さんなどにお願いするといいでしょう。
劇的に安くなるわけではない
もっとも、直接電器屋さんのサービスを利用したとしても、引越し業者に手配してもらうよりも劇的に安くなる、ということはありません。
配線の取付けのような「細かい仕事」は、電器屋さんにとっては、儲かる仕事ではありません。
通常は、昔からおつき合いがあるお馴染みの常連客に、一種の「サービス」として安くしてくれるものです。
その代わり、常連客は、家電量販店よりちょっと高くても、家電製品はその電器屋さんで買う、という「あうんの呼吸」があるのです。
引越し先が近所で、おつき合いがある電器屋さんがあるのであれば、お願いしてもいいかもしれません。
ですが、新しく住む引越し先(新居・卸地)で、飛び入りで電器屋さんに配線取付けのサービスをお願いしても、それほど安くはしてくれないでしょう。
それどころ、単に配線の取付けだけを依頼した場合は、断られる可能性があります。
自分で配線取付けの業者を手配する場合のメリット・デメリット
- メリット:回線取付け作業を丸投げできる。失敗のリスクは少ない。引越し業者に手配してもらうよりも安い可能性がある。
- デメリット:料金がかかる。
レンタルモデムの返還の確認をしておく
モデムを返すのか使い続けられるのかを確認する
インターネット回線会社によっては、モデムをサービスで貸していることがあります。
このモデムは、返さなければならない場合もあります。
引き続き同じインターネット回線会社の回線を利用する場合は、そのままモデムを使い続けられることもあります。
この場合は、通常の荷物と一緒に引越しをします。
インターネット回線会社には、モデムを返すのか、そのまま引越し先(新居・卸地)でも使っていいものなのかを確認して下さい。
電話回線とインターネット回線の手続きを同時にしておく
電話回線の移転手続きは2週間前までに済ませる
電話回線の移転手続きは、NTT東日本、NTT西日本、KDDI、ソフトバンクなどの電話会社で受け付けています。
通常の時期や閑散期であれば特に気にする必要はありませんが、繁忙期(2月下旬・3月・4月中旬)には、手続きが混雑して手続きが遅くなることもあります。
このため、なるべく早め(できれば2週間以上前)に電話会社に連絡をして、手続きをしておいてください。
なお、移転の際には、電話会社が電話回線の工事をおこないます。
工事への立会いは、電話会社内の工事であれば不要ですが、ご家庭内での工事であれば必要です。。
工事がおこなわれている間は、電話回線が使えなくなりますので、注意してください。
インターネット回線の引越しの手続きも済ませる
電話回線を利用されているほとんどのお客さまは、インターネット回線回線も同じ電話会社のものを利用していると思います。
インターネット回線の引越しの手続きは、電話回線の引越しの手続きと一緒にしてしまいましょう。
電話会社でも、電話回線とインターネット回線の引越しについては、ホームページで一緒の手続きとして扱っています。
また、電話会社とインターネット回線を利用している会社とがちがう場合も、同じ時期にそれぞれ引越しの手続きを済ませましょう。
電話会社の引越し手続きページ一覧
電話会社のホームページでは、引越しの手続きが簡単にできるようになっています。一覧を掲載しますので、ご利用の電話会社に合わせてご利用ください。
- NTT東日本:電話のお引越し|電話トップ|Web116.jp|NTT東日本
- NTT西日本:NTT西日本|電話のご案内公式|お引っ越しのお手続き
- KDDI(au):お引越し(住所変更):インターネット・電話 | ご契約内容の確認・変更手続きのご案内 | au
- ソフトバンク:移転手続き | 各種お手続き・お問い合わせ | おとくライン(個人) | 個人のお客さま | ソフトバンク
固定電話機は引越し当日までそのまま
搬出作業が終わる直前まで使える
固定電話機は、引越しの当日までそのままにしておいてください。
引越しの当日はいろいろな連絡先と連絡を取り合うことになります。携帯電話の通話やSNSだけでは、対応できなくなることがあります。
特に、携帯電話の電池切れになることがあります。この点から、通話については、固定電話機を優先して使うべきです。
このため、搬出作業が終わる直前まで使っても構いません(ただし、これは引越し業者にもよります)。
もちろん、自分で配線の取付けをする場合は、すでに述べたように、ラベルを貼る必要があります。
ですから、速やかにラベルを貼れるように、あらかじめ準備しておいてください。
梱包・運搬は引越し業者のスタッフにまかせる
固定電話機は、通常、気泡緩衝材(エアーキャップ、いわゆる「プチプチ」)で梱包したうえで、さらにダンボールに入れて梱包します。
作業自体は非常に簡単ですので、ほとんどの引越し業者は、どのプランでも追加料金なしで対応してくれます。
ただし、念のため見積もりの際に営業員に確認してください。
また、引越し先(新居・卸地)では、最初に電話機を搬入してもらって取り付けることも可能です。
ただ、電話線差込口の場所や電話台の設置のしかたによっては、搬入作業の邪魔になることもあります。
このため、引越し業者のチームリーダと実際に引越し先(新居・卸地)の状況を確認したうえで、チームリーダーの許可を得てから取り付けてください。
固定電話機すぐに出せる場所に置く
固定電話機のダンボールはすぐにトラックから降りてくる
固定電話機は、すぐに出せる場所に搬入してください。
すでに述べたように、通常、固定電話機は、引越し元(旧居・積地)では、最後まで使われたうえで、ダンボールに梱包されます。
トラックの荷台には、最後=一番後ろに積まれるわけです。
となると、引越し先(新居・卸地)の搬入作業では、最初に出てくるダンボール、ということになります。
この時点で、気の利いたベテランのトラックのドライバーであれば、固定電話機が梱包されたダンボールをトラックの荷台からは降ろしません。
すぐに取り出せるように、最後のほうに荷台から降ろします。
ところが、すべての引越し業者のトラックのドライバーが、気の利いたベテランのドライバーというわけではありません。
中には、なにも考えずに固定電話機が梱包されたダンボールを降ろしてしまう未熟なドライバーもいます。
チームリーダーにすぐ出せる場所置くようによく伝えておく
このように、搬出作業の序盤に固定電話機が梱包されたダンボールが運び込まれた場合、気の利いたチームリーダーであれば、他の荷物と区別しておきます。
そのうえで、後で改めて、すぐ使えてる場所に置き換えます。
ところが、ドライバーと同様に、すべてのチームリーダーが気が利いているとは限りません。
経験が浅い未熟なチームリーダーであれば、何も考えずに固定電話機が梱包されたダンボールを他のダンボールと一緒に置いてしまいます。
こうなると、固定電話機のダンボールがどこに置かれているのかわかならくなります。つまり、しばらくは連絡手段が携帯電話だけになってしまいます。
それだけならまだマシですが、携帯電話の充電器、充電ケーブルまでが、どこに置かれているのかわからなくなることもあります。
こうなると、電池切れになってしまい、最悪の場合、連絡の方法がなくなることもあります。
ですから、引越し先(新居・卸地)で搬出作業が始まる前に、チームリーダーには、固定電話機が入ったダンボールを、すぐに取り出せる場所に置いてもらえるようにお願いしてください。
特に事業で固定電話機を使っているお客さまや、携帯電話をお持ちでないお客さまは、注意してください。
まとめ
電話会社やインターネット回線会社の引越しの手続きは面倒です。
これらの会社の手続きは、遅くとも引越しの日の2週間前にしなければなりませんが、早ければ早いほどいいです。
管理人としては、それこそ引越しが決まった直後に手続き始めるくらいでいいと思います。
特に、3月・4月の繁忙期では、電話会社やインターネット回線会社にも、たくさんの手続きの申込みがあります。
このため、回線の引越しに時間がかかってしまい、新生活での連絡手段が携帯電話だけ、ということになりかねません。
このようなことがないように、早め早めの行動を心がけてください。