「前の引越しで、家具にガムテープ貼っちゃって、剥がれなくて大変だったけ…。結局、引越しの準備でガムテープってどうやって使えばいいの?」とお悩みではありませんか?

こんにちは。引越し業者のスタッフとしての経験が浅いころ、引越しでのガムテープの使い方に、いろいろとこだわりがあることを知って驚いた、元引越し業者スタッフの管理人です。

ガムテープは、別名「クラフトテープ」ともいう、紙製のテープです。

引越しの他にも日常生活で重宝する、おなじみのテープですね。

ガムテープは、主に、ダンボールや布団袋などの使い捨ての資材での梱包に使います。

引越し業者のスタッフは、ガムテープをいろんな使い方で使います。

ですが、一般のお客さまの場合は、ダンボールと使い捨ての布団袋にしか使うことはないでしょう。

むしろ、これ以外の使い方には注意が必要です。特に、家具には絶対に使ってはいけません。

また、使い方のコツは、とくにかく「たっぷり」使うことです。

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ガムテープは主にダンボールに貼る

色違いのガムテープ

「ダンボール以外には使ってはいけない」

ガムテープは、引越しに必須の資材で、引越し業者のスタッフは、いろいろな資材や梱包・養生などの作業に使っています。

一般のお客さまのダンボールの使い方としては、ダンボールを貼り合わせて閉じるときに使います。

というよりも、大げさですが「ダンボール以外には使ってはいけない」というのが、管理人の本音です。

せいぜい、使い捨ての布団袋に使っていいくらいでしょうか。布団袋への使い方は、後ほど詳しく説明します。

もちろん、引越し業者のスタッフのように、巻きダンボールや気泡緩衝材(エアーキャップ。いわゆる「プチプチ」)に使ってもかまいません。

ただ、こうした特殊な方法の梱包は、本来は引越し業者のスタッフがすることで、引越し業者がお客さまにさせることではありません。

ダンボールには必ずガムテープを貼る

また、ダンボールに貼るテープは、必ずガムテープだけにしてください。

ガムテープ以外のテープ、特に養生テープは、ダンボールには使わないでください。

養生テープは、ガムテープに比べて粘着力が低いため、ダンボールに使うと、底が抜ける可能性があります。

なお、市販の布製のガムテープの場合は、粘着力や強度が強いので、ダンボールに使ってもかまいません。

ただし、布製のガムテープは紙製のものに比べて割高なので、管理人としてはオススメしません。

色を使い分けるとワレモノ・すぐ使うものの梱包が楽ちん

なお、一般的なガムテープの色は薄茶色または白ですが、他の色のガムテープもあります。

この色の違いを利用した、引越し業者の小技があります。それは、「ダンボールの中身に応じて、使うガムテープの色を変える」ことです。

例えば、ワレモノのダンボールは、赤のガムテープ、すぐ使うガムテープは黄色のガムテープのように、使い分けます。

こうすることで、わざわざダンボールに、ワレモノのシールを貼らなくてもいいですし、「ワレモノ」「すぐ使う」と書く手間が省けます。

ちなみに、引越し業者によっては、色違いのガムテープを提供している場合もことがあります。

こうした色違いのガムテープを使いたい場合は、見積もりの際に、引越し業者の営業員に聞いてみて下さい。

参照:引越しの時間が劇的に減る!?―ダンボールに記入する4つの必要事項

使い捨ての布団袋には紐・ロープではなくガムテープを使う

ダンボール以外にガムテープを使う資材としては、使い捨ての布団袋があります。

使い捨て布団袋には、紐やロープで閉じるタイプもありますが、管理人としては、ガムテープで閉じることをオススメします。

というのも、布団袋は、かなり重くなるため、よほど上手に紐を結ばない限り、簡単に紐がほどけてしまいます。

こうした事故の可能性があるため、ガムテープを貼ってガチガチにとめてしまったほうがいいです。

余談ですが、管理人は、引越しの現場では、使い捨ての布団袋を紐やロープで閉じたことは1回もありません。

いつも、ガムテープか、養生テープを使っていました。

ちなみに、ビニール製の使い捨ての布団袋を再利用するのであれば、養生テープを使ってもかまいません。

参照:引越しでの布団の梱包・荷造りのしかた―割れ物だけは入れない

「使い捨てでない」布団袋にはガムテープは使わない

なお、布団袋には、「使い捨て」ではなく、再利用が前提のものがあります。

このような布団袋には、ガムテープを使ってはいけません。

再利用できる布団袋は、ガムテープを貼ってしまうと、ガムテープが剥がれなくなってしまいます。

このため、おとなしく紐・ロープで閉じて下さい。

ガムテープは絶対に家財・建物には使わない

ダメ出しする引越し業者男性営業員

ガムテープはキレイにはがれない

一般的なガムテープは、非常に粘着力が強く、剥がれにくいものです。

このため、家財、家電製品、建物に直接貼ると、剥がれなくなることがあります。

特に木製の家具・建材とは相性が悪く、よほど注意深く剥がしても、ほとんど剥がれません。

場合によっては、家具や建物の塗装を剥がしてしまうこともあります。

このため、ガムテープは、ダンボール・布団袋などの、使い捨ての消費資材に貼るためだけに使ってください。

家具、家電製品、建物には、絶対に貼ってはいけません。

そもそも家具にガムテープを貼る必要はない

お客さまの中には、食器棚・テレビ台・テレビボード・押入れダンス・収納ケース・収納ボックス・電子レンジなどに貼る方もいらっしゃいます。

引越し業者のスタッフをやっていると、よく遭遇する「引越しあるある」です。

こうした荷物には、ガムテープを貼る必要はありませんし、むしろ貼ってはいけないものです。

なぜお客さまがこうした荷物にガムテープを貼るのかといえば、棚板、ガラス扉、フタ、引出しなどが動かないようにするためです。

ただ、こういった「動く荷物」は、ガムテープで固定するものではありませんし、実は、非常に特殊な作業であす。

これらの荷物は、引越し業者のスタッフが適切に処理して運んでくれますので、ガムテープを貼らずにそのままにしてください。

どうしても貼りたい場合は養生テープを使う

ただ、押入ダンス、衣装ケース、収納ボックスなどの、引出しやフタが開くのが心配な方もいらっしゃるでしょう。

引越し業者のスタッフは、こうした荷物の引出しやフタがテープでとまっていなくても、開かないような運び方をします。

どうしても心配な場合は、ガムテープではなく養生テープ(または布製のガムテープ)でとめてください。

養生テープや布製のガムテープを貼った場合は、あとに残らずに、キレイに剥がせます。

なお、養生テープや布製のガムテープを貼ってもいいのは、あくまで、プラスチック製の押入ダンス、衣装ケース、収納ボックスです。

プラスチック製ではなく、紙製や金属製の場合は、粘着力が弱い養生テープでも、表面や塗装が剥げることがあります。

参照:実は使い方が難しい―引越しで使う養生テープの特徴と注意点

ガムテープで小物をまとめる場合の使い方

スプーン・フォーク

食器梱包用紙(クレープ紙・クレープペーパー)で包んでから貼る

ガムテープは、箸・スプーン・フォーク、筆記用具などの、小物の荷物をまとめる場合も、使うことができます。

あくまで引越し業者の小技であり、お客さまは無理に使う必要はありませんが、参考にしてください。

こうした小物の荷物は、直接ガムテープを貼ってまとめてしまうと、はがれなくなることがあります。

ですから、引越し業者が提供する食器梱包用紙(クレープ紙・クレープペーパー)で、ひとまとめに包んで、その上からガムテープをでとめます。

インクの汚れに抵抗がなければ、新聞紙を使ってもかまいません。

包丁の梱包は牛乳パックでもいい

包丁などの刃物を梱包する場合は、刃の部分に牛乳パックなどを当てて、抜けないようにガムテープでしっかり固定します。

牛乳パックなどがない場合は、食器梱包用紙(クレープ紙・クレープペーパー)や新聞紙を厚めに当ててください。

この際、誤って手を切らないように、梱包した紙に、必ず中身が包丁であることを書いておいてください。

また、おなじように、ダンボールにも包丁が入っていることを記入しておいてください。

ガムテープを使うコツは「たっぷり」使うこと

ガムテープとダンボール

ガムテープは「とめる」「閉じる」ものではなく「補強する」もの

引越しで使うガムテープは、単に「とめる」あるいは「閉じる」ものではありません。

あくまで、ガムテープは、安全に引越しをするために、荷物を「補強する」ものです。

ですから、ベテランの引越し業者のスタッフは、ガムテープを使うときに、荷物が破損しないように、いろいろとこだわっています。

ここが、一般のお客さまと引越し業者のスタッフとの大きな差です。

単に「とめる」「閉じる」ためにガムテープを使う場合は、事故の確率が上がります。

引越しで使うダンボールの底にはガムテープを目一杯貼る

ガムテープを縦横ともにたっぷり使う

例えば、引越し業者のスタッフは、ダンボールの底を閉じるときは、十字貼りにします。

参照:引越しの荷造りの鉄則―ダンボールの底は十字貼り

この際、当たり前ですが、貼り合わせる部分は、側面にまでガムテープを伸ばすように使います。

そして、直角に交わる、貼り合わせるところでない部分も、同じように側面までガムテープを使います。

つまり、縦横ともに、底面全体と側面の4分の1くらいまで貼ります。

ガムテープはダンボールの「たわみ」「ゆがみ」をなくすために使う

なぜこのような使い方をするのかというと、もちろん、一番圧力がかかるダンボールの底面の中心部を補強するためです。

ただ、これは、単純にダンボールの底面の中心部だけを補強するのではありません。

それ以外にも、ダンボールの底面全体の「ゆがみ」や「たわみ」がないようにするためです。

引越し業者のスタッフのスタッフは、ダンボールにガムテープでテンションをかけることにより、ダンボールの「ゆがみ」「たわみ」がないようにするのです。

ガムテープでダンボールの底にテンションをかける

お客さまの中には、引越し業者のスタッフがダンボールにガムテープを貼っているシーンを見て驚いた方もいらっしゃるでしょう。

ダンボールを扱う作業が早いだけでなく、ガムテープでダンボールをまるで「締める」ように貼っていきます。

引越し業者のスタッフは、ガムテープをダンボールに貼る際に、縦横とも、内側に引き寄せるように貼ります。

こうすることで、ダンボールの「隙間」や「遊び」がほとんどなくなります。その結果、「ゆがみ」や「わたみ」がなくなります。

「隙間」や「遊び」がある重いダンボールは引越しで底抜けする

逆に、漫然とダンボールの底にガムテープを貼っていると、ダンボールの底に「隙間」や「遊び」ができてしまいます。

こうしたダンボールに本や食器が詰まっていると、引越し業者のスタッフが運んでいるうちに、その隙間や遊びが徐々に広がっていきます。

そして、最終的には底抜けしてしまいます。

ですから、特に重い荷物、具体的には本と食器を詰めるダンボールの底は、縦横ともしっかりと内側に抑え込んで、たっぷりガムテープを使って貼ってください。

布団袋はキツく・長くガムテープを貼る

がっちり固く締まった布団袋にする

同じように、布団袋を閉じるときも、内側に締め込むようにして、ガムテープを使います。

布団袋は、中に隙間がある、ブカブカの状態で運ぶと、すぐにガムテープが切れてしまいます。

ですから、なるべく隙間がなくなるように、内側に締め込んでガムテープで閉じてください。

「少しやりすぎかな?」というくらい、がっちり固く締まった布団袋でちょうどいいくらいです。

布団袋に使うガムテープが短いと切れたり取れたりする

また、布団袋を閉じる場合も、ダンボールと同じように、たっぷりと(1回あたり1メートル程度)使ってください。

布団袋は、中身も布団袋自体も動きやすいため、入り口だけにちょっとガムテープを貼っても、すぐに取れたり切れたりしてしまいます。

ですから、側面にまで伸ばすように、ガムテープはたっぷりと使ってください。

ちなみに、布団袋は、密閉する必要はありません。

入り口と直角に交わるように、3~4本程度、ガムテープを使って閉じてください。

なお、こうした布団袋の閉じ方が苦手な場合は、引越し当日に引越し業者のスタッフに閉じてもらってください。

市販のガムテープは粘着力に注意

困る主婦

ものによっては粘着力が低いガムテープもある

なお、引越し業者が提供しているガムテープは、かなり粘着力が強いものですから、安心して使うことができます。

ところが、市販のガムテープは、品質によっては、非常に粘着力が弱いものもあります。

このような粘着力が低いガムテープは、ダンボールの底抜けの原因となります。

このため、ガムテープをお客さまが自前で準備する場合は、粘着力に注意する必要があります。

ホームセンターなどで値段が安いガムテープを買う場合は、まずひとつだけ買ってみて、粘着力を試してみてください。

特に中古のダンボールに使う場合は底抜けに注意する

粘着力が低いガムテープは、特に中古のダンボールに使い場合に注意が必要です。

中古のダンボールは、前回までに使っていたガムテープの上から貼ると、すぐに剥がれてしまいます。

ですから、通常は、前回までに使っていたガムテープは剥がして、ダンボール本体に直接ガムテープを貼ります。

ただ、前回までに使っていたガムテープを剥がすと、ダンボールの表面まで、一緒に剥がれてしまいます。

表面が剥がれた中古のダンボールは、ガムテープのノリがつきにくくなり、ガムテープが剥がれやすくなります。

ですから、中古のダンボールに市販のガムテープを貼る場合は、特に注意してください。

参照:コスパ最高―中古のダンボールの引越しでの使い方と注意点

まとめ

いかがでしたか?最後にもう一度、ガムテープの使い方について確認しておきましょう。

  • ガムテープは主にダンボールと使い捨て布団袋の梱包に使う。
  • 色違いのガムテープでワレモノのダンボール(=赤いガムテープ)やすぐ使うダンボール(=黄色など)を区別する。
  • ガムテープは絶対に家具・建物には貼ってはいけない。
  • ガムテープで小物の荷物をまとめる場合は、食器梱包用紙(クレープ紙・クレープペーパー)で包んでから貼る。
  • ガムテープをダンボールの底に貼る場合は、縦横ともしっかりと締め込んで「隙間」「遊び」をなくすように貼る。
  • 使い捨ての布団袋にガムテープを貼る場合は、隙間ができないように、ガッチリ固く締めるように貼る。
  • 市販のガムテープには粘着力が低いものもある。
  • 中古のダンボールに粘着力が低いガムテープを使うと底抜けすることがある。

この記事で書いた内容は、必ずしも管理人が先輩から教わったものだけではありません。

ほとんどが、自分でガムテープを使いながら、お客さまのダンボールや布団袋を梱包していて、自然と身についたものです。

適切にガムテープが使われた荷物は、非常に運びやすく、安心して作業ができます。

特に、ベテランの引越し業者の女性スタッフが梱包したダンボールは、それ自体がひとつの塊であるかのように、隙や遊びがないものです。

ところが、引越しに慣れていないお客さまが梱包したダンボールは、ダンボールの底も中身も隙や遊びが多いことがあります。

こうしたダンボールは、いつ底抜けするか、ヒヤヒヤして慎重に運ぶため、結局無駄に時間がかかってしまいます。

このように、ガムテープの使い方ひとつとっても、引越し業者のプロのワザがあります。

安全・安心に引越しをするには、ぜひ引越し業者を利用してみてください。