「引越しの荷物の梱包って面倒くさい!別に荷物をダンボールに詰めなくてもいいじゃない!?」と思ったことはありませんか?

こんにちは。かつて、引越し元(旧居・積地)でラップに包まれた本を目の当たりにして、あ然としたことがある、元引越し業者スタッフの管理人です(しかも隣に未使用のダンボールがありました…)。

この記事では、荷物をダンボールに梱包するべき理由を紹介しています。

この記事は、引越し業者を利用する際に、荷物や建物の破損など、事故がなく無事に終わってほしい人にオススメです。

引越し業者のドライバーもプロですから、荷物がダンボールに梱包されていなくても、トラックに積むことはできます。

何でもかんでもダンボールに梱包されていなくても、なんとか無事に引越しを終わらせるのが、プロの引越しです。

それこそ、チーム全体のレベルが高い場合は、ギリギリまで梱包せずに引越しをすることもあります。

ですが、こういう引越しは滅多にありません。

ほとんどの場合、荷物がダンボールに梱包されていないと、事故など、なんらかの不都合が起きてしまいます。

ですから、なるべく荷物をダンボールに梱包するべきです。

特に、小型の荷物の破損は、梱包を丁寧・厳重にすることで、かなり防ぐことができます。

では、荷物をダンボールに梱包するべき理由を見てみましょう。

スポンサードリンク

【理由1】荷物を運びやすくするため

ダンボールを運ぶ引越し業者男性スタッフ

小型の荷物は落下事故が多い

そもそも、荷物を梱包せずに引越しをするのは、プロが扱うものとはいえ、事故を起こしてくださいと言っているようなものです。

荷物がダンボールに梱包されていなかったとしても、引越し業者としては、よほどのことがない限り(食器、衣類、本が梱包されていない場合など)、運搬を断ることはありません。嫌な気分にはなりますが…。

ただ、事故が発生するリスクは、ダンボールに梱包されている荷物にくらべて、当然高くなります。

ダンボールに梱包されていない小型の荷物の事故は、主に引越し業者のスタッフによる運搬中に発生します。

ダンボールに梱包されていない小型の荷物は、それだけで運ぶと作業の効率が悪いため、ダンボールの上に載せて(重ねて)運びます。

これは、手持ちによる運搬の場合もエレベーター付きのマンションでの台車による運搬の場合も同じです。

この際、不安定な荷物はダンボールから落下して破損することがあります。

ダンボールの落下事故は補償対象だが交渉が大変

荷物の落下事故が起こった場合、引越し業者のスタッフのミスによって事故が起こったのですから、荷物の破損は補償対象です。

ただ、補償対象とはいえ、補償交渉などに費やす労力を考えると、手抜きして梱包しないほどのメリットがあるとは思えません。

面倒かもしれませんが、横着せずにしっかり梱包することをお勧めします。

このような落下事故を防ぐためにも、一見して梱包しなくてもいいような小型の荷物であっても、引越し業者のスタッフが最も運びやすいように、ダンボールに入れて梱包してください。

なお、金庫のような特に重く、頑丈な荷物の場合は、例外として梱包しなくてもいい場合があります。

  • ダンボールに入った荷物:梱包にひと手間かかるが、引越し業者のスタッフが運びやすく、落ちてもダンボールに衝撃が吸収されて、事故が起こりにくい。
  • ダンボールに入ってない荷物:梱包に手間がかからないが、引越し業者のスタッフが運びにくく、落ちたら直接荷物に衝撃が伝わり、破損事故が起こりやすい。

【理由2】トラックに積みやすくするため

積まれたダンボール

荷物はトラックの荷台で動く

ダンボールに梱包されていない荷物の事故は、トラックへの積み込み・走行中にも発生します。特に、トラックの荷台の状態によっては、走行中に事故が起こります。

引越しの荷物をトラックへ積み込む作業は、パズルのようなものです。

ダンボールに梱包されていない荷物は隙間ができやすいため、動かないように工夫しなければなりません。

このような工夫がないと、トラックの荷台で崩れたり、走行中に落下したり動いたりすることがあります。これは、荷物の破損の原因となります。

ダンボールに梱包された荷物は積込しやすく動きにくい

荷物がダンボールに入っている場合は、たとえ不揃いのダンボールだったとしても、隙間ができにくく、結果として事故はおこりにくいです。

まして、引越し業者指定のダンボールの場合は、隙間なく積み込むことができます。

このような事情があるため、引越し業者のドライバーがトラックに積み込みやすいように、また、走行中に動くことがないように、荷物は、ダンボールに入れて梱包してください。

これは、トラックへの荷物の積み込み作業を早くするためにも重要です。ダンボールに入るサイズの荷物は、必ずダンボールに入れて梱包してください。

  • ダンボールに入った荷物:トラックの荷台に積込みやすく、移動中に動きにくいため、落下事故・接触事故が起こりにくい。
  • ダンボールに入ってない荷物:トラックの荷台に積込みにくく、移動中に動きやすいため、落下事故・接触事故が起こりやすい。

【理由3】荷物や建物の破損などの事故を防ぐため

踊り場

梱包は屋外での事故の防止になる

荷物の破損は、落下事故やトラックの走行中の破損だけに限りません。

梱包されていない荷物は、他の荷物との接触によって、簡単にキズがついたり壊れたりします。

特にマンション・団地・公営住宅などのような、養生できない外壁(=固いもの)への接触があり得る現場では、接触によるキズのリスクがあります。

また、屋根のない場所がある現場では、(特に家電製品の場合)雨・雪によっても壊れることがあります。

このため、特にキズつきやすい荷物、壊れやすい荷物は、必ず梱包してください。

  • ダンボールに入った荷物:外壁や外階段の壁に接触した程度や、少々の雨や雪が降っていてもキズついたり故障したりしない。
  • ダンボールに入ってない荷物:外壁や外階段の壁に接触するとキズがついたり、少々の雨や雪でも故障することがある。

家電製品は引越し業者に梱包をまかせる

家電製品については、一般的には、(少なくとも大手の引越し業者では)作業当日に引越し業者に梱包して搬出してもらえます。このため、引越し業者にすべてまかせてください。

ただし、家電製品を引越し業者のスタッフが梱包してくれるかどうかは、引越し業者によってもバラバラです。ですから、この点は、見積もりの際に営業員に確認してください。

注意しなければならないのが、雨や雪が降っているにもかかわらず、引越し業者のスタッフが梱包せずに家電製品を搬出してしまうことです。

特に、経験が浅いスタッフが、何も考えずにやりがちなミスです。

ですから、雨や雪が降っている場合は、必ず家電製品を梱包してもらってください。

【理由4】追加料金を請求されないようにするため

お金がない女性

いくらプロとはいえ限度がある

作業当日に、本来梱包されているべき荷物が梱包されていない場合、引越し業者は、搬出作業ができないことがあります。

特に、トラックへの積み込みは、相当むずかしくなります。

かつて管理人の先輩は、「たとえ皿一枚・缶ジュース1本が裸で出てきても、必ずそのままトラックに積み込む」と豪語していました。

…が、いくらプロの引越し業者のドライバーとはいえ、その能力にも限度があります。

このため、荷物の梱包が終わっていない場合は、当日、その場で梱包して運ばざるを得ません。

引越し業者に断られることもある

このような当日の梱包作業は、引越し業者とお客さまの双方に無駄な時間と負担がかかってしまいます。

もちろん、引越し業者のスタッフとしては、サービスの対象外だからといて、お客さまが荷物を梱包しているのを横で見ているわけではありません。

当然、引越し業者のスタッフも梱包を手伝います。これは、場合によっては、追加料金に対象になります(というかむしろ追加料金が発生するのが当然です)。

あまりにも荷物が梱包されていない場合は、引越し業者側から作業を断られてしまこともあります。

通常、引越し業者の側から作業を断ることは滅多にありませんし、やってはいけないことではあります。

ただ、引越し業者の側で、悪質なクレーマーと判断した場合は、作業を断ることはあります。

【理由5】そもそも梱包はお客さまの義務のため

押印済み契約書

荷造りは標準引越運送約款にも規定された義務

お客さまと引越し業者とのルール(契約内容)である標準引越運送約款では、そもそも、荷造りはお客さまの義務とされています。

標準引越運送約款第7条(荷造り)
1 荷送人は、荷物の性質、重量、容積、運送距離等に応じて、運送に適するように荷造りをしなければなりません。
2 当店は、荷物の荷造りが運送に適さないときは、荷送人に対し必要な荷造りを要求し、又は荷送人の負担により必要な荷造りを行います。
3 前2項の規定にかかわらず、当店は荷送人からの申込みに応じて、荷送人の負担により必要な荷造りを行います。
出典:国土交通省「標準引越運送約款」

このため、荷物の梱包については、引越し業者は意外と強気で臨んできます。

引越しの当日に不要な追加料金が発生させないためにも、なるべく荷物は梱包してください。

まとめ

冒頭でも述べたとおり、かつて管理人は、自分がリーダーを務めた引越しの現場で、ダンボールではなく、ラップで梱包された本に遭遇したことがありました。

別にダンボールが足りていなかったわけでもないのに(現場には新品のダンボールがごっそり残っていました)、なぜ本をラップで巻いていたのか、今でも不思議でなりません。

本は、そのまま運ぶと破損しやすいものです。また、重いために、ダンボールの上に重ねて載せられません。

結局、これらの本は、ダンボールに詰め直して運びました。

その引越しが終わったのは、午後10時過ぎとなりました。お客さまからは、「時間がかかりすぎ!!」と、もの凄い理不尽なクレームを受けました。

この記事の執筆時点から10年以上も前のことですが、今でも鮮明に覚えています。

このように、不適切に梱包した場合や、そもそも荷物をダンボールに梱包していない場合、無駄な時間や事故の原因となります。

スムーズ引越しを終わらせるためにも、しっかりとした梱包を心がけてください。

また、どうしても梱包が面倒な場合は、引越し業者に梱包してもらうサービスも検討してみてください。