「引越しのバイトって、考えただけでもキツそうだよな…。でも、短期間で儲かるっていう話も聞くし、実際はどうなんだろう?」と疑問に思っていませんか?

こんにちは。大学生の時代から、引越し業者でアルバイトをしていた、元引越し業者スタッフの管理人です。

このサイトでは、引越し業者を利用されるお客さま向けの情報提供サイトです。

ところが、意外にアルバイトの希望者からお問い合わせを受けることがあります。

そうしたお問い合わせにお応えする、というほどのものではありませんが、引越し業者でのアルバイトについて、管理人の体験をもとに解説していきたいと思います。

なお、文中の内容につきましては、あくまで管理人個人の主観によるものであり、必ずしも一般的または客観的な内容とは限りませんので、あらかじめご承知おき願います。

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ポイント1:精神的に非常に厳しい引越しアルバイト

泣く引越し業者男性スタッフ

実は体力的にはそれほどキツくない引越しのアルバイト

引越しのアルバイトは、体育会系の部活に似ていて、上限関係が非常に厳しい、という特徴があります。

例えば、(特に男性の)新人の引越しアルバイトは、極端な表現になりますが、人間扱いされません。

実は、引越しのアルバイトがキツい理由は、作業そのものが厳しいから、というわけではありません。

引越し業者としても、大切なお客さまの荷物を破損させてしまうと、補償しなければなりません。

ですから、アルバイトには、事故がおこりそうなキツイ作業をさせません(もっとも、ギリギリの作業はさせますが)。

本当に引越しのアルバイトでキツイのはパワハラ・モラハラ・セクハラ

どちらかというと、引越しのアルバイトはキツイのは、先輩からの扱いが非人道的だからなのです。

残念ながら、引越し業者は、いわゆる「ブラック企業」である可能性が高いです。

また、パワハラ・モラハラやときにはセクハラを受けることもあります。

先輩からは日常的に暴言を吐かれますし、場合によっては暴力を振るわれることすらあります。

管理人も、しょっちゅう怒鳴られていました。ただ、管理人は身長が187cmですので、暴力は1回しか受けたことがありません。

「仲間」として認められればパワハラ・モラハラ・セクハラはなくなる

こうしたパワハラ・モラハラ・セクハラは、新人の引越しアルバイトがある程度経験を積み、実力や体力がついてくるにしたがって、徐々になくなります。

引越し業者のスタッフとして、経験・実力・体力がついてくると、引越し業者としては、貴重な戦力となります。

こうなると、それまでとは違って、扱いはかなり改善されます。

いわば、「仲間」として認められると、居心地は一気によくなります。

こうなると、引越しのアルバイトは辞められなくなります。

「仲間」として認められるには繁忙期を乗り越えなければならない

もっとも、「仲間」として認められるには、(先輩に気に入られるかどうか、という個人差はあるものの)最低限、1回は繁忙期を経験しないといけません。

繁忙期を乗り切ることにより、経験・実力・体力がついてきます。

何よりも、目が回るような忙しさの繁忙期に、一緒のチームで働くと「一体感」が出てきます。

ベテランの先輩ほど、繁忙期では、未経験の新人アルバイトや派遣社員とのチームを組まされるものです。

そうした状況で、少しでも経験を積んだ状態で一緒に働くと、先輩から、一種の「戦友」として一目置かれるようになります。

このように、繁忙期を乗り切ると、パワハラ・モラハラ・セクハラは、まずなくなります。

残念ながら打ち解けられない先輩はいる

もっとも、いくら一緒のチームで働いた回数が増えたり、繁忙期に一緒に働いたとしても、打ち解けられない先輩はいます。

これは、引越し業者に限らず、どのような業界であっても、「合わない人」は、いるものです。

こうした先輩に気に入られなかった場合は、いくら経験を積み、実力をつけたとこで、相変わらず暴言を吐かれます。

以上のように、引越しは精神的に非常に厳しいアルバイトであるため、精神的なタフさが要求されます。

ポイント2:当然ながら引越しアルバイトには体力が必須

ダンボールを運ぶ引越し業者男性スタッフ

新人アルバイトでも容赦なくダンボール2個は運ばされる

引越しの作業は、荷物を運ぶ作業であるため、当然ながらある程度体力に自信がない限り、とても続くものではありません。

いくら新人のアルバイトとはいえ、少なくともダンボールは2つ持たされます。

多少部下に配慮してくれるチームリーダーであれば、運ぶダンボールが平均的になるように、調整しながらダンボールを渡してくれます。

しかし、まったく部下に配慮しないチームリーダーは、本がギッシリ詰まったダンボールであっても、平気で2つ渡してきます。

新人アルバイトも家具を持たされることもある

また、忙しい時期には、男性のアルバイトは、新人といえども家具を持たされます。

それも、冷蔵庫や和ダンスなど、非常に重い家具ですら持たされます。

ちなみに、女性の場合は新人のうちは滅多に家具を持たされることはありません。

ただ、経験を積むに従い、女性の場合であっても、重い家具を持たされる状況が出てきます。

引越しのアルバイトでは腕力だけでなくスタミナも必要

単に荷物が重い程度であれば、腕力に自信があれば問題ないのですが、引越しの作業は、これに加えてトラックとの往復があります。

古い団地・公営住宅などの場合は、階段の昇り降りがあります。しかも、移動は常に駆け足です。

この点から、引越しアルバイトには、腕力に加えて、スタミナが要求されます。

このため、経験者でもない限り、たいていの人は初日で音を上げます。

余談ですが、管理人の経験では、唯一、元自衛官のアルバイトの方だけが、階段がある現場にもかかわらず、初日でもケロッと走り回っていました。

その方は元海上自衛官方で、陸上自衛官ほど陸上での厳しい訓練を受けているハズはないのですが、さすがに自衛隊での訓練の経験者は違いました。

2週間もアルバイトすれば体は慣れる

このように、引越しは、体力的にも非常に厳しいアルバイトであるといえます。

ただ、これほど厳しい引越しのアルバイトとはいえ、2週間も続けていれば、自然と体力がついてきて、筋肉痛もなくなります。

管理人の経験でも、非常に小柄でやせているアルバイトの方はいくらでもいました。

ですから、考えようによっては、体力を鍛えたり、ダイエットのためには、もってこいのアルバイトともいえます。

引越しのアルバイトは意外と移動時間が長くて楽な場合が多い

体力的には非常にキツイ引越しのアルバイトですが、実は、キツイのは、一部の瞬間的な時間だけです。

具体的には、ダンボールを運んでいるときと、家具を運んでいるときです。

「え?それって、アルバイトの時間の全部じゃない?」とお思いかもしれませんが、実はそうでもありません。

意外と、引越しのアルバイトでは、「何もしない時間」や「体力的にキツくない時間」があります。

ラックの移動中、(経験が浅いうちは)養生作業、家具の位置調整などの時間は、実はあまりすることがなく、楽ができます。

特に、長距離の移動がある場合は、バイトの時間の半分以上(場合によっては8割くらい)が、トラックでの移動、ということがあるくらいです。

ポイント3:引越し業者は社員教育がいい加減

疑問を持つ引越し業者男性スタッフ

引越しのアルバイトは離職率は極めて高い

引越し業者がブラック企業となってしまう問題点は、ひとことでいえば、まったく労務管理ができていない、という点にあります。

特に、社員教育がまるでできていない、という致命的な問題点があります。

引越し業界の離職率はかなり高く、アルバイトの定着率も、低い傾向にあります。

管理人の経験では、アルバイトを始めてから1年経過した際の定着率は、せいぜい数%程度といったところです。

引越しのアルバイトは仕事は「盗んで覚える」

これほど定着率が低い以上、引越し業者としても、先輩としても、仕事を教えようという気になりません。

基本的には、社員教育のほとんどは、いわゆるOJT、つまり現場で覚えるというのが実態です。

ただ、これも、正社員の社員教育であれば話は別ですが、アルバイトには、まともに仕事のやり方を教えようとはしません。

それこそ、「盗んで覚える」のが当たり前、という感覚です。

もっとも、先輩と仲が良くなれば、教えてくれる場合もあります。逆いえば、人間関係を築かないと、仕事を教えてくれない、ということでもあります。

作業が標準化されていないため先輩によってやり方が違う

しかも、作業の標準化がなされておらず、マニュアルなども整っていないことがほとんどです。

これが非常に厄介で、ひとつの作業についても、先輩によってやり方が違う、ということが平気であります。

つまり、先輩ごとに違うやり方を覚えないといけない、というになりかねません。

例えば、電子レンジの梱包にしても、ある先輩は梱包すると嫌がり、別の先輩は梱包しないと嫌がる、ということがあります。

ポイント4:引越しのアルバイトは給料が非常に高い

現金を持つ引越し業者男性スタッフ

短期間でガッツリ稼げる引越しアルバイト

これだけひどい待遇ではありますが、唯一、給料だけは比較的高待遇です。

引越しアルバイトは、肉体労働としては、いわゆる「高収入」のアルバイトの代表格であるといえます。

引越し業者によって金額はマチマチですが、最低限、時給で1,000円、日給で8,000円くらいは稼げます(これはあくまで最低限の金額ですので、相場はもう少し高額です)。

土日、連休、繁忙期(ピーク)では、まず間違いなく残業がありますので、日給で10,000円を超えることがざらにあります。

すでに述べたような非常に厳しい現場ではありますが、アルバイトの場合は、作業の厳しさと給料は関係ありません。

単身の引越しアルバイトは「美味しい」

例えば、単身者の長距離の引越しに配属された場合は、作業は短時間(1~2時間)、荷物は軽い、ほとんどは移動時間、ということがあります。

このような、非常に簡単な引越しでも、日給が10,000円を超えることもあります。

まだ経験が浅いアルバイトの場合は、トラックの運転はすることはありません。

ですから、単身の引越しのアルバイトでは、ほどんど助手席に座っているだけ(さすがに寝ていると怒られます)で、お金がもらえるようなものです。

このように、非常に「美味しい」現場もあることはあります。

日払いの給料で一気に稼ぐのが引越しのアルバイト

ちなみに、一部の引越し業者では、給料が日払いとなっています。

ですから、引越しのアルバイトは、短期間で一気に稼ぐこともできます。

特に繁忙期の場合は、(配属される現場にもよりますが)毎日10,000円以上の収入となります。

また、朝から晩まで働くため、昼ごはんや飲み物以外では、お金を使うこともほとんどありません。

ですから、大学生などが一気にお金を稼ぐ方法として、引越しのアルバイトはオススメです。

チップ・心づけの臨時収入もある

また、他のアルバイトとは違って、引越しのアルバイトでは、お客さまによっては、チップ・心づけをくださることがあります。

これが、地味に大きな臨時収入となります。

金額はそれぞれですが、管理人の経験では、少なくとも一人あたり1,000円、多い時で10,000円もいただいたことがあります。

もっとも、これはあくまでお客さまの好意によるものであす。

いただけたらラッキーくらいに思ってください。

参照:引越し業者のスタッフにチップ・心づけ(祝儀)・差入れは渡すべき?

引越し業者のスタッフにチップ・心づけ(祝儀)・差入れは渡すべき?

【Q&A式】まとめ


いかがでしたか?最後にもう一度、引越しアルバイトのポイントを確認しておきましょう。

引越しのアルバイトって、やっぱりキツイの? キツイです。ただ、体力的なキツさよりも、精神的なキツさのほうが応えます。パワハラ・モラハラ・セクハラが普通にありますので、これらの耐えられる精神力がなければ、続きません。
体力的にはどのくらいキツイの? 実は、体力的には、それほどキツイわけではありません。健康な成人男性であれば、十分に耐えられるレベルだと思います。

引越し業者も、大切なお客さまの荷物を破損させるわけにはいきませんので、アルバイトには、滅多に無理をさせることはありません。

また、経験が浅いうちは、アルバイトではすることがあまりありません。ですから、作業中も、意外と楽ができることがあります。

引越し業者では仕事を教えてくれるの? アルバイトには、まず仕事を教えてくれません。「盗んで覚える」のが当たり前です。

ただし、先輩と仲が良くなれば、教えてくれる場合もあります。

引越しのアルバイトは稼げるの? はっきり言って、引越しのアルバイトは非常に稼げます。特に、繁忙期では、連日仕事がありますし、残業が当たり前で、10,000円以上稼げる日が毎日続きます。


新人のアルバイトだった頃のことを思い出しながら、この記事を書いてきましたが、管理人には、引越しのアルバイトでの、良い思い出も、悪い思い出もたくさんあります。

ひとつ言えることは、およそ8年間の引越し業者での仕事は、そんなに悪くはなかったと感じています。

世間では、非常にイメージが悪い引越しのアルバイトですが、確かに、経験が浅いうちは、非常に厳しいアルバイトだと思います。

ネット上には、厳しい現場を経験して、短期間で辞めてしまったアルバイトや派遣社員の「恨み節」がいろいろ散見されます。

ただ、最初の厳しい時期を乗り切り、体力をつけ、経験を積むと、先輩からの扱いも良くなり、居心地がよくなります(もっとも、これも一種の「生存バイアス」ですが)。

なによりも、アルバイトとしては、高額な給料がもらえる、というのが嬉しい点です。

ですから、引越しのアルバイトは、特に若い男性には、せひ一度経験してもらいたい、オススメのアルバイトです。