「なんかスマホでいろいろ調べてたら、聞いたことがない引越し業者を見つけたんだけど、こういう会社に引越し頼んでも大丈夫なの?」と思ったこと、ありませんか?
こんにちは。同僚や先輩から、「中小引越し専門業者あるあるネタ」をよく聞かされた、元引越し業者スタッフの管理人です。
中小引越し専門業者は、引越しのサービスのみを専門とした中堅・小規模の運送業者です。
特徴としては、大手引越し専門業者に比べると、どうしてもサービスの品質が若干見劣りします。
他方、料金・費用はやや安く、値引き交渉もしやすい傾向があります。
このため、引越しの料金・費用を安く抑えることを重視するのであれば、利用を検討してみてください。
中小引越し専門業者は荷物の梱包等が若干簡易
引越し専用の資材は少ない
一般的に、中小引越し専門業者は、経営資本(=資金)が少なく、大手引越し専門業者に比べると設備投資が進んでいません。
梱包用の資材なども、種類や数が豊富とはいえません。
特に大きな問題として、引越し専用の資材を備えていないことがあります。
引越し専用の資材は、それこそ引越しにしか使えないため、そこそこ高く、他に使い回しができません。
そういう意味では、中小企業にとっては、手を出しづらい事情があります。
このため、大型の家具や冷蔵庫の梱包などは、若干簡易であることが多いです。
大手引越し会社は専用資材で家具を梱包する
例えば、一般的な大手の引越し業者は、家具を梱包する場合に、専用の資材を使います。
これに対して、中小引越し専門業者の中には、毛布で梱包することがあります。
この他にも、ベッドマットのカバーがないため、ベッドマットを梱包せずに運ぶことがあります。
これは、実際に管理人が目撃したものですので、すべての中小引越し専門会社がそうだというわけではありません。
ただ、管理人の間隔では、寝具であるベッドマットを梱包せずに運んでいたため、ちょっとした衝撃を受けました。
簡易な梱包は引越し会社のスタッフの技術で補うしかない
このように、中小引越し引越し専門業者を利用した場合、簡易な梱包での引越しとなる可能性があります。
引越し専用の資材ではなく、毛布などによる簡易な梱包では、むしろ引越しの作業としては難しくなります。
こうなると、事故を起こさないようにするためには、引越し会社のスタッフの技術で補わなければなりません。
これは、当然事故のリスクが高くなる原因となります。
梱包が気になる場合は引越し業者の営業員に確認を
もっとも、どのような資材を使うかは、引越し業者によってもバラつきが多く、すべての中小引越し業者がこういう実態だとは限りません。
中小企業といえども、大手引越し専門業者に見劣りしないような設備・資材を備えている会社もあります。
ですから、気になる場合は、見積もりの際に、営業員にどのような梱包をしているのか、聞いてみるといいでしょう。
また、ごくまれにですが、極めてレベルが高い作業をするスタッフが多いため、そもそも厳重な梱包を必要とないこともあります。
特に、家族的な経営をしている社風の会社であれば、社員の定着率も高いことがあります。
結果として、技術レベルが高い社員が多数いて、このような梱包なしでも十分に品質の高いサービスが提供できることになります。
引越しの料金・費用が安い理由に注意
引越しの料金・費用は1~3割程度安い
多くの中小引越し専門業者は、品質やサービスの独自性・差別化よりも、どちらかと言えば料金・費用の安さを売りにしています。
このため、大手引越し専門業者や大手物流兼業業者に比べて、値引き交渉に応じてもらいやすい特徴があります。
引越し会社にもよりますが、たいていの中小引越し専門業者の料金は、大手引越し専門業者の料金と比べて、1~3割程度は安いようです。
もっとも、これはあくまで管理人の経験と営業員に確認した範囲の話です。
「宣伝広告費をかけていない」という理由がベスト
なぜ大手引越し専門業者とそれだけの金額の差をつけられるのかといえば、費用のかけ方が違うからです。
引越しに直接必要な費用は、会社の規模によって変わることはありません。
ですから、実際に引越し作業に使う費用は、どの会社もほとんど一緒です。
では、どこで費用=引越し料金・値段に差が出るのかといえば、やはり宣伝広告費です。
大手引越し専門業者は、「引越しといえば◯◯」というイメージを作るため、テレビのCMやインターネットの広告などに、膨大な費用をかけています。
この費用(実際の利用者にとっては直接メリットにならない)が、料金・値段に上乗せされます。
この分は、中小引越し業者は負担していません。ですから、直接品質に関係しない費用の分が安くなっている、といえます。
人件費を削って安くしている場合は要注意
このように、テレビCMなどの高額な宣伝広告費を負担しないことによって、引越しの料金・値段が安くなっているのであれば問題ありません。
他方、他の重要な費用を削っている可能性もあります。
引越しは労働集約的なサービス業です。このため、価格に占める人件費の金額が多い特徴があります。
また、使用する資材の質や価格にも極端な差はありません。このため、価格競争にも限界があります。
ところが、相見積もりなどで値引き交渉した結果、あまりにも安くなる場合もあります。
こうした場合は、人件費を削っている(特に本来必要な人数を削る)可能性があります。
これにより、サービスの品質が極端に悪化する可能性がありますので、注意してください。
キズが増えても気にならない場合におすすめ
大手引越し専門業者よりも事故の発生率は高いと想定する
一般的な中小引越し専門業者による引越しの場合、すでに述べたとおり、梱包が簡易である点が問題となります。
また、大手の引越し業者と比べると、人材教育が十分といえない場合もあります。
さらに、お客さまからの依頼件数が少ないために、スタッフの経験の量に問題がある可能性もあります。
以上の点から、一般的な傾向として、中小引越し専門業者は、大手業者と比べて、事故の発生率が高い可能性があります。
多少の事故のリスクが取れるのであればオススメ
このため、中小引越し専門業者に引越しを依頼する場合は、事故の発生に注意してください。
具体的には、家具・大型家電製品などの大型家財や壁・床などにキズがつく可能性があります。
もちろん、こうした事故については、引越し業者は、補償に応じる義務があります。
ただ、ブランドイメージを重視して、補償交渉にも柔軟に対応している大手引越し会社に比べると、中小の引越し会社では、補償交渉が難航する可能性があります。
逆にいえば、老朽化した大型家財、子供がキズつけた家財、中古物件への引越しなど、キズが増えても気にならない場合におすすめです。
引越しの日程を変えることで値引き交渉を
引越し専門業者がヒマ=売上がない
中小引越し専門業者は、大手引越し専門業者と比べて営業力や知名度が低いため、極端にヒマな日があります。
引越しを専門とする業者にとって、お客さまからの依頼がない日は、他の仕事、例えば物流の仕事などができません。
ということは、正社員のスタッフやトラックを遊ばせておくことを意味します。
こうなると、ただでさえ経営環境が厳しくなりがちな中小企業なのに、売上がなくなってしまいます。
引越し業者がヒマな日=料金・費用が安い日
このようなことがないように、中小引っ越し専門業者は、あまりにも引越しの依頼がない日には、値下げしてでも依頼を受けようとします。
このような場合、引越し業者からは、極めて安い料金が提示されることがあります。
このため、値引き交渉の際は、日程を変えることも検討してみてください。
引越し業者によっては、繁忙期のように混んでいる日に高い料金で依頼を受けるよりも、平日のように暇な日に安い料金で依頼を受けるほうを優先する場合があります。
まとめ
管理人自身は、中小の引越し業者では数えるほどしか働いた経験はありません。ですから、必ずしも中小の引越し業者の内部事情に精通しているわけではありません。
ただ、冒頭でも述べたとおり、多くの同僚に、中小の引越し業者に勤務していた頃の話を聞いたことがあります。
ご年配の先輩にも、管理人の勤務先(大手引越し専門業者)が、まだ中小企業だったころのエピソードも聞きました。
また、中には、お客さまから、かつて利用したことがある中小の引越し業者のお話をお聞きしたこともあります。
その経験からいえば、中小の引越し業者は、本当に会社ごとに体質がばらばらです。似たような傾向がほとんどありません。
いいイメージでいえば、大手引越し専門業者も舌を巻くような、高品質なサービスを提供する会社もあります。
他方、本当に企業としてどうかと思うくらい、ひどいサービスを提供する会社もあります。
ただ、ひとつだけ共通する傾向があるとすれば、大手の引越し業者よりも「高くはない」といことです。
そういう意味では、とにかく料金・費用・値段の安さが最優先、というお客さまは、中小の引越し専門業者の利用を検討してみてはいかがでしょうか。