引越しの見積もりには、営業員による現地での立ち会いが必須です。

いくら優秀な営業員であっても、荷物の量や建物の構造を直接見ないと、正確な見積もりはできるものではありません。

逆にいえば、メールや電話だけでの見積もりは不正確な内容となることが多いため、トラブルの原因となる可能性があります。

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引越しの見積もりは原則無料

引越し業者の営業員による見積もりは、原則として無料です(標準引越約款第3条第4項)。

標準引越運送約款第3条(見積り)
(第1項から第3項まで省略)
4 見積料は請求しません。ただし、発送地又は到達地において下見を行った場合に限り、下見に要した費用を請求することがあります。この場合には、見積りを行う前にその金額を申込者に通知し、了解を得ることとします。
(第5項以下省略)
出典:国土交通省「標準引越運送約款」

ですから、費用のことは気にせずに、お気軽に申し込んでください。

当然ながら、見積もりで費用を請求するような悪質な引越し業者は、最初から相手にしてはいけません。

ただし、事前に引越し業者から通知があった場合であって、お客さまが了解したときは、費用を請求されることもあります(標準引越約款第3条第4項ただし書き以下)。

例えば、離島や山間部など、交通の便が非常に悪い場所での見積もりは、引越し業者の営業員の移動に時間や費用がかかります。このため、費用を請求される可能性もあります。

営業員による状況の把握が引越しの第一歩

引越しの作業では、個々の状況に応じて、個別・具体的なスタッフの対応が必要となります。

特に一戸建ての建物の場合は、個々の建物が違うため、まったく同じ状況はありえません。また、マンション、アパート、団地・公営住宅などでも、立地や設計の関係(特にトラックを横付できるかどうか)で、微妙に作業の内容が異なることがあります。

このため、正確な見積もりや作業には、営業員による正確な状況の把握が重要となります。なんらかの原因で営業員が正確に状況を把握していないと、引越し当日にスタッフが作業できなかったり、大幅に作業が遅れてしまったりする原因となります。

ですから、お客さまからも正確な状況を伝えるようにしてください。

特殊な状況では営業員の立ち会いが必須

一般的な引越しの場合と違って、なんらかの特殊な事情が引越しの作業に大きな影響を与えることがあります。

例えば、道路が狭い場合、窓吊り作業が必要な場合、家具の分解が必要な場合、マンションの管理人の許可が必要な場合などが考えられます。また、引越しとは直接関係しないまでも、エアコン、IHクッキングヒーター、照明等の電気工事が必要な場合もあります。

このような特殊な状況は、引越し業者による作業に大きな影響を与えます。また、場合によっては、料金にも影響を与えることもあります。
このため、見積もりの際には、必ず引越し業者の営業員に立ち会ってもらって、なるべく事情を説明してください。

なお、料金を安くしようとして意図的に事情を隠してしまうと、引越し当日のトラブルの原因となりますので、絶対にやらないでください。

メール・電話対応では「積み残し」の可能性も

引越し業者の中には、メールや電話だけで見積もりを済ますところもあります。これは、特にサービスがいい加減な中小零細業者に多いようです。

また、大手業者でも、繁忙期に営業員の数が足りないために、単身の引越しなどの見積もりを電話で済ますことがあります。

しかし、これは、いわゆる「積み残し」(トラックに荷物が積みきらない)の原因となります。積み残した荷物を運んでもらう場合は、有料対応となることもあります。

このため、メールや電話だけの見積もりはしないで、必ず営業員に立ち会ってもらってください。また、営業員の立ち会いを拒否した引越し業者は、なるべく利用しないようにしてください。