化粧台・ドレッサーは、女性が化粧をするための、小型の机のような家具です。通常は、大きな鏡がついています。
和式にものと洋式のものがありますが、最近は、ほとんどが洋式のものとなっているようです。
引越し業者にとっては、化粧台・ドレッサーは意外に扱いづらい荷物であり、このために事故も意外に発生します。
なお、化粧台・ドレッサーの中身は、引越し業者の営業員から許可が出ない限り、取り出して梱包してください。
化粧台・ドレッサーの分解・組立は引越し業者にまかせる
化粧台・ドレッサーは、比較的簡単に分解・組立できます。
たいていの場合は、鏡がはめ込み式になっていて、鏡を引きぬくだけで分解することができます。
ただし、ものによっては、ネジ止め式になっていて、意外に面倒な場合があります。
また、鏡の部分に照明がついている場合は、取り扱いには注意が必要です。
照明そのものはネジで止まっていますので、ドライバーで簡単に外すことができます。
ただ、照明は割れ物ですし、化粧台・ドレッサーの照明は他の照明と比べて複雑な構造となっています。
このように、化粧台・ドレッサーは意外に取扱いが面倒ですので、分解・組立は、引越し業者にまかせください。
化粧台・ドレッサーの中身はなるべく空にする
化粧台・ドレッサーの中には、さまざまな物が入っていると思います。
中身は人それぞれでしょうが、ハンカチやスカーフなどの軽い布製品以外は、なるべく出してダンボールに梱包してください。
また、洋式の化粧台・ドレッサーの場合は、椅子の中にも荷物を入れることができますので、忘れずに取り出しておいてください。
なお、化粧台・ドレッサーには、現金、有価証券、宝石貴金属、預金通帳、キャッシュカード、印鑑等の貴重品が入っていることがありますが、これらは、お客さまご自身で運んでください。
というのも、これらの貴重品は、引越し業者が貴重品であると知らずに運んだ場合は、補償の対象外となることがあります(標準引越運送約款第24条第1項)。
標準引越運送約款第24条(引受制限荷物等に関する特則)
1 第4条第2項各号に掲げる荷物については、当店がその旨を知って引き受けた場合に限り、当店は、当該荷物の滅失、き損又は遅延について、損害賠償の責任を負います。
(第2項省略)
出典:国土交通省「標準引越運送約款」
また、これらの貴重品は、引越し業者には運んでもらえません(標準引越運送約款第4条第2項第1号)。
標準引越運送約款第4条(引受拒絶)
(第1項省略)
2 荷物が次に掲げるものであるときは、当該荷物に限り引越運送の引受けを拒絶することがあります。
(1)現金、有価証券、宝石貴金属、預金通帳、キャシュカード、印鑑等荷送人において携帯することのできる貴重品
(第2号以下省略)
出典:国土交通省「標準引越運送約款」
液体の化粧品などの割れ物は必ず化粧台・ドレッサーから出して梱包する
液体の化粧品が入った割れ物は、必ず出して、割れないように食器梱包用の紙(クレープ紙・クレープペーパー)や新聞紙で梱包してください。
そのうえで、割れてもいいようにビニール袋で二重三重に梱包して、小型のダンボールに隙間なく入れて梱包してください。
というのも、化粧品が割れた場合、化粧品そのものが使いものにならなくなります。
また、それ以上に、割れた化粧品が液漏れしてしまって、他の荷物も汚れてしまう可能性があるという点です。
割れた化粧品が家具に付着してしまうと、汚れがついてしまって、しかもその汚れが落ちなくなることがあります。
また、家具ではなく家電製品の内部にまで浸透してしまうと、故障の原因となります。
鏡・ガラス・照明がよく割れる
化粧台・ドレッサーには、大きな鏡、ガラスの板、特殊な形の傘がついた照明など、割れ物がついています。これらは、どれも形が特殊で、扱いにくいものです。
ですから、転倒や梱包不良による破損に注意してください。特に鏡は、転倒しやすく、事故が発生しがちです。
というのも、化粧台・ドレッサーの鏡は、ほとんどがはめ込み式になっていますので、鏡の下の部分(挿入部分)が上の部分に比べて極端に細くなっています。
しかも、鏡ですので、それなりの重さがあります。このため、立てかけて置いた場合、非常に不安定で倒れやすく、転倒して割れてしまうことがよくあります。
また、転倒しないように倒しておくと、踏んでしまって割れることもあります。