引越し業者のスタッフは、建物や周辺の道路の状況に応じたふさわしい作業をしなければなりません。
このため、引越し業者の営業員にこれらの状況を正確に申し出ないと、スムーズな作業ができなくなることもあります。
なお、基本的にはプライバシーに関係することまで申告する必要はありませんが、別居・離婚の事情だけは簡単に説明してください。
引越し先(新居・卸地)の周辺道路を必ず確認しておく
引越し業者は、周辺道路の状況に合わせて、トラックを使い分けています。例えば、建物の前の道路の幅によっては、大きなトラックが入らないことがあります。
また、建物の前だけでなく、建物に行くまでの道路の規制によっても、10トン以上の大型トラックのような大きなトラックが侵入できないことがあります。このような場合は、1.5トントラックのような小型のトラックを使います。
引越し業者の営業員は、搬出建物の周辺の道路事情については、当然ながら詳しく知っています。また、実際に現地に見積もりに行く際には、トラックが通ることを想定しながら営業車を運転します。
ですから、特に荷物を搬出する建物の周辺の道路事情については、特にお客さまのほうから申告する必要はありません。
しかし、遠距離の引越し場合は、引越し業者の営業員は、引越し先(新居・卸地)の建物の周辺道路の状況を確認できません(ただし、支店が近くにある場合を除きます)。
ですから、大体で結構ですので、お客さまご自身が引越し先(新居・卸地)の道路の状況(道幅、規制等)を確認しておいてください。
引越し先(新居・卸地)の階段の幅・高さなどを測っておく
大型の家具・大型家電製品などは、室内外の階段を通らないことがあります。例えば、洋服ダンス(ワードローブ)、和ダンス、本棚、ソファー、大型冷蔵庫などが該当します。
このような大型の家具・大型家電製品が室内外の階段を通らない場合は、窓吊りなどの特殊な作業や車両(クレーン車・高所作業車)が必要となることがあります。
搬出建物については、現地での見積もりの際に、営業員がその場で窓吊りなどが必要かどうかの判断ができます。しかし、引越し先(新居・卸地)が遠距離の場合は、営業員が引越し先(新居・卸地)の階段の状況が確認できません。
このため、お客さまご自身が引越し先(新居・卸地)の階段の状況(幅・天井までの高さなど)を確認しておいてください。
搬出建物で窓吊り作業等で搬入した家具を申し出る
過去に、搬出建物で窓吊りやクレーン車・高所作業車等を使った、特殊な作業で搬入した家具・大型家電製品がある場合、必ずそのことを必ず申し出てください。
これは、搬出の際にも、窓吊り作業をする必要があるからです。
引越し業者の営業員もプロですし、たいていの営業員は現場の作業も経験していますので、現場と家具・大型家電製品を見れば、このくらいのことは判断ができます。
しかし、営業員の判断ミスもありますし、中には、家具・大型家電製品が階段を通りそうで通らない微妙な状況であることもあります。
また、たいていの引越し業者のチームリーダーは、想定外の窓吊りにも対応ができます。
しかし、他のスタッフ(特にアルバイトや派遣社員)が窓吊り作業ができない場合や、特殊車両(クレーン車・高所作業車)が必要な場合は、現場での想定外の窓吊りには対応できないこともあります。
このような事態になると、最悪の場合は、引越しが延期となることもあります。
搬出建物の室内で組み立てた家具を申し出る
搬出建物の室内で組み立てた家具がある場合、必ずそのことを申し出てください。
組み立て式の家具は、階段やドアを通らないことがあります。このような場合、引越し業者の営業員は、まず窓から搬出することを考えます。
しかし、組み立て式の家具は、場合によっては、窓すらも通らないことがあります。こうなると、分解して搬出するしかありません。
一般的な組み立て式の家具の場合は、たいていの引越し業者のスタッフは、手持ちの工具で分解できます。
しかし、中には特殊な工具が必要な場合があります。このような場合は、通常の専門の業者による分解作業が必要となることがあります。
また、引越し業者のスタッフが分解できる場合であっても、予想以上に時間がかかることがあります。